11 分散型のOracle Tuxedo ATMIアプリケーション用の構成ファイルの作成
この項では、次のトピックを取り上げます:
ノート:
分散型のOracle Tuxedo CORBAアプリケーション用の構成ファイルを作成する方法の詳細は、『CORBAアプリケーションのスケーリング、配布およびチューニング』を参照してください。11.1 分散型のOracle Tuxedo ATMIアプリケーション用の構成ファイルの要件
分散型のOracle Tuxedo ATMIアプリケーションは、1つ以上のローカル・クライアントまたはリモート・クライアントで構成され、ネットワーク接続された複数のマシン上にある1つ以上のサーバーと通信します。すべての構成要素は、Oracle Tuxedo構成ファイルで1つのエンティティとして管理されます。分散型の構成を設定するには、構成ファイルを作成し、次のセクションを設定する必要があります。
- RESOURCESセクション
- MACHINESセクション
- GROUPSセクション
- NETGROUPSセクション(オプション)
- NETWORKセクション
- SERVICESセクション
- ROUTINGセクション(データ依存型ルーティングを使用する場合)
構成に複数のドメインが含まれており、データ依存型ルーティングを使用する場合は、ルーティング機能をサポートするためのドメイン・ゲートウェイ構成ファイル(DMCONFIG
)を変更する必要もあります。
11.2 RESOURCESセクションの作成
RESOURCES
セクションでは、アプリケーションの最大サーバー数など、システム全体に関するリソースの制御パラメータを定義します。このセクションのパラメータ設定は、すべて、アプリケーション全体に適用されます。
ノート:
このトピックの表で説明するパラメータは、分散アプリケーション用です。どのOracleTuxedoアプリケーションにも適用できる基本的なパラメータの説明については、『ファイル形式、データ記述、MIBおよびシステム・プロセス・リファレンス』のUBBCONFIG(5)に関する項を参照してください。次の表に、RESOURCESセクションのパラメータを示します。
表11-1 RESOURCESセクションのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
BBLQUERY (オプション)
|
BBLQUERY では、DBBLがすべてのBBLのステータスをチェックする間隔を、基本のSCANUNIT に対する乗数として指定します。DBBLは、すべてのBBLのステータスがBBLQUERY で指定した期間内に報告されるようにします。BBLからの報告がない場合、DBBLはそのBBLにメッセージを送信し、状態を照会します。応答がない場合、BBLはパーティション化されます。
|
BLOCKTIME (オプション)
|
BLOCKTIME では、ブロッキング呼出し(たとえば応答の受信)の後でタイムアウトするまでの時間を、基本のSCANUNIT に対する乗数として指定します。
|
DBBLWAIT (オプション)
|
DBBLWAIT は、DBBLがすべてのBBLからの応答を待機する期間を、基本のSCANUNIT に対する乗数として指定します。この期間を経過すると、タイムアウトします。DBBLは、BBLにリクエストを転送した後、すべてのBBLから肯定応答を受信した後でリクエスタに応答を返します。このパラメータを使用して、動作不能なBBLまたは異常なBBLを検出することもできます。
|
IPCKEY (必須)
|
IPCKEY は、掲示板の数値キーを指定します。単一プロセッサ環境では、このキーにより掲示板の名前が指定されます。マルチプロセッサ環境では、このキーによりDBBLのメッセージ・キューが指定されます。また、このキーは、既知のアドレスのほか、マルチプロセッサ全体の掲示板などのリソース名の基準としても使用されます。
|
MASTER (必須)
|
MASTER (string_value1[,string_value2])は、TUXCONFIGのマスター・コピーが置かれているマシンのLMIDを指定します。また、アプリケーションがMPモードで実行されている場合、MASTER はDBBLが実行されるマシンを指定します。string_value2は、プロセスの再配置および起動時に、使用されるLMIDの代替位置を指定します。本来の位置が使用できない場合、DBBLはこの代替位置で起動し、代替のTUXCONFIGファイルが使用されます。
string_value1およびstring_value2の値は、どちらも |
MAXGROUPS (オプション)
|
MAXGROUPS は、掲示板のグループ表に対応した、構成済のサーバー・グループの最大数を指定します。
|
MAXSERVERS (オプション)
|
MAXSERVERS は、掲示板のサーバー表に対応するサーバーの最大数を指定します。
|
MAXSERVICES (オプション)
|
MAXSERVICES は、掲示板のサービス表に対応するサービスの最大数を指定します。
|
