2.4 GeoRasterシステム・データ・ビュー(xxx_SDO_GEOR_SYSDATA)

GeoRasterは、システム・データ表(SYSDATA表)を使用して、GeoRaster表とそれに関連するラスター・データ表の間の関係を保持します。

各GeoRasterオブジェクト(NULL以外の場合)には、ラスター・データ表が関連付けられており、地上基準点(GCP)や値属性表(VAT)など、その他の情報が関連付けられる場合もあります。

任意のユーザーに対して、ラスター・データ表の名前とrasterIDの組合せによって、GeoRasterオブジェクトが一意に識別されます。1つのGeoRaster表に含まれる(rasterID値が異なる)複数のGeoRasterオブジェクトが、1つのラスター・データ表を共有できます。

新しいGeoRasterオブジェクト(空および空白のGeoRasterオブジェクトを含む)が作成されるたびに、そのオブジェクトにラスター・データ表およびrasterID値が割り当てられます。すべてのSDO_GEORASTERオブジェクト(アトミックNULLオブジェクトを除く)は、作成時にシステム・データ表に自動的に記録されます。

GeoRasterのSYSDATA表は、MDSYSスキーマに存在します。GeoRasterシステム・データ表に含まれるほとんどの情報は、システム・データ・ビューを介して参照できるため、GeoRasterデータベースに含まれるすべてのGeoRasterオブジェクトのディクショナリまたはカタログとして使用できます。GeoRasterのユーザーには、自分に関連付けられたスキーマに次のシステム・データ・ビューが含まれます。

  • USER_SDO_GEOR_SYSDATAには、現行ユーザーが所有するすべてのGeoRasterオブジェクトのシステム・データが含まれます。

  • ALL_SDO_GEOR_SYSDATAには、現行ユーザーがアクセス可能なすべてのGeoRasterオブジェクトのシステム・データが含まれます。

ユーザーは、GeoRasterのSYSDATA表およびUSER_SDO_GEOR_SYSDATAビューとALL_SDO_GEOR_SYSDATAビューを直接変更することはできません。ただし、これらは各GeoRaster表の各SDO_GEORASTER列に自動作成されるDMLトリガーによって更新されます。

USER_SDO_GEOR_SYSDATAビューの定義は次のとおりです。

(
   TABLE_NAME            VARCHAR2(128),
   COLUMN_NAME           VARCHAR2(1024),
   METADATA_COLUMN_NAME  VARCHAR2(1024),
   RDT_TABLE_NAME        VARCHAR2(128),
   RASTER_ID             NUMBER,
   OTHER_TABLE_NAMES     SDO_STRING_ARRAY
);

ALL_SDO_GEOR_SYSDATAビューにはUSER_SDO_GEOR_SYSDATAビューのすべての列が含まれますが、TABLE_NAME列で指定された表を所有するスキーマを識別するOWNER列も含まれます。

この項では、両方のビューに共通する列について説明します。任意の列のVARCHAR2データの名前は、すべて大文字で格納されていることに注意してください。

2.4.1 TABLE_NAME列

TABLE_NAME列には、SDO_GEORASTER型の1つ以上の列を含むGeoRaster表の名前が含まれます。

2.4.2 COLUMN_NAME列

COLUMN_NAME列には、TABLE_NAME列で指定されたGeoRaster表のSDO_GEORASTER型の列の名前が含まれます。

2.4.3 METADATA_COLUMN_NAME列

今回のリリースでは、METADATA_COLUMN_NAME列は無視されます。

2.4.4 RDT_TABLE_NAME列

RDT_TABLE_NAME列には、TABLE_NAME列およびCOLUMN_NAME列で指定された表および列に関連付けられたラスター・データ表の名前が含まれます。

2.4.5 RASTER_ID列

RASTER_ID列には、RDT_TABLE_NAME列の値との組合せによって各GeoRasterオブジェクトを一意に識別する数値が含まれます。

2.4.6 OTHER_TABLE_NAMES列

今回のリリースでは、OTHER_TABLE_NAMES列は無視されます。