13.1.2 アドレス・リスト・パラメータについて

データベース・サービスに複数のリスナー・プロトコル・アドレスからアクセスできる場合は、ランダムに選択したり、順番に試行するなど、アドレスの使用順序を指定します。次の表では、複数のプロトコル・アドレスとともに使用されるパラメータを示します。

表13-1 tnsnames.oraファイルのアドレス・リスト・パラメータ

パラメータ 説明

FAILOVER

onに設定した場合、このパラメータは、接続時に最初のリスナーに障害が発生したら、別のリスナーにフェイルオーバーするようOracle Netに指示します。接続を試行する回数は、リスト内のアドレス数で決まります。offに設定した場合は、接続を試行するアドレスは1つのみです。

複数のアドレス・リスト(ADDRESS_LIST)、接続記述子(DESCRIPTION)および複数の接続記述子(DESCRIPTION_LIST)がある場合、接続時フェイルオーバーはデフォルトでonになっています。

LOAD_BALANCE

onに設定すると、このパラメータは、プロトコル・アドレスのリストから順不同に選択して、複数のリスナーに対する負荷を均衡化するようOracle Netに指示します。offに設定した場合、Oracle Netは接続が成功するまでアドレスを順番に試行します。

複数の接続記述子(DESCRIPTION_LIST)がある場合、クライアント・ロード・バランシングはデフォルトでonになっています。

SOURCE_ROUTE

onに設定すると、このパラメータは、各アドレスを提供された順序で、接続先に到達するまで使用するようOracle Netに指示します。特定のルート、すなわち特定のコンピュータを使用して接続先に到達するには、このパラメータが必要です。このパラメータは、Oracle Connection Managerへの接続を使用可能にするために使用されます。

ノート:

ソース・ルーティング(SOURCE_ROUTE)を接続時フェイルオーバー(FAILOVER)またはクライアント・ロード・バランシング(LOAD_BALANCE)と同じレベルで設定することはできません。ソース・ルーティングではリスト内の各アドレスに順に接続しますが、接続時フェイルオーバーとクライアント・ロード・バランシングではリストから1つのアドレスを選択します。

tnsnames.oraファイル内の接続記述子にOracle Connection Managerホップのプロトコル・アドレスが少なくとも2つ含まれている場合、ホップ内の接続時フェイルオーバーとロード・バランシングのパラメータをファイル内に含めることができます。

次の表では、アドレス・リストのオプションについて説明します。

表13-2 「アドレス・リスト・オプション」ダイアログ・ボックス

オプション パラメータ設定

接続に成功するまで各アドレスを順番に試行

FAILOVER=on

接続に成功するまで各アドレスをランダムに試行

LOAD_BALANCE=on

FAILOVER=on

ランダムに選択した1つのアドレスを試行

LOAD_BALANCE=on

各アドレスを、接続先に達するまで順番に使用します。

SOURCE_ROUTE=on

最初のアドレスのみを使用します

LOAD_BALANCE=off

FAILOVER=off

SOURCE_ROUTE=off

次の例は、クライアント・ロード・バランシング用に構成されたtnsnames.oraファイルです。

sales.us.example.com=
 (DESCRIPTION=
  (ADDRESS_LIST=
  (LOAD_BALANCE=on)
   (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales1-server)(PORT=1521)) 
   (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales2-server)(PORT=1521)))
  (CONNECT_DATA=
    (SERVICE_NAME=sales.us.example.com))) 

次の例は、接続時フェイルオーバー用に構成されたtnsnames.oraファイルです。

sales.us.example.com=
 (DESCRIPTION=
  (ADDRESS_LIST=
   (LOAD_BALANCE=off)
   (FAILOVER=on)
   (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales1-server)(PORT=1521)) 
   (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales2-server)(PORT=1521)))
  (CONNECT_DATA=
   (SERVICE_NAME=sales.us.example.com)))

次の例は、Oracle Connection Managerおよびロード・バランシング用に構成されたtnsnames.oraファイルです。

sales.us.example.com=
(DESCRIPTION=
   (SOURCE_ROUTE=ON)
   (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=cman-pc1)(PORT=1630))
   (ADDRESS=
     (LOAD_BALANCE=ON)
     (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=cman-pc2)(PORT=1521))
     (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=cman-pc3)(PORT=1521)))
   (CONNECT_DATA=
     (SERVICE_NAME=sales.us.example.com)))

関連項目:

ソース・ルーティングに関するクライアントの構成については、「Oracle Connection Managerを使用する場合のクライアントの構成」を参照してください

13.1.2.1 アドレス・リスト・パラメータの構成

次の手順では、アドレス・リスト・パラメータを構成する方法について説明します。

  1. 「リスナー・プロトコル・アドレスのリスト作成」の手順を実行してください。

  2. Oracle Enterprise Manager Cloud ControlまたはOracle Net Managerを使用したアドレス・リスト・オプションの構成

    • Oracle Enterprise Manager Cloud Controlでは、「接続時フェイルオーバーとクライアント・ロード・バランシング」セクションの適切なオプションを選択します。

    • Oracle Net Managerで、「アドレスの構成」ボックスの「詳細」をクリックします。「アドレス・リスト・オプション」ダイアログ・ボックスが表示されます。適切なオプションを選択します。