1.6 高可用性およびマップ・ビジュアライゼーション・コンポーネント(WebLogic Serverのみ)

ユーザーは、Oracle WebLogic Serverの高可用性機能のメリットを享受できます。

ノート:

この項は、マップ・ビジュアライゼーション・コンポーネントの高可用性機能を最大限に利用する上級ユーザーを対象としています。ユーザーには高可用性機能についての十分な理解が必要です。高可用性機能については、『Oracle Fusion Middleware高可用性ガイド』を参照してください。

1.6.1 中間層クラスタでのマップ・ビジュアライゼーション・コンポーネントのデプロイ

マップ・ビジュアライゼーション・コンポーネントは、WebLogic Serverクラスタにデプロイできます。ただし、各ホストで生成された画像ファイルの命名方法およびクライアント・アプリケーションによるURLでの参照方法には注意する必要があります。

次の例を検討します。マップ・リクエストがフロントWebサーバーに送信されると、ホストAで実行されているマップ・ビジュアライゼーション・コンポーネントに到達します。次に、ホストAのマップ・ビジュアライゼーション・コンポーネントが、生成されたマップ画像のURLを返し、その後、クライアントが2番目のリクエストを送信して実際の画像をフェッチします。この2番目のリクエストはホストBで稼働しているWebLogic Serverで受信されますが、このWebLogic Serverにはそのような画像がありません(あるいは、同じ名前の間違った画像が返されます)。

どのような環境でも、この問題に対する最善の解決策はありません。1つの選択肢として、異なるホストで稼働する異なるマップ・ビジュアライゼーション・コンポーネント・サーバーによってマップ画像が同一の仮想(ネットワーク化された)ファイル・システムに置かれるように、ホストで共通のネットワーク・ストレージを共有する方法があります。画像を異なるサブディレクトリに置いたり、画像に異なるファイル接頭辞を付けたりするため、マップ・ビジュアライゼーション・コンポーネント・インスタンスごとに、マップ・ファイル・ストレージ情報(マップ・ファイル格納情報およびライフ・サイクル情報の指定を参照)を構成する必要があります。情報を構成しない場合、複数のマップ・ビジュアライゼーション・コンポーネント・サーバーによって生成された画像ファイルが、ディスク上で相互に上書きする可能性があります。マップ・ファイル・ストレージ情報を適切に構成すると、クライアントに返された各URLにより、ネットワーク・ドライブ上で確実に正しいマップが一意に識別されます。

ネットワーク・ドライブを使用できない場合は、ロード・バランサの使用を検討してください。各マップ・ビジュアライゼーション・コンポーネント・インスタンスで、確実に一意性を保つための適切な方法を使用して、生成された画像ファイルに名前を付けるため、まずマップ・ビジュアライゼーション・コンポーネント・インスタンスごとに、マップ・ファイル・ストレージ情報を構成する必要があります(前の段落を参照)。これで、URLがあるパターン(指定したマップ画像ファイル接頭辞を含むなど)に一致する場合に画像リクエストを特定のホストにリダイレクトするルールを、ロード・バランサで指定できます。