フレックス・フォームについて
フレックス・フォームは、Oracle Smart View for Officeでの柔軟な行および列の管理を提供するフォーム・タイプです。
データ・ソース・タイプ: Planning、Planning Modules、Financial Consolidation and Close、Tax Reporting
フレックス・フォームには、フレックス・フォームに添付されたビジネス・ルールの実行など、すべての標準フォーム・プロパティおよび機能が保持されています。ただし、フレックス・フォームを使用することで、行と列のメンバーの再配置、行や列のソートまたは移動が可能になります。変更された行または列の順序は、リフレッシュ時および送信中に維持されます。Excelのフィルタ処理機能を使用して、データをフィルタ処理することもできます。フレックス・フォーム内のディメンションおよびメンバーの行のセルおよびすべてのデータ・セルは保護されていません。フレックス・フォームの左上にある空白のセルのみが保護されています。
Webインタフェースでフォームを定義しているときに、管理者は、「レイアウト」タブの「Smart Viewオプション」にある「行のフレックス・フォームの有効化」と「列のフレックス・フォームの有効化」のどちらか(または両方)を選択して、フレックス・フォーム固有の機能を有効にします。
Smart Viewの「シート情報」ダイアログでは、フレックス・フォームの「シート・タイプ」は「フレックス・フォーム」として表示されます。フレックス・フォームは、タスク・リストに含めることが可能で、そのフォームはタスク・リストからフレックス・フォームとして開くことができます。
ノート:
フレックス・フォームは、Smart Viewでのみ使用され、Webインタフェースでは使用されません。
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Planningでフレックス・フォームを有効にして操作する方法について学びます |
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要件
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Oracle Enterprise Performance Management Cloud 20.04以降
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Smart View 11.1.2.5.910以降
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行と列の両方のメンバーを変更する場合:
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EPM Cloud 21.12以降
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Smart View 21.200以降
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一般的なガイドライン
フレックス・フォームを操作するためのガイドラインは、次のとおりです。
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フレックス・フォームでは行と列の両方のメンバーを変更できます。
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フレックス・フォームに対する変更は、セッションをまたいで保持されません。
ユーザーがフレックス・フォームを変更した場合、変更されたグリッド・レイアウトは現行セッションのコンテキストでのみ維持されます。フレックス・フォームを再度開くと、フレックス・フォームのレイアウトは元の状態に戻ります。
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Excelの右クリック・メニューにある「挿入」および「削除」オプションを使用して、フレックス・フォームの行と列を挿入および削除できます。
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新しいディメンション・メンバー(メンバー・オンザフライ)を追加するビジネス・ルールまたはGroovyルールがあるフレックス・フォームがフォームから実行された場合、新しいメンバーはリフレッシュ後にフレックス・フォームに表示されません。フレックス・フォームに新しいメンバーを表示するには、Smart Viewパネルからフレックス・フォームを再起動する必要があります。
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行と列は、[Delete]キーを使用して削除できます。ただし、複数のディメンションが含まれる行または列を削除するときには、[Delete]を押す前に必ず行または列のディメンション・メンバーをすべて選択してください。
次の例では、Accounts、Market、Yearという3つの行ディメンションがフレックス・フォームにあります。
D-Acc US Market FY18
D-Acc US Market FY19
D-Acc US Market FY20
[Delete]キーを使用してFY18の行を削除するには、必ず、[Ctrl]キーまたは[Shift]キーを使用して3つすべてのディメンション・メンバー(D-Acc、US MarketおよびFY18)を選択した後、[Delete]を押します。
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コピーと貼付けは、フォーム定義のスコープに制限されます。フレックス・フォームは、フォームで定義されているとおりに階層に従う必要があります。そのため、フォームに定義されている行または列のメンバーに含まれていないフレックス・フォーム・メンバーは利用できません。
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小計計算スクリプトおよび通貨換算計算スクリプトは、元のフォーム定義に基づいて生成され実行されます。
