6.3.2.4 XRMEMキャッシュを監視する際の注意事項

データベース・ワーキング・セット

データベース・ワーキング・セット全体がXRMEMキャッシュに収まる場合、パフォーマンスが最大化されます。ただし、XRMEMキャッシュExadataスマート・フラッシュ・キャッシュより小さく、データベース・ワーキング・セット、またはその中で最も頻繁にアクセスされる部分であってもXRMEMキャッシュに存在しない可能性があります。

ワーキング・セットのサイズの増大に伴い、XRMEMキャッシュではなく、Exadataスマート・フラッシュ・キャッシュまたはハード・ディスクによって対応される読取りの増加が観測される場合があります。これは、データのアクセス・パターンがよりランダムな場合に増えます。したがって、特にcell single block physical read待機イベントで読取りレイテンシの増加が観測される場合があります。

非RDMA読取り

XRMEMキャッシュは、RDMAとともに使用すると最も効果的です。ただし、それでも、様々な状況において、cellsrvへのリクエストがXRMEMキャッシュを使用して対応される場合があります。このような場合、関連付けられた読取りは、cell RDMA readsではなくcell xrmem cache read hitsとして表示されます。

非RDMA読取りは、次の理由で発生することがあります。

  • 読み取られるデータのタイプによっては、Oracle DatabaseがRDMA読取りを実行できない場合があります。この例として、直接読取りおよびOracle Database制御ファイルからの読取りがあります。原因を特定するには、他の統計または待機イベントと相互に関連付ける必要がある場合があります。たとえば、制御ファイルに対する重要なアクティビティは、通常、control file sequential read待機イベントが伴うか、AWRレポートのファイル・タイプ別のIOStatセクションに示されます。
  • Oracle Databaseクライアントで、バッファがRDMAに登録されていない可能性があります。これは通常、クライアント・プロセスの開始直後またはXRMEMキャッシュへの移入中に発生します。
  • XRMEMキャッシュ内で、RDMAハッシュ表に必要なメタデータが含まれていない可能性があります(または無効としてマークされている可能性があります)。これは通常、XRMEMキャッシュへの移入中に発生します。
  • RDMA読取りは、デフォルトのリース時間(20ミリ秒)を超えるとタイムアウトします。
  • メモリーの制限により、RDMAに必要なメモリー構造を作成できない場合。
  • RDMA読取りエラーが発生した場合。