SANITYSCAN (オプション)
|
SANITYSCAN は、システムの正常性チェックの間隔を、基本のSCANUNIT に対する乗数として指定します。
正常性チェックは、掲示板のデータ構造体のほか、サーバーに対しても実行されます。 |
SCANUNIT (オプション)
|
SCANUNIT は、掲示板連絡(BBL)が、サービス・リクエスト内でタイムアウトされたトランザクションやブロッキング呼出しをスキャンする間隔(秒単位)を指定します。この値はBBLによるスキャン処理の基本単位として使用されます。この値は、tpbegin(3c)で指定できるトランザクション・タイムアウト値と、BLOCKTIME パラメータで指定されるブロッキング・タイムアウト値の粒度に影響します。SANITYSCAN 、BBLQUERY 、DBBLWAIT およびBLOCKTIME パラメータは、この単位の倍数であり、システム内のその他の時間制限の操作に使用されます。
|
11.3 MACHINESセクションの作成
MACHINES
セクションでは、構成内のすべての物理マシン(マルチプロセッサ・マシンのすべての処理要素も含む)に論理名を割り当て、各マシンに対してその他のパラメータを個別に定義します。次の表では、分散アプリケーションに参加する各マシンに対し、マシン名やその他のマシン固有の情報を定義するためのパラメータを説明します。
表11-2 MACHINESセクションのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
ENVFILE (オプション)
|
ENVFILE は、マシン上のすべてのクライアントとサーバーの実行環境を定義するファイルを指定します。
各行は、ident=valueの形式で指定します。identにはアンダースコアか英数字、またはその両方を指定し、先頭にはアンダースコアまたは英文字を指定します。
|
MAXACCESSERS (オプション)
|
MAXACCESSERS は、このプロセッサの掲示板に同時にアクセスできるプロセスの最大数を指定します。適切な値を計算する場合、BBLやtmadmin などのシステム管理プロセスをカウントする必要はありませんが、アプリケーションのサーバーとクライアント、およびTMSサーバーはすべてカウントする必要があります。
|
MAXCONV (オプション)
|
MAXCONV は、特定のマシン上のプロセスで同時に実行できる会話の最大数を指定します。
|
MAXWSCLIENTS (オプション)
|
MAXWSCLIENTS は、ワークステーション・クライアント専用に予約されている、このプロセッサのアクセサのエントリ数を指定します。このパラメータは、Oracle TuxedoシステムのWorkstationコンポーネントが使用される場合にのみ指定されます。このパラメータで指定された数は、MAXACCESSERS で指定したアクセサ・スロットの総数に含まれます。ワークステーション・クライアントからシステムへのアクセスは、Oracle Tuxedoシステムに組み込まれている代理プロセス、つまりワークステーション・ハンドラによって多重化されます。そのため、このパラメータを適切に設定すると、IPCリソースを節約できます。
|
11.4 GROUPSセクションの作成
GROUPS
セクションでは、アプリケーション内の各サーバー・グループを識別し、特定のサーバー・グループ内のサーバーにリクエストがルーティングされるようにします。
GROUPS
セクションでは、アプリケーションに必要なサーバー・グループの数を設定します。サーバー・グループは、すべて同じサイトに設定することも(SHM
モード)、分散アプリケーションで複数のサイトに分散することも(MP
モード)できます。
GROUPS
セクションのパラメータは、分散トランザクション処理に関する次の2つの側面を実現します。
- パラメータにより、サーバー・グループが特定の
LMID
およびリソース・マネージャの特定のインスタンスに関連付けられます。 - サーバー・グループに対して、代替マシンを示す別の
LMID
を関連付けることにより、サーバー・グループを代替マシンに移行できます(ただし、MIGRATE
オプションが指定されている場合)。
次の表では、GROUPS
セクションのパラメータを説明します。
表11-3 GROUPSセクションのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
ENVFILE
|
ENVFILE は、グループ内のすべてのサーバーの実行環境を定義するファイルを指定します。
各行は、ident=valueの形式で指定します。identにはアンダースコアか英数字、またはその両方を指定します。
|
GRPNO (必須)
|
GRPNO は、特定のサーバー・グループに対して番号を関連付けます。
この数には、0より大きく30,000より小さい値を指定する必要があります。 |
LMID (必須)
|