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フォーム定義で、「行のフレックス・フォームの有効化」と「列のフレックス・フォームの有効化」のどちらか(または両方)を選択すると、単一フォームとして開いたフレックス・フォームは、リフレッシュ後に、フォームの外側のセルでコメントを保持できます。
ただし、フレックス・フォームとして開いたときの設定によって次のようになります。
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「行のフレックス・フォームの有効化」と「列のフレックス・フォームの有効化」の両方のオプションが選択されている場合、コメントは保持されません。
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「行のフレックス・フォームの有効化」オプションのみが選択されている場合、フォームの右側に入力されたコメントは、リフレッシュ後に保持されます。コメントは、フォームの下に直接入力した場合は保持されません。
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「列のフレックス・フォームの有効化」オプションのみが選択されている場合、フォームの下側に入力されたコメントは、リフレッシュ後に保持されます。フォームの右側に入力した場合、コメントは保持されません。
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行または列に複数のディメンションがあるフレックス・フォームを操作する場合(複数のメンバーを含む複数のディメンションが行または列に配置される場合)は、次の事項が当てはまります。
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仕様により、展開/縮小の+および-はフレックス・フォームではサポートされません。かわりに、右クリックのSmart Viewコンテキスト・メニューの「展開/縮小」コマンドを使用します。
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フォームの定義時に、個別の行または列にディメンション・メンバーを配置するには、フレックス・フォームの「メンバー選択」で、「選択内容を別々の行に配置」または「選択内容を別々の列に配置」を選択します。Planningの管理のフォームのメンバーの選択を参照してください。
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ユーザーは、「メンバー選択」ダイアログ・ボックスを使用して、フレックス・フォームに追加する行または列のメンバーを選択できます。このダイアログ・ボックスは、ブロバイダのリボン(たとえば、「Planning」リボン)から使用できます。「メンバー選択」オプションは、フレックス・フォームでのみ使用でき、単一フォームでは使用できません。
ノート:
「メンバー選択」オプションは、Smart View 21.100以降で使用できます。「メンバー選択」ダイアログを使用して、アド・ホック・グリッドにメンバーを追加するように、行または列のメンバーをフレックス・フォームに追加します。追加できるメンバーは、行または列のディメンションの基礎となるフォーム定義によって決まります。
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「ディメンション・プロパティ」設定で、フォーム定義を超えるフレックスが選択されている場合、ユーザーはフォーム定義で指定されたメンバー以外のメンバーを選択できます。たとえば、フォームにProductディメンションのComputer Accessoriesメンバーのみが含まれているとします。Productディメンションにフォーム定義を超えるフレックスが選択されている場合、ユーザーはProductから別のメンバー(NotebooksやTabletsなど)をフレックス・フォームに追加できます。このようなメンバーは、リフレッシュ時に維持されます。詳細は、この後で説明するフォーム定義を超えるフレックス・プロパティを参照してください。
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フレックス・フォームのフォーム定義で、特定のメンバーがディメンションに含まれていない場合、「メンバー選択」ダイアログでは、そうしたメンバーの選択および追加が可能ですが、リフレッシュ時に削除されません。
ノート:
フォーム定義の外部のメンバーを追加するには、該当するディメンションのフォーム定義を超えるフレックスを有効にします。
「メンバー選択」では、アプリケーション・レベルに定義されたデフォルトの別名表が使用されます。メンバーがグリッドに挿入されると、そのメンバーはリフレッシュが実行されるまでメンバー名で表示され、その後、アプリケーション設定に対応する別名が表示されます。
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フォーム定義を超えるフレックス・プロパティ
フォームの定義時に、フレックス・フォームの行または列のディメンションにフォーム定義を超えるフレックスプロパティを適用すると、Smart Viewのユーザーはフォームの行軸内または列軸内のディメンションについてフォーム定義にないメンバーを入力できます。これにより、フレックス・フォームのユーザーはフレックス・フォームに表示されないメンバーのデータを入力できます。ユーザーは、入力する有効なメンバーに対するアクセス権を持っている必要があります。
たとえば、Visionアプリケーションを使用する場合に、フレックス・フォームの行ディメンションとして製品ディメンションが配置されているとします。フォーム定義時に、製品ディメンションのSentinal Standard NotebookメンバーとSentinal Custom Notebookメンバーのみがフォームに表示する対象に選択されました。Productディメンションのフォーム定義を超えるフレックスオプションを有効にすることで、Smart Viewユーザーはフレックス・フォームの行にProductディメンションの別の製品(MouseやKeyboardなど)を入力できるようになります。これらのメンバーへのアクセス権があれば、ユーザーは既存のフレックス・フォームに追加メンバーの行を追加することも、必要とする製品メンバーで既存の製品メンバーを置き換えることもできます。説明のために、次の階層に注目してください。
