2.8 マップ・ビジュアライゼーション・コンポーネント・メタデータ・ビュー
ベース・マップ、テーマおよびスタイルを説明するマッピング・メタデータは、MDSYSが所有するグローバル表のSDO_MAPS_TABLE、SDO_THEMES_TABLEおよびSDO_STYLES_TABLEに格納されています。
ただし、これらの表を直接更新しないでください。マップ・ビジュアライゼーション・コンポーネントの各ユーザーには、そのユーザーに関連付けられたスキーマで使用可能な次のビューがあります。
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USER_SDO_STYLESおよびALL_SDO_STYLESには、スタイルの情報が含まれています。これらのビューについては、「xxx_SDO_STYLESビュー」で説明しています。
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USER_SDO_THEMESおよびALL_SDO_THEMESには、テーマの情報が含まれています。これらのビューについては、「xxx_SDO_THEMESビュー」で説明しています。
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USER_SDO_MAPSおよびALL_SDO_MAPSには、ベース・マップの情報が含まれています。これらのビューについては、「xxx_SDO_MAPSビュー」で説明しています。
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USER_SDO_CACHED_MAPSとALL_SDO_CACHED_MAPSには、マップ・タイル・レイヤーの構成設定に関する情報が含まれます。これらのビューについては、「xxx_SDO_CACHED_MAPSビュー」で説明しています。
ノート:
Map Builderツール(「Oracle Map Builderツール」を参照)を使用すると、ほとんどのマッピング・メタデータを管理できます。ただし、一部の地物については、マップ・ビジュアライゼーション・コンポーネント・メタデータ・ビューを更新するためにSQL文を使用する必要があります。
USER_SDO_xxxビューには、ユーザー(スキーマ)が所有するマッピング要素(スタイル、テーマ、ベース・マップ、キャッシュされたマップ)に関するメタデータ情報が含まれ、ALL_SDO_xxxビューには、ユーザーがSELECT権限を持つマッピング要素に関するメタデータ情報が含まれます。
ALL_SDO_xxxビューには、オブジェクト所有者のスキーマを識別するOWNER列が含まれます。USER_SDO_xxxビューに、OWNER列は含まれません。
データベースで定義されたすべてのスタイルは、すべてのユーザーが、自分のテーマ、テキスト・スタイルを含むマーカーまたは拡張スタイルを定義するために参照できます。ただし、テーマおよびベース・マップはユーザー間で共有されないため、たとえば、自分が作成したベース・マップで別のユーザーのテーマは参照できません。
マッピング・メタデータへのアクセスには、次のルールが適用されます。
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メタデータを追加、削除または変更する場合、USER_SDO_xxxビューを使用して操作を実行する必要があります。ALL_SDO_xxxビューは、USER_SDO_xxxビューに加えた変更を反映するために自動的に更新されます。
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すべてのスタイルに関するメタデータへの読取りアクセスのみが必要な場合は、ALL_SDO_STYLESビューを使用する必要があります。主キーはOWNER列およびNAME列で構成されるため、スタイルを指定する場合はOWNERおよびNAMEの両方を必ず含めてください。
前述のマップ・ビジュアライゼーション・コンポーネント・メタデータ・ビューは、次のファイルで定義されます。
$ORACLE_HOME/lbs/admin/mapdefinition.sql
マップ・ビジュアライゼーション・コンポーネントは、他のファイルで定義可能な他のメタデータ・ビューもいくつか使用します。これらのビューの内容は決して変更しないでください。これには以下が含まれます。
親トピック: マップのビジュアライゼーションの概念
2.8.1 xxx_SDO_STYLESビュー
USER_SDO_STYLESビューおよびALL_SDO_STYLESビューには、表2-3に示す列があります。
表2-3 xxx_SDO_STYLESビュー
列名 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
OWNER |
VARCHAR2 |
スタイルを所有するスキーマ(ALL_SDO_STYLESのみ) |
NAME |
VARCHAR2 |
スタイルに関連付ける一意の名前 |
TYPE |
VARCHAR2 |
COLOR、MARKER、LINE、AREA、TEXTまたはADVANCEDのいずれかの値 |
DESCRIPTION |
VARCHAR2 |
スタイルに関するオプションの記述テキスト |
DEFINITION |
CLOB |
スタイルのXML定義 |
IMAGE |
BLOB |
画像ベースの記号(マーカーの場合)または充填文字(領域の場合)を使用するマーカー・スタイルまたは領域スタイルの画像内容( |
GEOMETRY |
SDO_GEOMETRY |
(今後使用予定) |
Oracle Databaseのリリースに応じて、ALL_SDO_STYLESビューに、MDSYSスキーマが所有するサンプル・スタイルが含まれる場合があります。これらのスタイルがシステムで定義されている場合にはテーマ定義およびマップ・リクエストで指定できます。また、独自スタイルの定義に使用するアイデアのためのXML定義を検査できます。
現行ユーザー以外のスキーマが所有しているスタイル(または他のタイプのマップ・ビジュアライゼーション・コンポーネント・オブジェクト)を指定するには、スキーマ名を指定し、スキーマ名とオブジェクト名の間にピリオドではなくコロン(:)を使用する必要があります。次の<jdbc_query>
要素からの抜粋は、MDSYSスキーマが所有するC.RED
というスタイルを参照します。
<jdbc_query . . . render_style="MDSYS:C.RED"> . . . </jdbc_query>
