5.2.3.3 allocationベースのリソース管理の使用

IORMでは、allocation値でリソース割当てをパーセンテージ(0から100)で指定します。

allocationベースのリソース管理では、各allocationがlevelに関連付けられます。有効なlevel値は1から8で、allocation値の合計は、各levelで100を超えることはできません。最初にリソースがlevel1に割り当てられ、次に残りのリソースがlevel2に割り当てられます。

推奨されませんが、allocationベースのリソース管理はデータベース間プラン(dbplan)で使用できます。カテゴリ・プラン(catplan)では、allocationベースのリソース管理が唯一のオプションです。

次の例は、データベース間プランでallocationベースのリソース管理を使用する方法を示しています。同じOracle Exadata Storage Serverリソースを共有する4つのデータベースについて考えてみます。4つのデータベースは次のとおりです。

  • PRODという名前のクリティカルなOLTP本番環境用データベース
  • PROD_TESTという名前のテスト用データベース
  • PROD_DEVという名前の開発用データベース
  • DWという名前のデータ・ウェアハウス用データベース

OLTP本番環境用データベースでは、一般的に小さいI/Oリクエストが発行されます。これらのリクエストのレイテンシが短いことは重要な要件です。データ・ウェアハウスでは、多数の大きいI/Oリクエストが発行されるので、各I/OリクエストのレイテンシよりもI/Oスループットが重要になります。I/Oリソース管理を使用しないと、DWデータベースで発行されるI/Oリクエストの数がストレージ・サブシステムの容量を超えてしまい、PRODデータベースで発行されるI/Oリクエストのレイテンシが増加します。また、テスト用データベース(PROD_TEST)および開発用データベース(PROD_DEV)で発行されるI/Oリクエストにより、PRODデータベースおよびDWデータベースのパフォーマンスが影響を受ける可能性があります。

I/Oリソースの適切な分散を確保するために、次のようにallocationベースのデータベース間プランを定義できます。

CellCLI> ALTER IORMPLAN                                       -
         dbPlan=((name=prod, level=1,allocation=80),          -
                 (name=dw, level=2, allocation=80),           -
                 (name=prod_test,  level=3, allocation=50),   -
                 (name=prod_dev, level=3, allocation=40),     -
                 (name=OTHER, level=3, allocation=10))

データベース間プランの例を使用すると、次のようになります。

  • クリティカルなOLTPデータベース(PROD)では、I/Oリソースの競合期間中にI/Oリソースの80%が保証されます。
  • DWデータベースには、残りの未使用のI/Oの80%を割り当てます。
  • 最後に、PROD_TESTおよびPROD_DEVデータベースには、未使用のI/Oの50%および40%をそれぞれ割り当てます。また、この例では、10%のallocationが、プランに明示的にリストされていないOTHERデータベース用に予約されています。

いつでもallocationを変更して、リソース割当てを調整できます。