Product Notebooks <<this hierarchy is displayed in flex form) Sentinal Standard Notebook Sentinal Custom Notebook Computer Accessories <<this hierarchy is not displayed in flex form) Keyboard Mouse
フォーム定義を超えるフレックスが無効な(選択されていない)フレックス・フォームでは、ユーザーはComputer Accessoriesやその子孫を追加できません。ユーザーは、Notebooksとその子孫を追加できます。
フォーム定義を超えるフレックスが有効な(選択されている)フレックス・フォームでは、ユーザーはComputer Accessoriesとその子孫とともに、Notebooksとその子孫を追加できます。
フォームの定義時に、フォーム定義を超えるフレックスプロパティを有効にする場合は、次の点に注意してください。
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「ディメンション・プロパティ」のフォーム定義を超えるフレックス・オプションは、「Smart Viewのオプション」で「行のフレックス・フォームの有効化」と「列のフレックス・フォームの有効化」のどちらか(または両方)のオプションが選択されている場合にのみ表示されます。
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フォームの行に複数のディメンションがある場合は、適用可能な行または列のディメンションごとに個別にフォーム定義を超えるフレックス・プロパティを選択するようにお薦めします。「ディメンション・プロパティ」のオプションのすべての行(または列、ページ)ディメンションに適用を使用すると、すべてのディメンションにフオーム定義を超えるフレックス・プロパティを適用できますが、その他のすべてのディメンション・プロパティの選択内容が、その他すべてのディメンションに適用されるため慎重に使用してください。
Planningの管理のフレックス・フォームの設計に関する項を参照してください。
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ユーザーが、フレックス・フォームにすでに存在するメンバーの親または子であるメンバーを追加してリフレッシュすると、フォーム設計時にディメンション・プロパティ 「展開開始」を選択した場合でも、子メンバーは縮小されます。ユーザーには、子メンバーが削除されたように見える可能性がありますが、Smart Viewのコンテキスト・メニューで「展開/縮小」コマンドを使用して親を展開することによって、子メンバーを表示できます。
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フレックス・フォームで数値のメンバー名または共有メンバーを入力する場合は、メンバー名の前に一重引用符( ' )を入力します。
たとえば、4077などの数値のメンバー名の場合は、次のように入力します。
'4077
共有メンバーの場合は、メンバー名を次のフォーマットで入力します。
'[親].[共有メンバー]
たとえば次のようになります:
'[Sales Director 2].[410]
'[Default_Sales Director 2].[Default_International Sales]
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フレックス対応のフォームをアド・ホック・モードで開くと、行ディメンションのインデントはデータの送信時に失われます。データをリフレッシュすると、インデントは通常に戻ります。
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フレックス・フォームの行と列では、ユーザー変数、動的ユーザー変数または代替変数がサポートされます。ユーザーは、POVで変数を変更し、行と列のリフレッシュを実行して、行と列を新しいメンバーに更新する必要があります。
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フレックス・フォームの行または列に、除外メンバーを入力できます。フォーム定義で除外されているメンバーをフレックス・フォームの行に入力でき、ユーザーは値を入力して送信できます。
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フォーム定義で、「行のフレックス・フォームの有効化」と「列のフレックス・フォームの有効化」のどちらか(または両方)を有効にすると、「セグメント」のプロパティ「非表示」と「読取り専用」は、行または列のどちらでもサポートされなくなります。「非表示」と「読取り専用」は、単一フォームでのみサポートされます。
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フレックス・フォームのためにWebで定義したオプションの「欠落ブロックの抑制」、「欠落した行の抑制」および「欠落した列の抑制」は、Smart Viewで最初にフレック・フォームを開いたときにのみ適用されます。フォーム定義によっては、抑制オプションがWebフォームで有効化されていても、フレックス・フォームのユーザーは列または行のメンバーを入力できます。ユーザーは、抑制されたメンバーのデータを入力することも、そのデータを送信することもできます。
Smart ViewのOptionsダイアログにあるData Optionsタブの抑制オプション「欠落ブロックの抑制」、「欠落した行の抑制」および「欠落した列の抑制」を選択すると、それらのオプションがフレックス・フォームに適用されます。ユーザーは、これらのSmart Viewのオプションの選択を解除してから、メンバーを追加して(メンバーを手動入力するか、「メンバー選択」を使用する)、データを入力し、データを送信し、フレックス・フォームを更新できます。
