Oracle Grid InfrastructureとOracle Databaseのパッチ適用の結合

Oracle Grid Infrastructureデプロイメントにパッチ適用するときに、Oracle FPPでは、クラスタのOracle Databaseホームに同時にパッチ適用できるため、単一のメンテナンス操作で両方のタイプのソフトウェア・ホームにパッチを適用できます。

ノート:

Oracle Fleet Patching and Provisioning (Oracle FPP) Local Modeと組み合せて、Oracle Grid InfrastructureとOracle Databaseの両方にパッチを適用することはできません。

次のrhpctl move gihomeコマンドのオプション・パラメータは、Oracle Grid InfrastructureとOracle Databaseのパッチ適用の結合のユースケースに関連します。

  • -auto: Oracle Grid Infrastructureへのパッチ適用とともに自動的にデータベースにパッチを適用します。

  • -dbhomes mapping_of_Oracle_homes: 次の形式のソースと宛先の作業用コピーのマッピング:
    sourcewc1=destwc1,...,source_oracle_home_path=destwcN
  • -dblist db_name_list: 指定したデータベースのみにパッチを適用します。

  • -excludedblist db_name_list: 指定したデータベースを除くすべてのデータベースにパッチを適用します。

  • -nodatapatch: 移動するデータベースに対してdatapatchが実行されないことを示します。

たとえば、Oracle Grid Infrastructure 19c (19.20)を使用するOracle FPPサーバーが、ノードtest_749を含むOracle Grid Infrastructure 19c (19.19)のrhpclientのないターゲット・クラスタに次の作業用コピーをプロビジョニングしたとします:

  • WC_1919_fppc03: Oracle Grid Infrastructure 19c (19.19)クラスタのアクティブなGridホーム

  • WC_GI_1920_fppc03: Oracle Grid Infrastructure 19c (19.20)クラスタ上のソフトウェアのみのGridホーム

  • WC_DB_1919_fppc03: データベース・インスタンスを実行しているOracle RAC 19c (19.19)データベースのホーム

  • WC_DB_1920_fppc03: データベース・インスタンスのないOracle RAC 19c (19.20)データベースのホーム(これはパッチ適用済のホームです)

  • WC_DB_1920_fppc03: データベース・インスタンスを実行しているOracle RAC 19c (19.20)データベースのホーム

  • WC_DB_1920_220719_fppc03: データベース・インスタンスのないOracle RAC 19c (19.20)データベースのホーム(これはパッチ適用済のホームです)

また、同時に次の移動を実行するとします。

  • Oracle Grid Infrastructureを作業コピーWC_1919_fppc03から作業コピーWC_GI_1920_fppc03

  • Oracle RACデータベースdb1を作業用コピーWC_DB_1919_fppc03から作業用コピーWC_DB_1920_fppc03

  • Oracle RACデータベースdb2を作業用コピーWC_DB_1920_fppc03から作業用コピーWC_DB_1920_220719_fppc03

次の単一のコマンドによって移動が完了します。

$ rhpctl move gihome -destwc WC_GI_1920_fppc03 -sourcewc WC_1919_fppc03 
-auto -dbhomes WC_DB_1919_fppc03=WC_DB_1920_fppc03,WC_DB_1920_fppc03=WC_DB_1920_220719_fppc03

ノート:

  • 現在作業用コピーでない既存のOracleホームがある場合、ソース・ホームには作業用コピーの名前ではなくOracleホームのパスを指定します。前述の例では、既存の19.19ホームのOracleホーム・パスが/u01/app/prod/19.19.0/dbhome1の場合、WC_DB_1919_fppc03=WC_DB_1920_fppc03/u01/app/prod/19.20.0/dbhome1=WC_DB_1920_fppc03に置き換えます。

  • 移動操作が完了前のある時点で失敗した場合は、失敗の原因を解決し、コマンドの再実行によって操作を再開するか、次のコマンドを発行して、部分的に完了した操作を元に戻すことができます。このコマンドにより、構成がその初期状態に戻されます。
    $ rhpctl move gihome -destwc WC_GI_1920_fppc03 -revert {authentication_option}

前述のコマンド例では、Oracle Grid Infrastructure 19c Gridホームが作業コピーWC_1919_fppc03から作業コピーWC_GI_1920_fppc03に、作業コピーWC_DB_1919_fppc03で実行されているデータベースが作業コピーWC_DB_1920_fppc03に、作業コピーWC_DB_1920_fppc03で実行されているデータベースが作業コピーWC_DB_1920_220719_fppc03に移動します。

クライアント・クラスタの各ノードでは、RHPCTLの手順は次のとおりです。

  1. Oracle Grid Infrastructureを移動する構成済の操作前ユーザー・アクションを実行します(move gihome)。

  2. データベースの作業用コピーを移動する構成済の操作前ユーザー・アクションを実行します(move database)。

  3. ノードで実行されているサービスを停止して、ドレインと切断のオプションを適用します。

  4. Oracle ClusterwareとOracle Databaseの関連するパッチ適用操作を実行します。

  5. データベースの作業用コピーを移動する構成済の操作後ユーザー・アクションを実行します(move database)。

  6. Oracle Grid Infrastructureの作業用コピーを移動する構成済の操作後ユーザー・アクションを実行します(move gihome)。

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