クラスタの要件、考慮事項およびインストール
クラスタ作成時の要件およびインストール手順を示します。
ハードウェアおよびソフトウェアの要件
TimesTenは、LinuxまたはUNIXプラットフォーム(Linux arm64を除く)でClusterwareをサポートします。
TimesTenは、TimesTenアクティブ・スタンバイ・ペア・レプリケーションを備えたOracle Clusterwareをサポートします。ネットワークと記憶域の要件およびOracle Clusterware構成ファイルの情報は、Oracle DatabaseドキュメントのOracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイドを参照してください。
Oracle ClusterwareおよびTimesTenは、すべてのノードで同じ場所にインストールされている必要があります。TimesTenインスタンス管理者は、同じUNIXまたはLinuxのプライマリ・グループにOracle Clusterwareインストール所有者として属している必要があります。
ノート:
/tmp
ディレクトリには、必須のTimesTen Oracle Clusterwareディレクトリが含まれています。それらの名前には、接頭辞crsTT
が付いています。削除しないでください。
各ホストのクロックの誤差が250ミリ秒以内であるように、すべてのホストがネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)または同様のシステムを使用する必要があります。各ノードのシステム・クロックの同期がとられるように調整する場合は、時間をさかのぼって設定しないでください。
Oracle Clusterwareのインストール
デフォルトでは、Oracle Clusterwareをインストールするときはすべてのホストで同時にインストールが実行されます。ご使用のプラットフォーム用のOracle Clusterwareのインストール・ドキュメントを参照してください。
たとえば、Gridインフラストラクチャ・インストレーション・ガイド for Linuxを参照してください。
インストールが正常に完了すると、Oracle Clusterwareは自動的に起動します。
ノート:
次を実行すると、Oracle Clusterwareがクラスタ内のすべてのホストで実行されているかどうかを確認できます。
crsctl check crs -all
各ホストへのTimesTenのインストール
ttInstanceCreate
コマンドを使用して、追加のホストを含め、クラスタ内の各ホスト上の同じ場所にTimesTenをインストールします。
『Oracle TimesTen In-Memory Databaseインストレーション、移行およびアップグレード・ガイド』の対話形式でのOracle Clusterwareのインスタンスの作成を参照してください。
様々なプロンプトに応答する場合は、次の点に注意してください。
-
インスタンス名は各ホストで同じである必要があります。
-
インスタンス管理者のユーザー名は、すべてのホストで同じである必要があります。
-
TimesTenインスタンス管理者は、同じUNIXまたはLinuxのプライマリ・グループにOracle Clusterwareインストール所有者として属している必要があります。
さらに、次の質問に「yes」と回答すると、
Would you like to use TimesTen Replication with Oracle Clusterware?
ttInstanceCreate
コマンドで、Oracle Clusterwareに使用されている値の入力を求められ、そのそれぞれがttcrsagent.options
ファイルに格納されます。
-
TimesTenクラスタ・エージェント(
ttCRSAgent
)に関連付けられているTCP/IPポート番号。ポート番号は、クラスタ内のすべてのノードで同じである必要があります。ポート番号を指定しない場合、TimesTenはデフォルトのTimesTenデーモンのポート番号に6を加えて、TimesTenクラスタ・エージェントに関連付けられたTCP/IPポート番号にします。したがって、TimesTenクラスタ・エージェントに関連付けられたデフォルトのデーモンのポート番号は、64ビット・システムでは3574になります。 -
Oracle Clusterwareの場所。場所は各ホストで同じである必要があります。
-
スペア・ホストを含むクラスタ内のホスト(ホスト名はカンマで区切ります)。このリストは各ホストで同じである必要があります。
『Oracle TimesTen In-Memory Databaseインストレーション、移行およびアップグレード・ガイド』のTimesTenで使用するためのOracle Clusterwareのインストールおよび対話形式でのOracle Clusterwareのインスタンスの作成を参照してください。
ttCWAdmin –init
コマンドおよびttCWAdmin –shutdown
コマンドでは、TimesTenクラスタを開始および停止するために、ttcrsagent.options
ファイルが使用されます。ttcrsagent.options
ファイルは、TimesTenデーモンのホーム・ディレクトリにあります。
ttcrsagent.options
ファイルを手動で変更しないでください。かわりに、TimesTenクラスタの開始後にttInstanceModify -crs
コマンドを使用して、このファイル内の情報を作成または変更します。また、setup.sh
に-record
オプションおよび-batch
オプションを使用して、追加ホストに同じインストールを実行できます。
ノート:
『Oracle TimesTen In-Memory Databaseインストレーション、移行およびアップグレード・ガイド』のインスタンスのOracle Clusterware構成の変更を参照してください。
Oracle Clusterwareの現在のホーム・ロケーションはCRS_HOME
環境変数に設定されています。また、ttInstanceModify -crs
コマンドは、プロンプトの一部としてOracle Clusterwareホームの現在の場所を示します。
ノート:
ttcrsagent.options
ファイルの詳細は、「TimesTenクラスタ・エージェントの起動」を参照してください。ttInstanceCreate
およびttInstanceModify
の詳細は、Oracle TimesTen In-Memory DatabaseリファレンスのttInstanceCreateおよびttInstanceModifyをそれぞれ参照してください。
次の例は、ttcrsagent.options
ファイルの各項目を変更するときに表示されるttInstanceModify -crs
プロンプトを示しています。
% ttInstanceModify -crs Cannot find instance_info file : /etc/TimesTen/instance_info Would you like to modify the existing TimesTen Replication with Oracle Clusterware configuration? [ no ] yes This TimesTen instance is configured to use an Oracle Clusterware installation located in : /mydir/oracle/crs/app/11.2.0 Would you like to change this value? [ no ] no The TimesTen Clusterware agent is configured to use port 54504 Would you like to change this value? [ no ] no The TimesTen Clusterware agent is currently configured with these nodes : node1 node2 node3 node4 Would you like to change these values? [ no ] Overwrite the existing TimesTen Clusterware options file? [ no ] no