1 Oracle Database ODBCドライバの概要
この章では、Oracle Database ODBCドライバについて説明します。
トピック:
1.1 ODBCドライバについて
Open Database Connectivity (ODBC)は、1つのアプリケーションが多くの異なるデータソースにアクセスできるようにする標準インタフェースを提供します。アプリケーションのソース・コードをデータ・ソースごとにコンパイルしなおす必要はありません。データベース・ドライバにより、アプリケーションが特定のデータ・ソースにリンクされます。データベース・ドライバは、アプリケーションが特定のデータソースにアクセスするためにオンデマンドで呼び出すことのできるダイナミック・リンク・ライブラリです。したがって、アプリケーションはデータベース・ドライバが存在するすべてのデータ・ソースにアクセスできます。
ODBCインタフェースには次のものが定義されています。
-
ODBC関数コールのライブラリ。アプリケーションではこのライブラリを利用してデータソースに接続し、構造化問合せ言語(SQL)文を実行して結果を取り出すことができます。
-
SQL-99仕様に基づくSQL構文
-
エラー・コードの標準セット
-
データソースへの接続とログインの標準的な方法
-
データ型の標準的な表現
次の図に、ODBCモデルのコンポーネントを示します。モデルは、ODBCアプリケーションがODBCアプリケーション・プログラム・インタフェース(API)を介してドライバ・マネージャをコールするところから始まります。ドライバ・マネージャは、Microsoftドライバ・マネージャまたはunixODBCドライバ・マネージャです。ODBC APIの使用中に、ドライバ・マネージャはODBCドライバをコールします。ODBCドライバは、データベースAPIを使用し、ネットワーク通信リンク経由でデータベースにアクセスします。次の図に、異なる3つのデータベースにアクセスするODBCアプリケーションを示します。
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1.2 Oracle Database ODBCドライバとは
Oracle Database ODBCドライバにより、Microsoft WindowsおよびLinux、Solaris、IBM AIXなどのUNIXプラットフォーム上のODBCアプリケーションは、Oracle Net Servicesソフトウェアを使用してODBCインタフェースを介してOracle® Databasesに読取りおよび書込みアクセスできます。
Oracle Database ODBCドライバは、Oracle Call Interface (OCI)のクライアント/サーバー・ソフトウェアを使用して、データソースへの要求の送信およびデータソースからの応答を受信します。OCIクライアントとOracleサーバー間の通信には、Oracle Net Services通信プロトコルが使用されます。
Oracle Database ODBCドライバは、ODBC SQL構文をデータソースにアクセスできる構文に変換します。データソースから結果が戻されると、Oracle Database ODBCドライバは戻された結果をODBC SQL構文に変換します。
次の図に、前述のOracle Database ODBCドライバのアーキテクチャを示します。
* Oracle ODBCリソース・データ定義言語(DLL)ファイル(sqres
xx
.dll
。xx
は言語の略称)には、言語に関連する全情報が含まれています。使用されるデフォルトのリソース・ファイルはsqresus.dll
です。
Oracle Database ODBCドライバは、ODBCバージョン3.52仕様に準拠しています。UNIXプラットフォームの場合、ODBCドライバはunixODBCドライバ・マネージャ・バージョン2.3.11で動作保証されています。
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1.3 WindowsでのOracle Database ODBCドライバの動作保証
次の表に、Oracle Database ODBCドライバが動作保証されているWindowsオペレーティング・システムのバージョンをまとめています。
表1-1 Oracle Database ODBCドライバが動作保証されているWindowsオペレーティング・システム
ドライバのバージョン | データベースのバージョン | オペレーティング・システム |
---|---|---|
ODBCリリース23ai, バージョン23.3.0.0 |
OCIでサポートされているとおり |
「必要なソフトウェア」を参照してください。 |
ODBCリリース21c, バージョン21.1 |
OCIでサポートされているとおり |
「必要なソフトウェア」を参照してください。 |
ODBCリリース19c, バージョン19.1.0.0.0 |
OCIでサポートされているとおり |
「必要なソフトウェア」を参照してください。 |
ODBCリリース18c, バージョン18.1.0.0.0 |
OCIでサポートされているとおり |
「必要なソフトウェア」を参照してください。 |
ODBC 12.2.0.1.0 |
OCIでサポートされているとおり |
「必要なソフトウェア」を参照してください。 |
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1.4 UNIXプラットフォームでのOracle ODBCドライバの動作保証
Oracleでは、次に示すUNIXプラットフォームで、ドライバ・マネージャ(DM) 2.3.11に対してリリース23.3用のOracle Database ODBCドライバが動作保証されています。
これらのUNIXプラットフォームを表1-2に示します。64ビットUNIXプラットフォームでは、DM 2.3.11は-DBUILD_REAL_64_BIT_MODE -DSIZEOF_LONG=8 -fshort-wchar
フラグが付けられて作成され、動作保証されています。
表1-2 UNIXプラットフォーム上のOracle Database ODBCドライバの動作保証マトリックス
プラットフォーム | 32ビット/64ビット | UnixODBC DMバージョン |
---|---|---|
Linux x86-64 |
32ビット、64ビット |
2.3.11 |
Solaris SPARC64 |
32ビット、64ビット |
2.3.11 |
AIX5L |
32ビット、64ビット |
2.3.11 |
Solaris x64 |
32ビット、64ビット |
2.3.11 |
HPUX.IA64 |
32ビット、64ビット |
2.3.11 |
ZLinux |
32ビット、64ビット |
2.3.11 |
各オペレーティング・システムおよびOracleクライアント・ソフトウェアの要件についてさらに学習するには、各プラットフォームのインストレーション・ガイドを参照してください。
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1.5 ドライバの準拠レベル
ODBCは、次の2つの分野でドライバの準拠レベルを定義しています。
-
ODBCアプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)
-
ODBC SQL-99の構文
Oracle Database ODBCドライバは、APIのすべてのコア機能と、レベル1およびレベル2機能セットの一部をサポートしています。
Oracle Database ODBCドライバは、SQL-92のエントリ・レベル仕様のスーパーセットであるSQL-99のコア仕様と広く互換性があります。SQL-99でサポートされる機能のリストを取得するには、アプリケーションにおいて適切な情報型を指定してSQLGetInfo
をコールする必要があります。
関連項目:
コアAPI機能サポートの詳細は、「API準拠」を参照してください
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