14.2 ルーティング・エンジンのデプロイ

このトピックでは、ルーティング・エンジンのデプロイの概要を示します。

このトピックのステップを実行する前に、「空間Webサービスのデプロイと構成」の情報を理解し、必要な操作を行っていることを確認してください。

ルーティング・エンジンのデプロイには、次の処理が含まれます。

14.2.1 routeserver.earファイルの解凍

routeserver.ear.zipファイルを解凍するには、次のステップに従います。

これらのステップの例では、次の値が使用されます。

  • WebLogic Serverホーム($WLS_HOME)は/scratch/software/Oracle/Middleware/user_projects/domains/spatial/です。

  • アプリケーション・デプロイメント・ディレクトリは$WLS_HOME/applications/です。

ただし、環境に適した値が異なる場合は、それを使用してください。

  1. routeserver.ear.zipをアプリケーション・デプロイメント・ディレクトリにコピーします。
    cp routeserver.ear.zip $WLS_HOME/applications/
    
  2. routeserver.ear.zipを解凍します。
    cd $WLS_HOME/applications/
    unzip routeserver.ear.zip

14.2.2 ルーティング・エンジンのデプロイのためのweb.xmlファイルの編集

この項では、ルーティング・エンジンを正しくデプロイするために行う必要のある、web.xmlファイル内のパラメータ値の変更について説明します。(ルーティング・エンジンの動作を変更するために変更できる他のパラメータもあります。)

  • container_dsパラメータを、管理対象サーバーに関連付けられているデータ・ソースのJNDI名に変更します。たとえば、JNDI/NorthAmericanDSなどです。

  • routeserver_network_nameパラメータを、ルーティング・エンジンの道路ネットワーク・データに構築されたネットワーク・データ・モデル(NDM)ネットワークの名前に変更します。たとえば、NorthAmericanNetworkなどです

  • WLS管理対象サーバーにワーク・マネージャが関連付けられている場合は、wl-dispatch-policyパラメータ値をワーク・マネージャの名前に変更します。たとえば、NorthAmericanWMなどです

  • geocoder_typeパラメータがhttpclientまたはNoneに設定されていることを確認します。(thinclientはサポートされなくなりました。)

    • httpclientに設定されている場合は、geocoder_http_urlをジオコーダ・サーブレットのURLに設定します。たとえば、http://localhost:8888/geocoder/gcserverなどです。

    • HTTPプロキシが使用されている場合は、geocoder_http_proxy_hostおよびgeocoder_http_proxy_portも指定します。プロキシが存在しない場合、この2つのパラメータは無視できます。

  • 必要に応じて、logfile_nameパラメータ値を変更します。デフォルトでは、logfile_nameパラメータはlog/RouteServer.logに設定されます。このデフォルトの相対パスには、ルーティング・エンジンがインストールされている場所からの相対のlogという名前のサブディレクトリが含まれます。logfile_nameパラメータを/scratch/logs/RouteServer.logなどの絶対パスに設定することもできます。

  • start_timeおよびstart_dateをルート・リクエストに使用する場合、属性date_formattime_formatおよびoutput_time_formatを含めます。date_formatおよびtime_formatは、JavaのSimpleDateFormatでサポートされる書式である必要があります。たとえば、date_formatdd-MMM-yyyyに設定し、time_formatHH:mmに設定するとします。ルート・リクエストのstart_timeは、これらのパラメータで設定された書式に従って解析されます。

  • return_route_timeまたはreturn_subroute_timeをルート・リクエストに使用する場合、output_time_formatをJavaのSimpleDateFormatでサポートされる時間書式に設定します。ルーター・レスポンスの出発時間と到着時間は、output_time_format値に従って書式設定されます。

  • partition_cache_sizeパラメータを変更します。このパラメータのデフォルト値は70ですが、管理対象サーバーのヒープに割り当てられているメモリー量に応じて変更することが必要になる場合があります。次の式を使用して、キャッシュ・サイズに適した開始点を取得できます。

    partition_cache_size = (NodesPerGigabyte/AvgNodesPartition)*UsableMemory

    説明:

    • NodesPerGigabyteは、GB当たりのノード数です。(この値は変更しないでください。2013年12月時点のデータ・セットでは、この値は15,000,000、つまり150万です。)

    • AvgNodesPartitionは、ローカル・パーティション当たりの平均ノード数です。これには、高速道路パーティション0は含まれません。高速道路パーティションのメモリーは、割り当てられたヒープ・サイズから1GBを引いて計算されます。北米データ・セットの場合、AvgNodesPartition値は約26,000です。パーティション当たりの実際の平均ノード数は、次の問合せを使用して確認できます。

      SELECT AVG(COUNT(node_id))
           FROM node 
           WHERE partition_id>0
           GROUP BY partition_id;
      
    • UsableMemoryは、管理対象サーバーが割り当てたギガバイト単位のヒープ・サイズから1GBを引いた値です。

    この式では、partition_cache_sizeパラメータに対して安全な数が生成されます。使用されるユーザー情報のタイプと処理される同時リクエストの平均数によっては、この数値にさらに15%から20%を追加できる場合があります。この数値を変更する前に、WLSコンソールを使用して、ヒープ使用率を監視してください。

    ルーティング・エンジンの実行中にヒープを監視して、この数値を増減できます。ただし、この値を大きく設定しすぎると、管理対象サーバーのメモリーが不足することがあります。

14.2.3 WebLogic Serverへのルーティング・エンジンのデプロイ

ルーティング・エンジンをWebLogic Serverにデプロイするには、「空間Webサービスのデプロイと構成」の「空間WebサービスのWebLogic Serverでのデプロイおよびweb.xmlファイルの編集」のステップに従います。

ルーティング・エンジンがデプロイされた後で、ルーティング・エンジン・テスト問合せのセットでデプロイメントをテストできます。たとえば、管理対象サーバーがポート7003で稼働するように設定されている場合は、ルーティング・エンジン・サーブレットをhttp://localhost:7003/routeserver/からテストできます。

これらの問合せは、様々なタイプのルート・リクエストを実行できます。これらの問合せには北米の住所が含まれますが、住所は他のデータ・セットのWebページで簡単に操作できます。