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管理者はアクション・メニューを構成して、ビジネス・ルールを実行するか、フレックス・フォームからフレックス・フォームを開きます。アクション・メニュー・アイテムには、右クリックのSmart Viewコンテキスト・メニューからアクセスします。アクション・メニュー・アイテムは、フレックス・フォームの任意の場所の右クリック・メニューに、または、特定のディメンション、メンバー、行、列またはセルなどで右クリックしたときに表示されるように定義できます。
WebアプリケーションでPOVディメンションおよびページ・ディメンションに使用できる右クリック・メニューは、Smart Viewのフレックス・フォームでは使用できません。
フレックス・フォームのアクション・メニュー・アイテムの設定の詳細は、Planningの管理のアクション・メニューの管理を、フレックス・フォームの詳細は、フレックス・フォームの設計を参照してください。
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POVまたはユーザー変数の変更後にフレックス・フォームで変更されたメンバーを維持するには、「フレックス・フォーム: POVおよびユーザー変数の変更時にグリッドを保持」オプションを有効にする必要があります。 「Smart View」リボンの「オプション」をクリックして、「メンバー・オプション」タブを選択し、「フレックス・フォーム: POVおよびユーザー変数の変更時にグリッドを保持」オプションを選択します。このオプションが選択されていないと、フレックス・フォームに追加した行または列は、POVまたはユーザー変数の変更時に削除されます。
「フレックス・フォーム: POVおよびユーザー変数の変更時にグリッドを保持」オプションを選択したら、フレックス・フォーム・グリッドでメンバーを追加または削除し、「リフレッシュ」をクリックします。次に、POVメンバーを変更して「リフレッシュ」をクリックします。あるいは、ユーザー変数を変更すると、フレックス・フォームが自動的にリフレッシュされます。変更されたメンバーは維持されます。これで、新しく追加されたメンバーを含め、フレックス・フォームの任意のメンバーで、変更されたPOVおよびユーザー変数に対してデータを入力して送信できます。必要に応じて、POVまたはユーザー変数を再度変更してリフレッシュした後、更新されたPOVおよびユーザー変数に対してデータの入力を続けます。
フィルタ処理およびソート
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フィルタ処理では、特定の行が非表示になるのみであるため、「データの送信」は無効になりません。ソートでは、列内のメンバー順序が変わるため、「データの送信」は無効になります。ソート後にデータを送信するには、リフレッシュする必要があります。
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望ましくないソート結果を避けるために、列全体にソートを適用しないでください。かわりに、ソートするグリッド・メンバーを選択し、Excelの「並べ替え」コマンド(「昇順」または「降順」)を使用するか、カスタム・ソートを実行します。
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行または列のディメンションにフィルタを適用し、フィルタのドロップダウン・ダイアログ内でソートを適用すると、グリッド内のフィルタ・ボタン上にソート・インジケータの矢印が表示されます。ただし、リフレッシュすると、フィルタ・ボタン上のソート・インジケータの矢印は表示されなくなります。
スマート・プッシュ
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スマート・プッシュは、フレックス・フォームでサポートされます。
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フィルタ処理されたフレックス・フォームでは、選択したフォームのコンテキストはスマート・プッシュに反映されません。
サポートされていない機能
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次のフォーム機能は、フレックス・フォームではサポートされていません。
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セグメント・プロパティ:
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非表示
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読取り専用
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ディメンションのドロップダウンの有効化(行ディメンション・ドロップダウン・メンバー・セレクタ)
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階層の抑制
ノート:
行が再配置された後やソートされた後には、セグメント・プロパティが保持されません。
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分散
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検証ルール
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行または列の式
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複合フォーム内でのフレックス・フォームの使用
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エンティティ・ディメンションの「通貨の表示」の有効化。
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フォーム内のデータ検証ルールは、フレックス・フォームの使用時にはサポートされません。かわりに、データ検証ルールをGroovyルールに変換します。
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フレックス・フォームは、スマート・フォームではサポートされません。