LMID は、定義されたサーバー・グループが実行されるマシンを識別します。値の後に、カンマで区切って別のLMID を指定し、代替マシンを設定することもできます。MIGRATE オプションが指定されている場合は、サーバー・グループをこの代替マシンに移行できます。GROUPS セクションでRESTART=Y が指定されているサーバーは移行できます。
|
11.5 SERVICESセクションの作成
SERVICES
セクションのパラメータは、アプリケーション・サービスの処理方法を決定します。このセクションのエントリの各行は、識別子名によってサービスと関連付けられます。
SERVICES
セクションでは、各サーバー・グループで提供されるサービスを識別する必要があります。SRVGRP
パラメータは、1つのサービスを複数のサーバーにリンクするために用意されています。このパラメータは、サービスのインスタンスを示すパラメータを特定のサーバー・グループに関連付けます。
次の表では、分散アプリケーションの定義に使用できるSERVICES
セクションのパラメータを説明します。
表11-4 SERVICESセクションのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
LOAD (オプション)
|
LOAD は、SVCNM によってシステムに与える負荷のサイズを指定します。
|
PRIO (オプション)
|
PRIO は、SVCNM をキューから取り出すときの優先度を指定します。
|
ROUTING (オプション)
|
ROUTING は、データ依存型ルーティングを行うときに、このサービスに使用されるルーティング基準名を指定します。このパラメータを指定しないと、このサービスに対してデータ依存型ルーティングは実行されません。
|
SRVGRP (オプション)
|
SRVGRP は、SVCNM で指定され、このセクションで設定されたパラメータによって制御されるサービスのホスト・サーバー・グループを指定します。
SRVGRPを設定すると、異なるサーバー・グループによって同じサービスが提供されるときに、そのサービスに異なるパラメータ設定を割り当てることができます。たとえば、アプリケーションが2つのサーバー・グループ SRVGRP の値には、30文字以内の文字を使用できます。
|
SVCTIMEOUT (オプション)
|
SVCTIMEOUT は、特定のサービスの処理に与える時間を秒単位で指定します。サービスがタイムアウトになると、サービス・リクエストを処理しているサーバーがSIGKILL シグナルで終了します。
|
アプリケーションにトランザクション処理が含まれる場合は、SERVICES
セクションでさらに3つのパラメータ(AUTOTRAN
、ROUTING
およびTRANTIME
)を設定します。これらのパラメータについては、「トランザクション対応のATMIアプリケーションの構成」で説明します。
次のリストに、SERVICES
セクションの例を示します。
*SERVICES
WITHDRAW ROUTING=ACCOUNT_ID
DEPOSIT ROUTING=ACCOUNT_ID
OPEN_ACCT ROUTING=BRANCH_ID
11.6 ROUTINGセクションの作成
ROUTING
セクションでは、データ依存型ルーティングの実行時に使用される基準を指定します。サービスが複数のエントリに属しており、それぞれに対して異なるSRVGRP
パラメータの値が設定されている場合、各エントリのROUTING
パラメータには同じ値を指定する必要があります。ROUTINGパラメータに同じ値が指定されないと、サービスに対して一貫したルーティングが行われません。サービスがルーティングされるのは、1つのフィールド上でのみです。したがって、そのフィールドのサービスに対する値は、すべてのエントリで同じでなければなりません。
構成ファイルにROUTING
セクションを追加し、データ範囲とグループのマッピングを示すことができます。このセクションの情報により、システムは指定されたグループ内のサーバーにリクエストを送ることができます。ROUTING
セクションの各項目には、SERVICES
セクションで使用される識別子が含まれています。
ROUTING
セクションの行の形式は次のとおりです。
CRITERION_NAME required_parameters
CRITERION_NAME
は、データ依存型ルーティングのSERVICES
セクションで指定したルーティング・エントリ名です。CRITERION_NAME
の値は、15文字以内の文字列でなければなりません。
次の表では、ROUTING
セクションのパラメータを説明します。
表11-5 ROUTINGセクションのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
RANGES
|
ルーティング・フィールドの範囲および関連するサーバー・グループを指定します。 |
FIELD
|
