デプロイの計画

分散データベース・トポロジ、レプリケーション方法、分散データベース方法など、Oracle Globally Distributed Databaseのデプロイを計画する際には、様々な決定を行う必要があります。

特定の分散データベースには、様々なOracleソフトウェア・コンポーネント(Oracle Data Guard、Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)など)と、システム管理(自動)、ユーザー定義、コンポジット・データ分散などの様々なデータ分散方法を使用できます。

選択したデータ分散方法(システム、ユーザー定義またはコンポジット)に応じて、チャンクの数、シャードグループまたはシャード領域、リージョン、スタンバイおよびマウント済データベースに対するオープン・オープン・データベースなどの考慮事項に関する決定によってトポロジ計画をさらに改善できます。

これらのトポロジ・オプションの詳細は、Oracle Globally Distributed Databaseのアーキテクチャと概念を参照してください。

構成の計画

Oracle Globally Distributed Database構成を計画するには、分散データベース構成を構成するオブジェクトを理解し、要件を満たすように最適に構成してデプロイする必要があります。

分散データベース構成は、データ分散(シャーディング)方法、レプリケーション(高可用性)テクノロジ、分散データベースに最初に用意するデフォルトのチャンク数、シャード・ディレクタの場所と数、分散データベース内のシャードグループ、シャード領域、リージョンおよびシャードの数、および分散データベースへの接続に使用するグローバル・サービスの数で構成されます。

Oracle Database Global Data Servicesのアーキテクチャ

Oracle Globally Distributed Databaseの機能はOracle Database Global Data Servicesの機能に基づいて構築されているため、トポロジを計画するために、Global Data Servicesのアーキテクチャを理解することが役立つ場合があります。Global Data Servicesの概念は、Global Data Servicesの概要を参照してください。

ホストおよびオペレーティング・システムのプロビジョニングと構成

ソフトウェアをインストールする前に、Oracle Globally Distributed Databaseのハードウェア、ネットワークおよびオペレーティング・システムの要件を確認してください。

ホスト・システムの数とサイズ設定

目的とする構成によっては、次のホストも必要になることがあります。

  • シャード・カタログ・ホスト。シャード・カタログ・ホストでは、シャード・カタログとして機能するOracle Databaseを実行します。このデータベースには、少量の分散データベース・トポロジ・メタデータと、アプリケーション用に作成した重複表を格納します。また、シャード・カタログは、分散データベースに対応していないアプリケーションのクロスシャード問合せおよびサービスの接続のためのマルチシャード問合せコーディネータとして機能します。一般に、このデータベースのトランザクション・ワークロードとサイズは、特に大きなものにはなりません。

  • シャード・カタログ・データベースのスタンバイ(レプリカ)。プライマリ・シャード・カタログ・データベースのレプリカまたはスタンバイは、少なくとも1つ以上のホストに格納することをお薦めします。このホストは、プライマリ・カタログ・ホストの障害発生時に必要になります。

    また、このホストは、スタンバイ・データベースとして機能すると同時に、クロスシャード問合せの問合せコーディネータになるように構成することもできます。マルチシャード問合せワークロードのスケーラビリティおよび可用性を向上させるために、読取り専用モードのOracle Active Data Guardスタンバイ・シャード・カタログ・データベースをマルチシャード問合せコーディネータとして機能させることができます。マルチシャード問合せコーディネータの可用性とスケーラビリティを参照してください。

  • シャード・ディレクタ・ホスト。シャード・ディレクタ(グローバル・サービス・マネージャ)ソフトウェアは、個別のホストに配置することも、シャード・カタログと同じホストに配置することもできます。この分散データベース・システムのコンポーネントは、分散データベース構成の監視と構成に使用するネットワーク・リスナーと複数のバックグラウンド・プロセスで構成されます。カタログ・データベースと同じホストに配置する場合、シャード・ディレクタはカタログ・データベースとは別のOracleホームにインストールする必要があります。これは、インストール・パッケージがOracle Databaseに使用するものと異なるためです。

