5.11 ユーザー・ドメインに割り当てられたメモリーの変更

次の手順では、ユーザー・ドメインに割り当てられたメモリーを変更する方法について説明します。

ノート:

この手順では、ユーザー・ドメインを再起動する必要があります。メモリー割当てを変更する場合、xm mem-setコマンドはサポートされていません。

  1. ユーザーが使用するメモリーの量を減らす場合は、Oracle Databaseのメモリー使用量とオペレーティング・システムのヒュージ・ページの構成設定を確認して調整する必要があります。
    1. データベースのSGAサイズを確認し、そのサイズを必要に応じて縮小します。

      ユーザー・ドメインで実行しているデータベースのメモリー要件を最初に減らしていないと、そのユーザー・ドメインは、Oracle Linuxオペレーティング・システムを起動しようとしたときにヒュージ・ページ用に過剰なメモリーを確保しているため、再起動に失敗することがあります。詳細は、My Oracle SupportのドキュメントID 361468.1を参照してください。

    2. オペレーティング・システム構成を確認して、ヒュージ・ページのメモリー割当てを必要に応じて減らします。
    3. オペレーティング・システムのカーネル構成ファイル(/etc/sysctl.conf)でヒュージ・ページの設定を変更する場合は、initramfsファイルを再生成することでシステム構成の変更を反映します。

      既存のinitramfsファイルをバックアップしてから、dracutコマンドを使用してファイルを再生成する必要があります。次に例を示します:

      # ls -l /boot/initramfs-$(uname -r).img
      -rw------- 1 root root 55845440 Jan  8 10:34 /boot/initramfs-4.14.35-2047.508.3.3.el7uek.x86_64.img
      
      # cp /boot/initramfs-$(uname -r).img backup_directory
      
      # dracut --force
  2. 管理ドメイン(dom0)に接続します。

    この手順の残りの部分は、管理ドメイン内で実行します。

  3. 次のコマンドを使用して、割当てを増やす場合に使用できる空きメモリーの量を判別します。
    # xm info | grep free_memory

    ノート:

    空きメモリーをユーザー・ドメインに割り当てる場合、空きメモリーの約1から2パーセントがメタデータおよび制御構造で使用されます。つまり、増加可能なメモリーの量は、空メモリーの値の1から2パーセント未満です。

  4. xm listコマンドで取得した名前を使用して、ユーザー・ドメインを正常にシャットダウンします。-wオプションを使用すると、ドメインがシャットダウンするまで待機してからxmコマンドが戻ります。
    # xm shutdown DomainName -w

    上記のコマンドで、DomainNameはドメインの名前です。

  5. /EXAVMIMAGES/GuestImages/DomainName/vm.cfgファイルのバックアップ・コピーを作成します。
  6. /EXAVMIMAGES/GuestImages/DomainName/vm.cfgファイルのmemory設定およびmaxmem設定を、テキスト・エディタを使用して編集します。memory設定およびmaxmem設定の値は、同一です。

    ノート:

    メモリーおよびmaxmemパラメータの値が同一でない場合、ユーザー・ドメインの起動でInfiniBandネットワーク・インタフェースが構成されないため、Oracle CRSおよびデータベースが正常に起動しません。

  7. 次のコマンドを使用して、ユーザー・ドメインを起動します。
    # xm create /EXAVMIMAGES/GuestImages/DomainName/vm.cfg

    ノート:

    Oracle Linux起動メッセージをユーザー・ドメイン起動中に表示する場合は、起動中に-cオプションを使用してコンソールに接続します。起動が終了したら、CTRL+]を押してコンソールの接続を解除します。