ルーティング・フィールドの名前を指定します。値は、FML バッファ、XML の要素または要素の属性、FML フィールド表で指定されたVIEWフィールド名(FLDTBLDIR およびFIELDTBLS 環境変数を使用)、FML のVIEW表(VIEWDIR およびVIEWFILES 環境変数を使用)のいずれかになります。この情報は、メッセージの送信時に、データ依存型ルーティングに関連するフィールド値を取得するために使用されます。
|
BUFTYPE
|
このルーティング・エントリで有効なデータ・バッファのタイプとサブタイプのリスト。
このパラメータには、最大256文字を指定できます。タイプとサブタイプの組合せは最大32あります。 |
関連項目:
- 複数のマシンで構成(分散)するアプリケーション用の構成ファイル
- 『ファイル形式、データ記述、MIBおよびシステム・プロセス・リファレンス』のUBBCONFIG(5)に関する項
- 『CORBAアプリケーションのスケーリング、分散およびチューニング』
11.7 分散アプリケーション用の構成ファイルの例
以下は、データ依存型ルーティングを使用するOracle TuxedoアプリケーションのUBBCONFIG
サンプル・ファイルからの抜粋です。GROUPS
、SERVICES
、ROUTING
の3つのセクションを示しています。
*GROUPS
BANKB1 GRPNO=1
BANKB2 GRPNO=2
BANKB3 GRPNO=3
#
*SERVICES
WITHDRAW ROUTING=BY_ACCOUNT_ID
DEPOSIT ROUTING=BY_ACCOUNT_ID
INQUIRY ROUTING=BY_ACCOUNT_ID
OPEN_ACCT ROUTING=BY_BRANCH_ID
CLOSE_ACCT ROUTING=BY_BRANCH_ID
#
*ROUTING
BY_ACCOUNT_ID FIELD=ACCOUNT_ID BUFTYPE=”FML”
RANGES=”MIN - 9999:*,
10000-49999:BANKB1,
50000-79999:BANKB2,
80000-109999:BANKB3,
*:*”
BY_BRANCH_ID FIELD=BRANCH_ID BUFTYPE=”FML”
RANGES=”MIN - 0:*,
1-4:BANKB1,
5-7:BANKB2,
8-10:BANKB3,
*:*”
11.8 ルーティングをサポートするためのドメイン・ゲートウェイ構成ファイルの変更
ドメイン・ゲートウェイ構成に関するすべての情報は、バイナリ形式のBDMCONFIG
ファイルに格納されています。このファイルは、まずDMCONFIG
というテキスト形式の構成ファイルを作成し、次にバイナリ形式のBDMCONFIG
にコンパイルして作成します。コンパイル済のBDMCONFIG
ファイルは、実行中のシステムでdmadmin(1)
コマンドを使用して更新できます。Oracle Tuxedoのマニュアルでは、これらの構成ファイルをDMCONFIG
およびBDMCONFIG
と呼んでいますが、任意の名前を付けることもできます。
Domains機能を追加する各Oracle Tuxedoアプリケーションには、BDMCONFIG
ファイルを1つ作成する必要があります。BDMCONFIG
ファイルへのアクセスは、Domains管理サーバーであるDMADM(5)
から行います。ゲートウェイ・グループが起動されると、ゲートウェイ管理サーバーであるGWADM(5)
は、そのグループに必要な構成のコピーをDMADM
サーバーにリクエストします。また、GWADM
サーバーと
サーバーは、構成における実行時の変更が、対応するドメイン・ゲートウェイ・グループに反映されるようにします。
DMADM
11.8.1 DMCONFIGのROUTINGセクションのパラメータ
DM_ROUTING
セクションでは、型付きバッファであるFML
、XML
、VIEW
、X_C_TYPE
、およびX_COMMON
を使用したサービス・リクエストのデータ依存型ルーティングに関する情報を提供します。DM_ROUTING
セクション内にある各行の形式は次のとおりです。
CRITERION_NAME required_parameters
CRITERION_NAME
は、SERVICES
セクションで指定されたルーティング・エントリの名前です。CRITERION_NAME
の値は、15文字以内の文字列でなければなりません。
次の表は、DM_ROUTING
セクションのパラメータの説明です。
パラメータ | 説明 |
---|---|
FIELD (オプション)
|
ルーティング・フィールドの名前を指定します。値は、FML バッファ、XML の要素または要素の属性、FML フィールド表で指定されたVIEWフィールド名(FLDTBLDIR およびFIELDTBLS 環境変数を使用)、FML のVIEW表(VIEWDIR およびVIEWFILES 環境変数を使用)のいずれかになります。この情報は、メッセージの送信時に、データ依存型ルーティングに関連するフィールド値を取得するために使用されます。
|
RANGES (オプション)
|
ルーティング・フィールドの範囲と関連付けられたリモート・ドメイン名(RACCESSPOINT )を指定します。RANGES には、二重引用符で囲まれた文字列を指定します。文字列は、range/RACCESSPOINT のペアをカンマで区切って順番に並べます。
