5.2.3.2 shareベースのリソース管理の使用

share値は、各エンティティの相対的な重要度を表します。

shareベースのリソース割当てでは、share値が高いほど、優先度が高くなり、I/Oリソースへのアクセスが強化されます。たとえば、share値が2のデータベースは、share値が1のデータベースのリソース割当ての2倍になります。

有効なshare値は1から32 (1は最下位のshare、32は最上位のshare)です。プランのすべてのshare値の合計は32768より大きくできません。

データベース間プラン(dbplan)には、shareベースのリソース割当てをお薦めします。クラスタ・プラン(clusterplan)では、shareベースのリソース割当てが唯一のオプションです。

次の例は、データベース間プランでshareベースのリソース管理を使用する方法を示しています。同じOracle Exadata Storage Serverリソースを共有する4つのデータベースについて考えてみます。4つのデータベースは次のとおりです。

  • PRODという名前のクリティカルなOLTP本番環境用データベース
  • PROD_TESTという名前のテスト用データベース
  • PROD_DEVという名前の開発用データベース
  • DWという名前のデータ・ウェアハウス用データベース

OLTP本番環境用データベースでは、一般的に小さいI/Oリクエストが発行されます。これらのリクエストのレイテンシが短いことは重要な要件です。データ・ウェアハウスでは、多数の大きいI/Oリクエストが発行されるので、各I/OリクエストのレイテンシよりもI/Oスループットが重要になります。I/Oリソース管理を使用しないと、DWデータベースで発行されるI/Oリクエストの数がストレージ・サブシステムの容量を超えてしまい、PRODデータベースで発行されるI/Oリクエストのレイテンシが増加します。また、テスト用データベース(PROD_TEST)および開発用データベース(PROD_DEV)で発行されるI/Oリクエストにより、PRODデータベースおよびDWデータベースのパフォーマンスが影響を受ける可能性があります。

I/Oリソースの適切な分散を確保するために、次のようにshareベースのデータベース間プランを定義できます。

CellCLI> ALTER IORMPLAN                                    -
         dbplan=((name=prod, share=16),                    -
                 (name=dw, share=4),                       -
                 (name=prod_test, share=2),                -
                 (name=DEFAULT, share=1))

データベース間プランの例を使用すると、I/Oリソースの競合が発生した場合はクリティカルなOLTPデータベース(PROD)が優先されます。具体的には、PRODのI/O shareは、DWの4倍、PROD_TESTの8倍、およびPROD_DEVに割り当てられたデフォルトのshareの16倍です。

いつでもshare割当てを変更して、相対的な優先度を調整できます。