アクティブ・スタンバイ・ペア・レプリケーションを使用したアップグレードの実行
アクティブ・スタンバイ・ペア・レプリケーションにより、アプリケーションへのデータの可用性が向上します。アクティブ・スタンバイ・ペアを使用すると、非同期ライトスルー・キャッシュ・グループも使用する構成で新しいメジャー・リリースへアップグレードする場合を除き、オンライン・アップグレードを実行してアップグレード中にデータの可用性を継続して維持できます。この項では、次の手順について説明します。
ノート:
非同期ライトスルーまたは読取り専用キャッシュ・グループのみがアクティブ・スタンバイ・ペアでサポートされます。
キャッシュ・グループが構成されていないアクティブ・スタンバイ・ペアのオンライン・アップグレード
この項では、アクティブ・スタンバイ・ペアを使用した、キャッシュ・グループのないシナリオにおけるオンライン・アップグレードについて説明します。
概要、制限および要件については、クラシック・レプリケーションを使用したオンライン・アップグレードの実行も参照してください。
スタンバイ・マスターおよびサブスクライバのオンライン・パッチ・アップグレード
スタンバイ・マスター・データベースおよびサブスクライバ・データベースの新しいパッチ・リリースへのオンライン・アップグレードを実行するには、各データベースで次のタスクを実行します。この手順では、キャッシュ・グループはないものとします。
アクティブ・マスターのオンライン・パッチ・アップグレード
アクティブ・マスター・データベースの新しいパッチ・リリースへのオンライン・アップグレードを実行するには、アクティブ・マスター・データベースとスタンバイ・マスター・データベースの役割を逆にしてから、アップグレードを行う必要があります。この手順では、キャッシュ・グループはないものとします。
アクティブ・スタンバイ・ペアのオンライン・メジャー・アップグレード
アクティブ・スタンバイ・ペアからTimesTenの新しいメジャー・リリースへのオンライン・アップグレードを実行するには、各データベースのTCP/IPポートを明示的に指定する必要があります。アクティブ・スタンバイ・ペアのレプリケーション・スキームで各データベースのPORT属性が構成されていない場合は、アップグレードの準備として次のステップを実行する必要があります。この手順では、キャッシュ・グループはないものとします。(読取り専用キャッシュ・グループの場合、キャッシュ・グループを使用したアクティブ・スタンバイ・ペアのオンライン・メジャー・アップグレードのみがサポートされます。)
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ttRepStop組込みプロシージャをコールするか、ttAdminユーティリティを使用して、すべてのデータベースでレプリケーション・エージェントを停止します。たとえば、データベースmaster1のレプリケーション・エージェントを停止するには、次のようにします。ttAdmin -repStop master1
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アクティブ・マスター・データベースで、
ALTER ACTIVE STANDBY PAIR文を使用してアクティブ・スタンバイ・ペアのすべてのデータベースのPORT属性を指定します。たとえば、master1hostホスト上のmaster1データベース、master2hostホスト上のmaster2データベースおよびsubscriber1hostホスト上のsubscriber1データベースのPORT属性を設定するには、次のようにします。ALTER ACTIVE STANDBY PAIR ALTER STORE master1 ON "master1host" SET PORT 30000 ALTER STORE master2 ON "master2host" SET PORT 30001 ALTER STORE subscriber1 ON "subscriber1host" SET PORT 30002;
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ttDestroyユーティリティを使用して、スタンバイ・マスター・データベースおよびすべてのサブスクライバを破棄します。たとえば、データベースsubscriber1を破棄するには、次のようにします。ttDestroy subscriber1
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通常の手順に従ってアクティブ・スタンバイ・ペアを起動し、アクティブ・マスターからスタンバイ・データベースおよびサブスクライバ・データベースを複製します。詳細は、Oracle TimesTen In-Memory Databaseレプリケーション・ガイドのキャッシュ・グループが構成されていないアクティブ・スタンバイ・ペアの設定を参照してください。
アクティブ・スタンバイ・ペアのインスタンスをアップグレードするには、まずスタンバイ・マスターのインスタンスをアップグレードします。このノードのアップグレード中はスタンバイ・マスター・データベースが存在しないため、アクティブ・マスター・データベースでの更新は、サブスクライバ・データベースに直接伝播されます。スタンバイ・ノードのアップグレード後に、アクティブ・ロールとスタンバイ・ロールが切り替えられ、新しいアクティブ・ロールから新しいスタンバイ・ロールが作成されます。最後に、サブスクライバ・ノードがアップグレードされます。
キャッシュ・グループが構成されているアクティブ・スタンバイ・ペアのオンライン・アップグレード
この項では、アクティブ・スタンバイ・ペアおよびキャッシュ・グループを使用したシナリオにおけるオンライン・パッチ・アップグレードについて説明します。
概要、制限および要件については、クラシック・レプリケーションを使用したオンライン・アップグレードの実行も参照してください。
スタンバイ・マスターおよびサブスクライバのオンライン・パッチ・アップグレード(キャッシュ・グループ)
スタンバイ・マスター・データベースおよびサブスクライバ・データベースの新しいパッチ・リリースへのオンライン・アップグレードを実行するには、キャッシュ・グループを使用した構成で、各データベースで次のタスクを実行します(例外については説明を参照)。
ノート:
ステップ2およびステップ4のキャッシュ・エージェントの停止および再起動は、サブスクライバ・データベースには適用できません。
アクティブ・マスターのオンライン・パッチ・アップグレード(キャッシュ・グループ)
アクティブ・マスター・データベースの新しいパッチ・リリースへのオンライン・アップグレードを実行するには、キャッシュ・グループを使用した構成で、各データベースで次のステップを実行します。最初に、アクティブ・マスター・データベースとスタンバイ・マスター・データベースの役割を逆にしてから、アップグレードを行う必要があります。
キャッシュ・グループが構成されているアクティブ・スタンバイ・ペアのオフライン・アップグレード
非同期ライトスルー・キャッシュ・グループのあるアクティブ・スタンバイ・ペアのシナリオでメジャー・アップグレードを実行するには、オフライン・アップグレードが必要です。これについては、後の項で説明します。
アクティブ・スタンバイ・ペアのオンライン・メジャー・アップグレード(キャッシュ・グループ)
キャッシュ・グループを使用したアクティブ・スタンバイ・ペアのシナリオで、次のステップを実行してメジャー・アップグレードを実行します。このアップグレードはオフラインで実行する必要があります。(この例では、リリース18.1からリリース22.1にアップグレードすることを前提としています。
このステップでは、master1がmaster1hostホスト上のアクティブ・マスター・データベースであり、master2がmaster2hostホスト上のスタンバイ・マスター・データベースであることを想定しています。(説明した組込みプロシージャおよびユーティリティの詳細は、Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンスの組込みプロシージャおよびユーティリティを参照してください。)
読取り専用のサブスクライバ・データベースを作成する場合は、各サブスクライバ・ホストで、ttRepAdminユーティリティの-duplicateオプションを使用して、スタンバイ・データベースを複製できます。次の例では、読取り専用のサブスクライバに適切なように、キャッシュ表を標準のTimesTen表に変換するため、前述の手順と同じADMINユーザーおよび-nokeepCGオプションを使用して、subscriber1を作成します。
ttRepAdmin -duplicate -from master2 -host master2host -nokeepCG -uid pat -pwd patpwd subscriber1
関連情報については、Oracle TimesTen In-Memory Databaseレプリケーション・ガイドの障害時リカバリ・サブスクライバのローリング・アウトを参照してください。