Oracle ClusterwareでTimesTenがどのように管理されるかの概要

Oracle Clusterwareを使用して、アクティブ・スタンバイ・ペア・レプリケーション・スキームに関する次の構成のみを管理します。

  • 読取り専用サブスクライバを持つ(または持たない)アクティブ・スタンバイ・ペア

  • AWTキャッシュ・グループおよび読取り専用キャッシュ・グループが構成された(読取り専用サブスクライバを持つ(または持たない))アクティブ・スタンバイ・ペア

図8-1に、同じローカル・ネットワークに1つの読取り専用サブスクライバを持つアクティブ・スタンバイ・ペアを示します。アクティブ・マスター、スタンバイ・マスターおよび読取り専用サブスクライバは異なるノードにあります。TimesTenを実行しているがアクティブ・スタンバイ・ペアの一部ではないノードが2つあります。アクティブ・データベースの更新は、アプリケーションによって行われます。スタンバイおよびサブスクライバからの読取りもアプリケーションによって行われます。すべてのノードは共有記憶域に接続されています。

図8-1 1つのサブスクライバを持つアクティブ・スタンバイ・ペア

図8-1の説明が続きます。
「図8-1 1つのサブスクライバを持つアクティブ・スタンバイ・ペア」の説明

Oracle Clusterwareを使用すると、ノード障害およびその他のイベントに対応して、TimesTenデータベースおよびアプリケーションの起動、監視および自動フェイルオーバーを行うことができます。「クラスタウェア管理」および「障害からのリカバリ」を参照してください。

Oracle Clusterwareは、TimesTenの2つの可用性レベルで実装できます。

  • 基本的な可用性レベルでは、クラスタ内の、アクティブ・スタンバイ・ペアとして構成された2つのマスター・ノードおよび最大127の読取り専用サブスクライバ・ノードが管理されます。アクティブ・スタンバイ・ペアは、ローカル・ホスト名またはIPアドレスを使用して定義されます。両方のマスター・ノードに障害が発生すると、ユーザーが介入してアクティブ・スタンバイ・スキームを新しいホストに移行する必要があります。両方のマスター・ノードに障害が発生すると、Oracle Clusterwareによってユーザーへの通知が行われます。

  • 高度な可用性レベルでは、アクティブ、スタンバイおよび読取り専用サブスクライバ・データベースの仮想IPアドレスが使用されます。初期アクティブ・スタンバイ・ペアの一部ではない追加のノードをクラスタに含めることもできます。障害が発生した場合、仮想IPアドレスを使用することで、追加のノードの1つが、障害の発生したノードの役割を自動的に引き継ぐことができます。

ノート:

アプリケーションがクライアント/サーバー構成のTimesTenに接続している場合、自動クライアント・フェイルオーバーによって、クライアントは障害が発生した後アクティブ・データベースに自動的に再接続できます。『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』アクティブ・スタンバイ・ペアの自動クライアント・フェイルオーバーの使用およびTTC_FailoverPortRangeを参照してください。

ttCWAdminユーティリティを使用して、Oracle Clusterwareで管理されているクラスタ内のTimesTenアクティブ・スタンバイ・ペアを管理します。各アクティブ・スタンバイ・ペアの構成は、cluster.oracle.iniという初期化ファイルに手動で作成されます。このファイルの情報は、Oracle Clusterwareのリソースを作成する場合に使用されます。リソースは、TimesTenデーモン、TimesTenデータベース、TimesTenプロセス、ユーザー・アプリケーションおよび仮想IPアドレスの管理に使用されます。クラスタ内のホストからcluster.oracle.iniファイルへのアクセスおよび読取りが可能な間は、ttCWAdminユーティリティをこのホストから実行できます。ttCWAdminユーティリティの詳細は、Oracle TimesTen In-Memory DatabaseリファレンスttCWAdminを参照してください。cluster.oracle.iniファイルの詳細は、「cluster.oracle.iniファイルによるOracle Clusterware管理の構成」を参照してください。