lower には、upper 以下の値を設定します。文字列値に一重引用符を埋め込むには、一重引用符の前にバックスラッシュを2つ挿入します。たとえば、「O'Brien」は「O\\'Brien」になります。
関連する FIELD のデータ型の最大値を示すには、MAX を使用します。文字列とcarrayの最大値には、8進数値の255文字の無限文字列を指定します。文字フィールドの最大値には、単一の8進数値の255文字を指定します。数値の場合は、数値としてフィールドに格納できる最大値です。したがって、MIN - -5 は-5 以下のすべての数値を指し、6 - MAX は6 以上のすべての数値を指すことになります。
範囲内のメタ文字"*" (ワイルドカード)は、すでにエントリに指定した他の範囲ではカバーされていないすべての値を示します。各エントリでは1つのワイルドカードによる範囲指定だけが可能です。*は最後に指定します。続けて範囲を指定すると無視されます。 |
BUFTYPE (オプション)
|
BUFTYPE は、このルーティング・エントリを適用できるデータ・バッファのタイプとサブタイプのリストを示します。有効なタイプは、FML 、VIEW 、X_C_TYPE 、およびX_COMMON です。タイプFMLにはサブタイプは指定できず、他のタイプにはサブタイプが必須です(* は使用できません)。タイプとサブタイプのペアのうち、重複するものは同じルーティング基準名として指定できません。タイプとサブタイプのペアが一意の場合、複数のルーティング・エントリは同じ基準名を持つことができます。
単一ルーティング・エントリに複数のバッファ・タイプが指定されている場合は、各バッファ・タイプのルーティング・フィールドのデータ型は同じである必要があります。フィールド値が設定されていないか( |
11.8.1.1 ルーティング・フィールドの説明
ルーティング・フィールドの値には、FML
またはVIEW
でサポートされているデータ型を使用できます。数値の範囲または文字列の範囲も使用できます。文字列、CARRAY、および文字フィールド型の文字列の範囲値には、以下の規則が適用されます。
- 一重引用符で囲み、先頭に正の符号や負の符号を付けることはできません。
- short型またはlong型の整数値は数字の文字列であり、必要に応じて先頭に正符号または負符号を付けることができます。
- 浮動小数点数は、Cコンパイラまたは
atof()
で受け付けられる形式で指定します。つまり、正符号または負符号、数字の文字列(必要に応じて小数点を追加)、e
またはE
(オプション)、符号またはスペース(オプション)、整数という形式で指定します。 - フィールド値が範囲と一致するときに、関連する
RACCESSPOINT
値には、リクエストがルーティングされるリモート・ドメインを指定します。RACCESSPOINT
値に*
を指定すると、ゲートウェイ・グループが認識する任意のリモート・ドメインにリクエストが送信されることを示します。range/RACCESSPOINT
のペアでは、rangeとRACCESSPOINT
はコロン(:)で区切られます。
親トピック: DMCONFIGのROUTINGセクションのパラメータ
11.8.1.2 ルーティングを使用した5サイトのドメイン構成の例
以下は、2つのドメインが5サイトに分散されているアプリケーションの構成ファイルの例です。5つのサイトは、Central Bank Officeと4つの支店を示します。4つの支店のうち、3つはOracle Tuxedoドメインに属しています。残りの支店は、別のTPドメインに属し、そのドメインとの通信にはOSI-TPが使用されています。
次のリストに、Central Bankから見たOracle Tuxedoシステムのドメイン・ゲートウェイ構成ファイルを示します。DM_TDOMAIN
セクションは、b01
をミラーリングしたゲートウェイを示しています。
5サイト用のドメイン構成ファイルのリスト
# TUXEDO DOMAIN CONFIGURATION FILE FOR THE CENTRAL BANK
#
#
*DM_LOCAL
# local_domain_name Gateway_Group_name domain_type domain_ID log_device
# [audit log] [blocktime]
# [log name] [log offset] [log size]
# [maxaccesspoint] [maxraptran] [maxtran]
# [maxdatalen] [security]
# [tuxconfig] [tuxoffset]
#
#
DEFAULT: SECURITY = NONE
c01 GWGRP = bankg1
TYPE = TDOMAIN
ACCESSPOINTID = "BA.CENTRAL01"
DMTLOGDEV = "/usr/apps/bank/DMTLOG"
