Kspliceクライアントの選択
Ksplice拡張クライアントとKsplice Uptrackクライアントのいずれかを選択できます。
表2-1 各Kspliceクライアントでサポートされている機能
Kspliceクライアント | ユーザー・スペースのサポート | x86_64サポート | Arm (aarch64)のサポート | 既知の脆弱性の検出のサポート | レガシー互換性(買収前の顧客) |
---|---|---|---|---|---|
Ksplice拡張クライアント |
サポート対象 |
サポート対象 |
サポート対象 |
x86_64プラットフォームでのみサポート |
サポート対象外 |
Ksplice Uptrackクライアント |
サポート対象外 |
サポート対象 |
サポート対象 |
サポート対象外 |
サポート対象 |
レガシー互換性のため、オラクル社は買収前の顧客向けに様々なLinuxディストリビューションのカーネルを引き続きサポートします。詳細は、https://ksplice.oracle.com/legacy#supported-kernelsを参照してください。
Ksplice拡張クライアントについて
Ksplice拡張クライアントは、Ksplice Uptrackクライアントよりも多くの機能を備えています。
Uptrackクライアントによって適用されるカーネル更新に加えて、拡張クライアントではユーザー・スペース・プロセス用のKsplice対応glibc
およびopenssl
共有ライブラリのインメモリー・ページにパッチを適用できます。ユーザー・スペースのパッチ適用では、プロセスおよびサービスを再起動せずに、バグ修正をインストールし、セキュリティの脆弱性に対してシステムを保護できます。
拡張クライアントの主な機能は次のとおりです。
- カーネルおよびユーザー・スペースの更新(Uptrackクライアントはカーネル更新のみをサポートします)
- 既知の脆弱性の検出
- オンライン・モードとオフライン・モード
ksplice
コマンドの使用
ノート:
拡張クライアントは、Uptrackクライアントと同じ構成ファイル(/etc/uptrack/uptrack.conf
ファイル)を共有します。このファイルの詳細は、Ksplice Uptrackクライアントの構成を参照してください。
Ksplice Uptrackクライアントについて
Ksplice Uptrackでは、システムを中断したりアプリケーションを再起動することなく、共通脆弱性(CVE)の最新のカーネル・セキュリティ・エラータを適用できます。Ksplice Uptrackは、更新されたパッチをバックグラウンドで適用しますが、その影響は無視できる程度で、数ミリ秒の中断が必要になるのみです。
Uptrackクライアントの主な機能は次のとおりです。
- カーネル更新(ユーザー・スペースの更新も適用するため、かわりにKsplice拡張クライアントを検討してください)
- オンライン・モードとオフライン・モード
uptrack
コマンドの使用
Kspliceオフライン・モードについて
オフライン・モードでは、Ksplice拡張クライアントまたはKsplice Uptrackクライアントのいずれかを使用できます。オフライン・バージョンでは、Oracle UptrackサーバーやULNに直接接続する必要はありません。たとえば、yum
コマンドを使用して、メモリー・スティックから更新パッケージを直接インストールできます。ただし、Ksplice対応ULNチャネルのミラーとして動作するローカルULNミラーを構成する方が一般的な方法です。その後、yum
およびKsplice更新を受信するようにシステムを構成できます。
サポート対象のカーネル・バージョンまたはユーザー・スペース・パッケージごとに使用可能なすべてのKsplice更新が、そのバージョンに固有のRPMにバンドルされています。このパッケージは、カーネルで新しいKspliceパッチが使用可能になるたびに更新されます。最新のKsplice更新パッケージをローカルのULNサーバーに定期的にダウンロードできます。Kspliceサーバーはその後、Oracle Uptrackサーバーに直接アクセスすることなく、ローカル・サーバーに接続して更新を受信できます。
オフライン・モードでは次のものはサポートされません:
- Ksplice Webインタフェース
- Ksplice Uptrack API
重要:
最新の使用可能なカーネルをブートし、そのカーネルのためのKsplice更新が使用できない場合、そのカーネルのオフライン更新RPMがまだ存在しない可能性があります。オフライン更新RPMは、カーネルのリリース直後に使用可能になります。ただし、これらのRPMでは、設定済のローカル・リポジトリとの同期に時間がかかる場合があります。
詳細については、以下を参照: