10.8 パッチ適用時のCMANセッションの移行

計画的な、停止時間なしのOracle CMANのアップグレードまたはパッチ適用の間に、確立されたクライアント/サーバー・セッションを、あるOracle Connection Manager (CMAN)インスタンスから別のOracle CMANインスタンスに移行できます。

移動中のデータがある実行中のセッションは、サービスを中断することなく移行できます。クライアントまたはサーバーで実行されている操作は、サービスが失われることなく、移行中にシームレスに引き続き実行されます。移行中に新しいクライアント接続を追加することもできます。

クライアント/サーバー・セッションを移行するには、次のステップを実行します。

Oracle CMANを最新のリリースにアップグレードするか、最新のパッチを適用する必要があります。
  1. 新しいORACLE_HOMEに、アップグレードされたOracle CMANまたはパッチが適用されたOracle CMANをインストールします。
  2. Oracle CMANの構成に使用したcman.oraファイルと同じファイルを使用して、新しいOracle CMANインスタンスを構成します。
  3. 新しいORACLE_HOMEから新しいOracle CMANインスタンスを移行モードで、起動します。以下のコマンドを使用します。
    cmctl startup –migrate -c cman_alias
    このコマンドは、新しいOracle CMANインスタンスを起動して、古いOracle CMANインスタンスからのセッションの移行を開始します。古いOracle CMANインスタンスは、移行が完了するか、7分後にタイムアウトした時点で終了します。

    古いOracle CMANインスタンスのアドレスがcman.oraファイルにcman_alias_oldという別名で追加されます。この別名を使用して、移行時に古いOracle CMANインスタンスの制御およびステータスの確認を行うことができます。

次のシナリオでは、セッションの移行が可能です。
  • クライアントからOracle CMANおよびOracle CMANからサーバーの両方でTCPが使用される場合。
  • クライアントまたはサーバーの一方でTCPS (TLS)、他方でTCPが使用される場合。TCPSを使用するクライアントとTCPSを使用するサーバーの両方にOracle Database 21c以降をインストールする必要があります。

サポートされていない接続は、タイムアウトになるまで接続されたままになります。

ノート:

  • セッション移行は通常モードのOracle CMANでのみサポートされ、Traffic DirectorモードのOracle CMANではサポートされません。
  • クライアントからOracle CMANおよびOracle CMANからサーバーの両方でTCPSを使用している場合、移行はサポートされません。
  • 現在、Microsoft Windowsではセッションの移行はサポートされません。