タスク10: Oracle GoldenGateプロセスの構成
Oracle GoldenGate Microservices Architectureを使用してExtract、分散パスおよびReplicatプロセスを作成する場合、Oracle RACノード間で共有する必要があるファイルはすべて、共有ファイル・システム(DBFSまたはACFS)に格納されているデプロイメント・ファイルですでに共有されています。
次に示す重要な構成詳細は、Extract、分散パスおよびReplicatプロセスのためにOracle RACでOracle GoldenGate Microservicesを実行する場合にお薦めします。
Extract構成
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Oracle GoldenGate Administration Server GUIインタフェースを使用してExtractを作成するときには、「トレイルのサブディレクトリ」パラメータを空白のままにして、共有ファイル・システムに格納されているデプロイメント・ディレクトリに自動的に証跡ファイルが作成されるようにします。
証跡ファイルのデフォルトの場所は、
/<deployment directory>/var/lib/data
です -
共有ストレージにDBFSを使用しているときに、デプロイメントの
var/temp
ディレクトリが「タスク6: Oracle GoldenGateデプロイメントの作成」の説明に従ってローカル・ストレージに移動された場合は、ExtractのCACHEMGR
パラメータを使用して一時キャッシュ・ファイルを共有ストレージに配置することをお薦めします。
DBFSデプロイメントのマウント・ポイントの下に新しいディレクトリを作成します。たとえば:
$ mkdir –p /mnt/dbfs/goldengate/deployments/ggnorth/temp_cache
Extractパラメータを新しいディレクトリに設定します。
CACHEMGR CACHEDIRECTORY /mnt/dbfs/goldengate/deployments/ggnorth/temp_cache
次に、Oracle GoldenGate Administration Server GUIで統合Extract用に指定されたパラメータがUIでどのように表示されるかの例を示します。
図25-1 一時キャッシュ・ファイルを定義するためのExtractパラメータ

分散パス構成
NGINXリバース・プロキシでOracle GoldenGate分散パスを使用する場合、パスのサーバー証明書が構成されるように、追加でステップを実行する必要があります。
次のビデオで示されている手順に従って、証明書を正しく構成します: https://apexapps.oracle.com/pls/apex/f?p=44785:112:0::::P112_CONTENT_ID:31380
このビデオで示されている、構成の主要部分:
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ソース・デプロイメントのクライアント証明書を作成し、そのクライアント証明書をソース・デプロイメントのサービス・マネージャに追加します。(これは、Oracle GoldenGate 21c以降のリリースを使用する場合は必要ありません。)
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ターゲット・デプロイメント・サーバーのルート証明書をダウンロードし、ソース・デプロイメントのサービス・マネージャにCA証明書を追加します。
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ターゲット・デプロイメントで、接続する分散パスのユーザーを作成します。
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前のステップで作成したユーザーを使用して、ターゲット・デプロイメントに接続するソース・デプロイメント内に資格証明を作成します。
たとえば、ドメインが
GGNORTH_to_GGSOUTH
、別名がPathReceiver
です。
クライアント証明書とサーバー証明書を構成した後は、次の構成オプションを設定する必要があります。これらのオプションをUIのどこで設定するかを確認するには、次の図を参照してください。
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「生成されたソースURI」を変更してサーバー名に
localhost
を指定します。これにより、任意のOracle RACノードで分散パスを起動できるようになります。
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「ターゲット認証方式」を
UserID Alias
に、「ターゲット」転送プロトコルをwss
(セキュアWebソケット)に設定します。ターゲット・ホストを、ターゲット・システムへの接続に使用するターゲット・ホスト名/VIPに設定し、NGINXの構成に使用したポート番号を指定します(デフォルトは443)。
ターゲット・ホスト名/VIPは、NGINXで使用されるCA署名付き証明書での共通名と一致している必要があります。
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「ドメイン」を、前述のステップ4で作成した、ビデオで示されている資格証明ドメインに設定します(
GGNORTH_to_GGSOUTH
など)。「別名」は、ビデオ内のステップ4でも作成した、資格証明別名に設定されます。
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分散サーバーの起動時に分散パスが自動的に再起動されるように設定します。
これは、分散サーバーのOracle RACノード再配置の後に手動操作を不要にするために必要です。「再試行」の回数を10に設定することをお薦めします。「遅延」を1に設定します。これは、再起動を試行してから次に試行するまでの一時停止時間(分数)です。
図25-2 分散パス作成のステップ1から3

図25-3 分散パス作成のステップ4

Replicat構成
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チェックポイント表は、GoldenGate Replicatプロセスに必要なコンポーネントです。必ず、データベースGoldenGate管理者(GGADMIN)スキーマにチェックポイント表が作成されていることを確認してください。
チェックポイント表を作成するには、Oracle GoldenGate Administration Server GUIを使用し、「+」ボタンをクリックし、schema.tablenameという形式でチェックポイント表名を入力します。これを次の図で示します。
図25-4 Replicatプロセス用のチェックポイント表の作成
チェックポイント表の作成の詳細は、チェックポイント表の概要を参照してください。
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Oracle GoldenGate Administration Server GUIインタフェースを使用してReplicatを作成するときは、「トレイルのサブディレクトリ」パラメータを、分散パスまたはローカルExtractで証跡ファイルが作成されている場所に設定します。
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チェックポイント表が以前に作成されている場合は、「チェックポイント表」プルダウン・リストからその表名を選択します。
図25-5 「トレイルのサブディレクトリ」と「チェックポイント表」を使用したReplicat作成