6.10 座標系サポートでのノートおよび制限事項
今回のリリースのOracle Spatialでは、次のノートおよび制限事項が座標系のサポートに適用されます。
測地データを使用する場合の考慮事項、ガイドラインおよび制限事項については、「測地座標のサポート」を参照してください。
- 演算子およびファンクションでの座標系が異なるジオメトリの使用
- 測地データでサポートされない3D LRSファンクション
- 測地データでの近似処理によってサポートされるファンクション
- unknown CRSおよびNaC座標参照系
親トピック: 座標系(空間参照システム)
6.10.1 演算子およびファンクションでの座標系が異なるジオメトリの使用
入力パラメータとして2つのジオメトリを取る空間演算子(「空間演算子」を参照)では、それらのジオメトリが異なる座標系に基づいている場合、操作が実行される前に、問合せウィンドウ(2つ目のジオメトリ)が1つ目のジオメトリの座標系に変換されます。この変換は、Spatialが実行する一時内部操作であり、格納されたすべての問合せウィンドウ・ジオメトリには影響を及ぼしません。
入力パラメータとして2つのジオメトリを取るSDO_GEOMパッケージ・ジオメトリ・ファンクション(「SDO_GEOMパッケージ(ジオメトリ)」を参照)では、両方のジオメトリが同じ座標系に基づいている必要があります。
親トピック: 座標系サポートでのノートおよび制限事項
6.10.2 測地データでサポートされない3D LRSファンクション
今回のリリースでは、LRSファンクションの3D形式(「LRSファンクションの3D形式」を参照)は測地データでサポートされていません。
親トピック: 座標系サポートでのノートおよび制限事項
6.10.3 測地データでの近似処理によってサポートされるファンクション
今回のリリースでは、次のファンクションが近似処理によって測地データでサポートされています。
これらのファンクションを測地座標を含むデータに対して使用した場合、暗黙的に生成されたローカル交差平面デカルト座標系で内部操作が実行され、その結果が測地座標系に変換されます。SDO_GEOM.SDO_BUFFERでは、生成された円弧が元の形式に戻される前に線セグメントによって近似処理されます。
親トピック: 座標系サポートでのノートおよび制限事項
6.10.4 unknown CRSおよびNaC座標参照系
次の座標参照系は、Oracle内部と特殊用途で使用するためのものです。
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unknown CRS
(SRID 999999)は、座標系が不明であることを意味し、その空間は測地の場合もデカルトの場合もあります。NULL座標参照系は、これとは異なり、デカルト空間を持つ不明な座標系を示します。 -
NaC
(SRID 999998)は、Not-a-CRS (非CRS)を意味します。この名前は、JavaのNaN
(Not-a-Number、非数値)を参考にして名付けられました。これは、非空間ジオメトリで使用することを意図しています。
次の制限は、unknown CRS
およびNaC
座標参照系をベースとするジオメトリに適用されます。
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これらのジオメトリに対して座標系変換を実行することはできません。
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座標系を必要とする操作をこれらのジオメトリに対して実行すると、NULL値が戻ります。このような操作には、ジオメトリの面積または外周の取得、バッファの作成、円弧の稠密化、集計重心の計算などがあります。
親トピック: 座標系サポートでのノートおよび制限事項