  • 複数のシャード・ディレクタ。高可用性のために、分散データベース・システム内で複数のシャード・ディレクタを実行することをお薦めします。追加のシャード・ディレクタは、専用のホストで実行することも、スタンバイ・シャード・カタログ・データベースを実行するホストで実行することもできます。

  • シャード。前述のホストに加えて、システム内で構成される各シャードは、それぞれ個別のホストで実行することも必要になります。このタスク用に選択したホストとその構成では、一般的なOracle Databaseホストと同じ方法で、それぞれのシャードにかかる負荷に応じたサイズを設定する必要があります。

  • シャード・スタンバイ(レプリカ)。ここでも、高可用性および障害時リカバリのために、Oracle Data Guardおよびすべてのシャード・データ用に作成されたレプリカを使用します。追加のホストは、こうしたレプリカまたはスタンバイ・データベースを実行するために必要になります。

ホストの数と各ホストの容量要件を決定したら、選択した手法を使用して環境に適したハードウェア・リソースをプロビジョニングします。

ノート:

Oracle Globally Distributed Databaseでは、プロキシPDBはサポートされていません。

ハードウェアとオペレーティング・システム

シャードのハードウェア要件とオペレーティング・システム要件は、Oracle Databaseの要件と同じです。これらの要件の詳細は、Oracle Databaseのインストール・ドキュメントを参照してください。

シャード・カタログおよびシャード・ディレクタのハードウェア要件とオペレーティング・システム要件は、グローバル・データ・サービス・カタログおよびグローバル・サービス・マネージャの要件と同じです。これらの要件の詳細は、Oracle Database Global Data Services概要および管理ガイドを参照してください。

ネットワーク

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ポート通信

ソフトウェアをインストールする前に、それぞれのホストが次に示すポートを通じて相互に通信できることを確認します。分散データベース構成は、本質的に分散システムであるため、デプロイ・プロセスの次のステップに進む前に、このホスト間およびホスト全体の接続を確認しておくことが重要です。ポート・アクセスが適切に設定されていないと、今後のコマンドのエラーの原因になります。

  • すべてのシャードがすべてのシャード・ディレクタのリスナーとONSポートに到達できる必要があります。シャード・ディレクタのリスナー・ポートおよびONSポートが、アプリケーション/クライアント層、すべてのシャード、シャード・カタログおよび他のすべてのシャード・ディレクタに対して開かれている必要があります。

    シャード・ディレクタのデフォルトのリスナー・ポートは、1522です。デフォルトのONSポートは、ほとんどのプラットフォームで6123 (ローカルONS)および6234 (リモートONS)です。

  • すべてのシャードがシャード・カタログ(プライマリとスタンバイの両方)のTNSリスナー・ポート(デフォルトは1521)に到達できる必要があります。

  • 各シャードのTNSリスナー・ポートがすべてのシャード・ディレクタおよびシャード・カタログに対して開かれている必要があります。

  • 前述したポート番号のすべては、デプロイメント構成時に変更できます。ただし、使用するポート番号は、ホスト・ソフトウェアの設定前に決定しておく必要があります。

ホスト名の解決

ホスト名の解決は、すべてのシャード・カタログ、シャード、およびシャード・ディレクタ・ホストで成功する必要があります。オペレーティングシステムのコマンド('ping'など)は、分散データベース構成コマンドで提示されたホスト名の指定時に、特定のホストから別のホストに向けて成功する必要があります。

データベース

Oracle Globally Distributed DatabaseをサポートしているOracle Databaseのエディションを確認するには、次を参照してください。

  1. Oracle Database機能およびライセンス・アプリケーション(https://apex.oracle.com/database-features/)。

    「ライセンス」タブを選択し、「オファリング」の下にあるすべてのボックスの選択を解除し、「Oracle Globally Distributed Database」を検索して、サポートされているすべてのエディションのリストを表示します。

  2. 特定のエディションでのOracle Globally Distributed Databaseの使用に関するノートは、『Oracle Databaseライセンス情報ユーザー・マニュアル』Oracle Database製品で許可される機能、オプションおよび管理パックを参照してください。