環境変数
これらの項は、環境変数について説明しており、TimesTen Classicに固有のものです。TimesTen Scaleoutの環境変数の詳細は、Oracle TimesTen In-Memory Database Scaleoutユーザーズ・ガイドの環境変数を参照してください。
TimesTenの環境変数の設定
ターミナル・ウィンドウの環境変数を設定することで、このウィンドウで特定のインスタンスに対してコマンドを実行することが可能になります。次の状況において、環境変数を設定することが必要になります。
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インスタンスの作成後
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TimesTenユーティリティを使用する前
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インスタンスを実行しているホスト上で直接モード・アプリケーションを実行する前
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クライアントを実行しているホスト上でクライアント・サーバー・アプリケーションを実行する前
Linux、UNIXまたはmacOSホストでは、ttenv.shまたはttenv.csh (どれを使用するかはシェルによって異なります)を設定して、環境変数を設定します。Windowsホストでは、ttenv.batバッチ・ファイルを実行して環境変数を設定します。インスタンスを作成した後に、TimesTenによってスクリプトが作成されます。
TimesTen Classicでは、これらのスクリプトはインスタンス・ホームの/binディレクトリにあります。
これらのスクリプトを設定すると、インスタンスを使用するために必要な環境変数が設定されます。
これらの環境変数としては、TIMESTEN_HOME、PATH、LD_LIBRARY_PATH (または同等のもの)、TNS_ADMINなどがあります。
たとえば:
sh、bash、zsh、kshなどのBourne型のシェルの場合
% cd timesten_home/bin
% . ttenv.sh
cshまたはtcshシェルの場合
% cd timesten_home/bin
% source ttenv.csh
TIMESTEN_HOME変数が設定され、インスタンス・ホームが認識されると、TimesTenはtimesten_home/conf/timesten.confインスタンスの構成ファイルに従って、デーモン・ポートなどの追加設定を実行します。インスタンスの構成ファイルの詳細は、インスタンスの構成ファイル(timesten.conf)を参照してください。
ノート:
設定後の出力には、パスおよびTIMESTEN_HOME設定が示されますが、すべての設定が示されているわけではありません。
または、コマンドライン・モードでttenvを使用して新しいシェルをフォークし、その環境を設定して指定したコマンドを実行できます。たとえば、ttIsqlを実行してdatabase1に接続するには、次のようにします。
% cd timesten_home/bin
% ./ttenv ttIsql database1
環境変数はttIsqlセッション内で設定され、ttIsqlプロンプトが表示されます。ttIsqlを終了すると、シェルの環境変数設定はもとに戻ります。
Windowsの場合は、DOSウィンドウからttenv.batバッチ・ファイルを実行して、DOSセッションの環境を変更します。たとえば:
C:\TimesTen\tt221_64\instance\bin>ttenvノート:
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Windowsでは、「Register environment variables」を有効(デフォルトで有効)にしている場合には、インスタンス・ホーム、パス、クラスパス、ライブラリ・パスおよびパスがインストール時に永続的に設定されます。これらの設定は、「System」コントロール パネルに反映され、セッション間で保持されます。
ttenv.batを実行する必要はありません。 -
ttenvのコマンドライン・モードはWindowsには適用されません。
環境変数の説明
次の各項では、環境変数について詳しく説明しています。
TIMESTEN_HOME環境変数
TIMESTEN_HOME環境変数は、インスタンスのホーム・ディレクトリを指定します。この変数は、ttenv.shまたはttenv.csh (どちらを使用するかはシェルによって異なる)のどちらかの設定で明示的に設定します。
Windowsでは、TIMESTEN_HOME環境変数は、インストール中に環境変数を登録した場合(デフォルトで実行されます)に永続的に設定されるか、ttenv.batを実行した場合にセッションに対して設定されます。
NLS_LANG環境変数
この環境変数は、OCI、Pro*C/C++およびODP.NETに関連します。ODBCおよびJDBCでは無視されます。NLS_LANGによってオーバーライドされていない場合は、sys.odbc.iniまたはユーザーのodbc.iniに指定された文字セットがデフォルトで接続に使用されます。文字セットを明示的に設定することをお薦めしますが、デフォルトの文字セットは通常はAMERICAN_AMERICA.US7ASCIIです。環境変数を使用して文字セットを設定するには、次の手順を実行します。