例2-58では、MDSYSスキーマが所有し、現在定義されているすべてのスタイルの名前を検索して、そのいずれかのスタイルのタイプ、説明およびXML定義を表示します。(出力結果の例は、読みやすいようにリフォーマットされています。)
例2-58 MDSYSスキーマ所有のスタイルの検索
SELECT owner, name FROM all_sdo_styles WHERE owner = 'MDSYS'; OWNER NAME -------------------------------- -------------------------------- MDSYS C.BLACK MDSYS C.BLACK GRAY MDSYS C.BLUE MDSYS C.COUNTIES MDSYS C.FACILITY . . . MDSYS L.MAJOR STREET MDSYS L.MAJOR TOLL ROAD MDSYS L.MQ_ROAD2 MDSYS L.PH MDSYS L.POOR_ROADS MDSYS L.PTH MDSYS L.RAILROAD MDSYS L.RAMP MDSYS L.SH MDSYS L.STATE BOUNDARY . . . MDSYS M.REDSQ MDSYS M.SMALL TRIANGLE MDSYS M.STAR MDSYS M.TOWN HALL MDSYS M.TRIANGLE MDSYS T.AIRPORT NAME MDSYS T.CITY NAME MDSYS T.MAP TITLE MDSYS T.PARK NAME MDSYS T.RED STREET MDSYS T.ROAD NAME MDSYS T.SHIELD1 MDSYS T.SHIELD2 MDSYS T.STATE NAME MDSYS T.STREET NAME . . . -- Display the type, description, and XML definition of one style. SET LONG 4000; SELECT owner, name, type, description, definition FROM all_sdo_styles WHERE name = 'L.PH'; OWNER NAME TYPE DESCRIPTION ------ ----- ------ ------------------ MDSYS L.PH LINE Primary highways DEFINITION --------------------------------------------------------------------------- <?xml version="1.0" standalone="yes"?> <svg width="1in" height="1in"> <desc></desc> <g class="line" style="fill:#33a9ff;stroke-width:4"> <line class="parallel" style="fill:#aa55cc;stroke-width:1.0"/> </g> </svg>
2.8.2 xxx_SDO_THEMESビュー
USER_SDO_THEMESビューおよびALL_SDO_THEMESビューには、表2-4に示す列があります。
表2-4 xxx_SDO_THEMESビュー
列名 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
OWNER |
VARCHAR2 |
テーマを所有するスキーマ(ALL_SDO_THEMESのみ) |
NAME |
VARCHAR2 |
テーマに関連付ける一意の名前 |
DESCRIPTION |
VARCHAR2 |
テーマに関するオプションの記述テキスト |
BASE_TABLE |
VARCHAR2 |
空間ジオメトリ列が含まれる表またはビュー |
GEOMETRY_COLUMN |
VARCHAR2 |
空間ジオメトリ列(SDO_GEOMETRY型)の名前 |
STYLING_RULES |
CLOB |
テーマに関連付けるスタイリング・ルールのXML定義 |
2.8.3 xxx_SDO_MAPSビュー
USER_SDO_MAPSビューおよびALL_SDO_MAPSビューには、表2-5に示す列があります。
表2-5 xxx_SDO_MAPSビュー
列名 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
OWNER |
VARCHAR2 |
ベース・マップを所有するスキーマ(ALL_SDO_MAPSのみ) |
NAME |
VARCHAR2 |
ベース・マップに関連付ける一意の名前 |
DESCRIPTION |
VARCHAR2 |
ベース・マップに関するオプションの記述テキスト |
DEFINITION |
CLOB |
ベース・マップに関連付ける、テーマおよびテーマのスケール値範囲情報のリストのXML定義 |
2.8.4 xxx_SDO_CACHED_MAPSビュー
USER_SDO_MAPSビューおよびALL_SDO_MAPSビューには、表2-6に示す列があります。
表2-6 xxx_SDO_CACHED_MAPSビュー
列名 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
NAME |
VARCHAR2 |
キャッシング対象マップ・ソースの一意な名前 |
DESCRIPTION |
VARCHAR2 |
キャッシング対象マップ・ソースのオプションの記述テキスト |
TILES_TABLE |
VARCHAR2 |
(現在は使用されていません) |
IS_ONLINE |
VARCHAR2 |
マップ・タイル層がオンラインの場合は |
IS_INTERNAL |
VARCHAR2 |
マップ・ソースが内部マップ・ソースの場合は |
DEFINITION |
CLOB |
マップ・タイル層のXML定義(この項で後述)。 |
BASE_MAP |
VARCHAR2 |
キャッシング対象のマップ・ビジュアライゼーション・コンポーネント・ベース・マップの名前(マップ・ソースが内部マップ・ソースの場合) |
MAP_ADAPTER |
BLOB |
外部マップ・サービス・プロバイダのアダプタJavaクラスが含まれるjarファイル(この項で後述)。 |
USER_SDO_CACHED_MAPSビューの使用方法の詳細は、「マップ・タイル・サーバーの構成」を参照してください。