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プロセス製造リード・タイムの計算例

このトピックでは、プライマリ作業定義にプロセス製造としての作業方法が設定されている品目について、リード・タイムがどのように計算されるかについて詳細に説明します。

この例では、製造リード・タイムの計算ロジックについて説明します。 累積合計リード・タイムおよび累積製造リード・タイムは、ショップ型製造の例と同じロジックに従います。

製造で使用されるリード・タイムの様々なタイプの簡単な説明は、「製造で使用されるリード・タイムに関連するコンセプト: 説明」のトピックを参照してください。

この例では、計算目的でレベルが2つの単純な品目階層を使用します。 階層の最上位レベルには、製造品目と作業定義のプライマリ出力である品目Aがあります。 A1は、同じ作業定義から生成された副製品です。 Aは、購買品目であるCと、製造品目であるBで構成されます。 Bの作業定義では、Bがプライマリ出力品目で、B1が副製品となります。 Bは、品目DとEで構成され、どちらも購買品目です。

製造リード・タイムの計算

この品目階層には、製造リード・タイムを計算する必要がある2つの製造品目AとBがあります。 計算済の製造リード・タイムを、副製品A1と副産物B1にコピーします。 品目Aの場合、プライマリ単位はドラムです。ここで、1ドラムは10リットルです。品目A1の場合、プライマリ単位はDzです。 品目BおよびB1では、プライマリ単位はリットルです。

1. 最初に、品目Aの作業定義を見てみましょう。 作業定義の標準バッチ・サイズは100 Gaで、ここから、品目Aが70リットルと、品目A1が30 Ea生成されると想定されます。

   工程連番	出力品目	入力品目	リソース使用	リード・タイム率
   10	該当なし	該当なし	リソース: RES 1 基準タイプ: 固定 使用方法: 1 単位: 日数	0
   20	品目: A1 数量: 30 単位: Ea	品目: B 数量: 50 単位: リットル	リソース: RES 2 基準タイプ: 変動 使用方法: 1 単位: 日数	33
   30	品目: A 数量: 70 単位: リットル	品目: C 数量: 50 単位: Ea	リソース: RES 3 基準タイプ: 変動 使用方法: 1 単位: 日数	66

2. Aの固定リード・タイム: 固定リード・タイムは、ロット・サイズとは無関係です。 この例では1日です。

3. Aの変動リード・タイム: 基準タイプは変動のため、1 + 1 = 2日でAを70リットルを製造します。これは7ドラムになり(1ドラムは10リットルのため)、変動リード・タイムは2/7 = 0.2857日間/ドラムになります。

4. Aのロット・サイズ: プロセス製造品目のロット・サイズは、プライマリ作業定義から決定します。 この例では、プライマリ作業定義により、品目Aが70リットルが生成されます。 ただし、プライマリ単位はドラムであるため、ロット・サイズは7ドラムに更新されます。

5. Aのプロセス・リード・タイム: 固定リード・タイム(1) + {変動リード・タイム(0.2857)*ロット・サイズ(7)} = 3日。

6. リード・タイム率は、作業定義の全工程の合計製造リード・タイムに対する、特定の工程の開始のオフセット・パーセント値として計算されます。 計算された値を表に示します。

7. ここで、副製品A1の製造リード・タイムを計算します。

8. 固定リード・タイムA1: 固定リード・タイムはAからコピーされます。ここでは1日です。

9. A1の変動リード・タイム: 2日間の変動リード・タイムをコピーし、品目A1のプライマリ単位を考慮して再表示します。 プライマリ作業定義では30 Eaの生産が想定され、プライマリ単位で再表示すると2.5 Dz (1 Dz = 12 Ea)になります。 したがって、変動リード・タイムは2/2.5 = 0.8日/Eaになります。

10. A1のロット・サイズ: プロセス製造品目のロット・サイズは、プライマリ作業定義から決定します。 この例では、プライマリ作業定義から生産される品目A1は30 Eaです。 ただし、プライマリ単位はDzであるため、ロット・サイズは2.5 Dzとして更新されます。

11. A1のプロセス・リード・タイム: プロセス・リード・タイムはAからコピーされます。ここでは3日です。

12. 次に、品目Bの作業定義を確認して、プロセス・リード・タイムを決定します。

    工程連番	出力品目	入力品目	リソース使用	リード・タイム率
    10	品目: B1 数量: 40 単位: リットル	品目: D 数量: 80 単位: リットル	リソース: RES 1 基準タイプ: 固定 使用方法: 2 単位: 日数	0
    20	該当なし	該当なし	リソース: RES 2 基準タイプ: 変動 使用方法: 1 単位: 日数	40
    30	品目: B 数量: 60 単位: リットル	品目: E 数量: 20 単位: リットル	リソース: RES 3 基準タイプ: 変動 使用方法: 2 単位: 日数	60

13. Bの固定リード・タイム :固定リード・タイムはロット・サイズに依存しません。 この例では2日です。

14. Bの変動リード・タイム: 基準タイプは変動するため、Bを60リットル製造するためには2 + 1 = 3日かかり、変動リード・タイムは3/60 = 0.05日/リットルになります。

15. Bのロット・サイズ: プロセス製造品目のロット・サイズは、プライマリ作業定義から決定します。 この例では、プライマリ作業定義により、60リットルの品目Bが生成されます。

16. Bのプロセス・リード・タイム: 固定リード・タイム(2) + {変動リード・タイム(0.05)*ロット・サイズ(60)} = 5日。

17. リード・タイム率は、作業定義の全工程の合計製造リード・タイムに対する、特定の工程の開始のオフセット・パーセント値として計算されます。 計算された値を表に示します。

18. ここで、副産物B1の製造リード・タイムを計算します。

19. 固定リード・タイムB1: 固定リード・タイムはAからコピーされます。ここでは2日です。

20. B1の変動リード・タイム: 3日間の変動リード・タイムがコピーされて、品目B1のプライマリ単位で表示されます。 プライマリ作業定義は40リットルを生成すると予測されるため、変動リード・タイムは3/40 = 0.075日/リットルとなります。

21. B1のロット・サイズ: プロセス製造品目のロット・サイズは、プライマリ作業定義から決定します。 この例では、プライマリ作業定義により、40リットルの品目B1が生成されます。

22. B1のプロセス・リード・タイム: プロセス・リード・タイムがBからコピーされます。ここでは5日です