% setenv NLS_LANG AMERICAN_AMERICA.WE8ISO8859P1
Windowsでは、NLS_LANG設定が環境にない場合、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ORACLE\NLS_LANGレジストリでNLS_LANG設定が検索されます。プログラムによるデータベースへの接続に問題がある場合、NLS_LANG設定が有効であること、およびTimesTenでサポートされている文字セットを示していることを確認します。
詳細は、Oracle TimesTen In-Memory Database C開発者ガイドの文字セットの指定を参照してください。
共有ライブラリ・パス環境変数
共有ライブラリ・パス環境変数は、ttenv.sh またはttenv.csh (どちらを使用するかはシェルによって異なります)を設定するときに設定されます。この環境変数は、共有ライブラリのパスを指定します。
共有ライブラリ・パス環境変数は、次のように設定されます。
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Linuxでは、
ttenv.shまたはttenv.csh(どちらを使用するかはシェルによって異なります)によって$TIMESTEN_HOME/install/libがLD_LIBRARY_PATHに追加されます。 -
UNIXでは、
ttenv.shまたはttenv.csh(どちらを使用するかはシェルによって異なります)によって$TIMESTEN_HOME/install/libがLIBPATHに追加されます。 -
macOSでは、
ttenv.shまたはttenv.csh(どちらを使用するかはシェルによって異なります)によって$TIMESTEN_HOME/install/lib:$TIMESTEN_HOME/install/ttoracle_home/がDYLD_LIBRARY_PATHに追加されます。 -
Windowsでは、
ttenv.sh(またはttenv.csh)によってtt221_64\libがLIB(他のディレクトリ名が選択された場合は、インストール環境の最上位レベルの下にあるlibディレクトリ)に追加されます。 -
Solarisシステムでは、必要に応じて
LD_LIBRARY_PATHまたはLD_LIBRARY_PATH_64内のtimesten_home/install/lib。
PATH環境変数
TimesTenには、アプリケーションを管理およびデバッグするための各種ユーティリティが用意されています。これらのユーティリティを使用可能にするには、$TIMESTEN_HOME/bin内と$TIMESTEN_HOME/install/bin内の実行可能ファイルのパスをPATH環境変数に指定する必要があります。ttenv.shまたはttenv.csh (どちらを使用するかはシェルによって異なります)のソーシングで、これらのディレクトリを含むようにパスが更新されます。
また、プログラムをコンパイルするには、使用するプログラミング言語のコンパイラの場所がPATH環境変数で指定されていることを確認してください。
一時ディレクトリの環境変数
一時ディレクトリ環境変数は、一時ディレクトリの場所を指定します。TimesTenは、リカバリやその他の処理時にこのディレクトリを使用します。ttenv.shまたはttenv.cshスクリプトでは、この環境変数は設定されません。オペレーティング・システムのデフォルトを使用しない場合は、明示的に設定する必要があります。
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Linux、UNIXまたはmacOSホストでは、
TMPDIRが環境変数です。 -
Windowsホストでは、
TMPが環境変数です。
TNS_ADMIN環境変数
TNS_ADMIN環境変数は、tnsnames.oraファイルが配置されているディレクトリのフル・パスを指定します。
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TimesTenのOCI、Pro*C/C++またはODP.NETについては、
tnsnames.oraファイルが配置されているディレクトリのフル・パスをTNS_ADMIN環境変数で指定します。 -
TimesTen Classic内のTimesTen Cacheの場合は、
tnsnames.oraファイルが配置されているディレクトリのフルパスをTNS_ADMIN環境変数で指定します。これはOracle Databaseのデータにアクセスするためのものです。 -
LinuxまたはUNIXホストでは、
ttInstanceCreateまたはttInstanceModifyに-tnsadminオプションも指定して、TimesTenとユーザーの両方のアプリケーションがTNS_ADMIN設定を読み取れるようにします。
Java環境変数
Javaアプリケーションの場合は、javaとjavacの各実行可能ファイルの場所がPATH環境変数で指定されていることを確認します。