DMTLOGNAME = "DMTLG_C01"
c02 GWGRP = bankg2
TYPE = OSITP
ACCESSPOINTID = "BA.CENTRAL01"
DMTLOGDEV = "/usr/apps/bank/DMTLOG"
DMTLOGNAME = "DMTLG_C02"
NWDEVICE = "OSITP"
URCH = "ABCD"
#
*DM_REMOTE
#remote_domain_name domain_type domain_ID
#
b01 TYPE = TDOMAIN
ACCESSPOINTID = "BA.BANK01"
b02 TYPE = TDOMAIN
ACCESSPOINTID = "BA.BANK02"
b03 TYPE = TDOMAIN
ACCESSPOINTID = "BA.BANK03"
b04 TYPE = OSITP
ACCESSPOINTID = "BA.BANK04"
URCH = "ABCD"
#
*DM_TDOMAIN
#
# local_or_remote_domain_name network_address [nwdevice]
#
# Local network addresses
c01 NWADDR = "//newyork.acme.com:65432" NWDEVICE ="/dev/tcp"
c02 NWADDR = "//192.76.7.47:65433" NWDEVICE ="/dev/tcp"
# Remote network addresses: second b01 specifies a mirrored gateway
b01 NWADDR = "//192.11.109.5:1025" NWDEVICE = "/dev/tcp"
b01 NWADDR = "//194.12.110.5:1025" NWDEVICE = "/dev/tcp"
b02 NWADDR = "//dallas.acme.com:65432" NWDEVICE = "/dev/tcp"
b03 NWADDR = "//192.11.109.156:4244" NWDEVICE = "/dev/tcp"
#
*DM_OSITP
#
#local_or_remote_domain_name apt aeq
# [aet] [acn] [apid] [aeid]
# [profile]
#
c02 APT = "BA.CENTRAL01"
AEQ = "TUXEDO.R.4.2.1"
AET = "{1.3.15.0.3},{1}"
ACN = "XATMI"
b04 APT = "BA.BANK04"
AEQ = "TUXEDO.R.4.2.1"
AET = "{1.3.15.0.4},{1}"
ACN = "XATMI"
*DM_EXPORT
#service_name [Local_Domain_name] [access_control] [exported_svcname]
# [inbuftype] [outbuftype]
#
open_act ACL = branch
close_act ACL = branch
credit
debit
balance
loan LACCESSPOINT = c02 ACL = loans
*DM_IMPORT
#service_name [Remote_domain_name] [local_domain_name]
# [remote_svcname] [routing] [conv]
# [trantime] [inbuftype] [outbuftype]
#
tlr_add LACCESSPOINT = c01 ROUTING = ACCOUNT
tlr_bal LACCESSPOINT = c01 ROUTING = ACCOUNT
tlr_add RACCESSPOINT = b04 LACCESSPOINT = c02 RNAME ="TPSU002"
tlr_bal RACCESSPOINT = b04 LACCESSPOINT = c02 RNAME ="TPSU003"
*DM_ROUTING
# routing_criteria field typed_buffer ranges
#
ACCOUNT FIELD = branchid BUFTYPE ="VIEW:account"
RANGES ="MIN - 1000:b01, 1001-3000:b02, *:b03"
*DM_ACCESS_CONTROL
#acl_name Remote_domain_list
#
branch ACLIST = b01, b02, b03
loans ACLIST = b04
関連項目:
- 『Oracle Tuxedo Domainsコンポーネントの使用』のDomains構成ファイルの理解に関する項
- 『Oracle Tuxedo Domainsコンポーネントの使用』のDomains構成の設定に関する項
- 『CORBAアプリケーションのスケーリング、分散およびチューニング』
親トピック: DMCONFIGのROUTINGセクションのパラメータ