さらに、Javaのクラスとクラス・ライブラリが、CLASSPATH環境変数で指定されたクラス・パス内で検出されます。いずれかのTimesTen JDBCドライバをロードするJavaプログラムを実行する前に、CLASSPATH環境変数でクラス・ライブラリのファイルとパスが指定されている必要があります。
$TIMESTEN_HOME/install/lib/ttjdbcjdk_ver.jarここで、jdk_verはJDKバージョンを示します。(たとえば、ttjdbc17.jar。)
ノート:
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この変数は、
ttenv.shまたはttenv.csh(どちらを使用するかはシェルによって異なります)を設定することによってセッションに対して設定されます。またはWindowsでは、環境変数が登録されている場合はインストール時に永続的に設定されます(デフォルト)。 -
複数のJARファイルが
CLASSPATHにリストされている場合は、TimesTen JARファイルが最初にリストされていることを確認します。
JDKのバージョンを確認するには、次のように実行します。
% java -version
JMS/XLAインタフェースを使用するには、次のエントリをCLASSPATHに含める必要があります。
timesten_home/install/lib/timestenjmsxla.jar timesten_home/install/3rdparty/jms1.1/lib/jms.jar timesten_home/install/lib/orai18n.jar
たとえば、CLASSPATHは次の例のようになります(必要に応じてtimesten_home/installを置き換えます)。
.:timesten_home/install/lib/ttjdbc17.jar:timesten_home/install /lib/timestenjmsxla.jar:timesten_home/install/3rdparty/jms1.1/lib /jms.jar:timesten_home/install/lib/orai18n.jar
デフォルトでは、JMS/XLAは現行の作業ディレクトリにあるjmsxla.xmlという構成ファイルを検索します。別の名前および場所を使用する場合は、InitialContextクラスの環境変数の一部として指定し、CLASSPATH設定にその場所を追加します。詳細は、Oracle TimesTen In-Memory Database Java開発者ガイドのJMS/XLAの構成ファイルおよびトピックを参照してください。
SYSODBCINI環境変数
LinuxまたはUNIXホストでは、システムDSNおよびその接続属性はsys.odbc.iniファイルに定義されます。通常はデフォルトの場所$TIMESTEN_HOME/confで十分です。
実行時にこのファイルの名前および場所を上書きするには、TimesTenデーモンを起動する前にSYSODBCINI環境変数にsys.odbc.iniファイルのパス名を設定します。システム・データソースは、すべてのユーザーが使用できます。
TimesTenでは、ユーザーodbc.iniファイルのDSNが最初に検索されます。このファイルでDSNが見つからない場合、TimesTenはsys.odbc.iniファイルを検索します。
この環境変数は使用しないでください。詳細は、Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイドのユーザーおよびシステムDSNの概要を参照してください。
ODBCINI環境変数
LinuxまたはUNIXホストでは、アプリケーションはodbc.iniファイルを使用してDSNおよびその接続属性の設定を定義できます。デフォルトでは、アプリケーションを実行しているユーザーのホーム・ディレクトリのユーザーodbc.iniファイルが最初に検索されます。実行時にこのファイルの名前および場所を上書きするには、アプリケーションを起動する前にODBCINI環境変数で適切なパスとファイル名を指定する必要があります。
LinuxまたはUNIXホストでユーザーのDSNファイルが見つからない場合は、$TIMESTEN_HOME/conf内のsys.odbc.iniファイルを検索します。
この環境変数は使用しないでください。詳細は、Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイドのユーザーおよびシステムDSNの概要を参照してください。
SYSTTCONNECTINI環境変数
Linux、UNIXまたはmacOSホストでは、クライアント・アプリケーションはsys.ttconnect.iniファイルを使用して論理サーバー名を定義できます。論理サーバー名については、Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイドのTimesTen ClientおよびServerの使用方法を参照してください。
通常はデフォルトの場所$TIMESTEN_HOME/conf/sys.ttconnect.iniで十分です。実行時にこのファイルの名前および場所を上書きするには、TimesTenデーモンを起動する前に、SYSTTCONNECTINI環境変数を適切に設定します。
Windowsホストの場合、論理サーバー名はODBCデータソース・アドミニストレータを使用して構成します。
この環境変数は使用しないでください。