5.2.3.8 XRMEMキャッシュ属性の使用

IORMプランでXRMEMキャッシュ属性を使用して、Exadata RDMAメモリー・キャッシュ(XRMEMキャッシュ)での領域割当てを保証できます。

IORMでは、XRMEMキャッシュ属性を使用することで、重要なデータベース用の領域を確保しながら、重要性の低いエンティティや不正なエンティティによってXRMEMキャッシュ全体が使用されないようにできます。これらの属性は、データベース間プランでのみ指定でき、CellCLIユーティリティを使用して構成されます。

次の属性を使用して、XRMEMキャッシュ・リソースの制限を設定できます。強い制限は、メモリー・キャッシュがフルでない場合でも、データベースがその割当て制限を超過できないことを意味します。弱い制限は、使用可能なリソースがある場合に、指定された制限を超過できることを意味します。

  • xrmemCacheMin — ブロックがコールド状態であっても指定されたデータベースに対して保証される、XRMEMキャッシュ領域の最小容量を指定します。これは強い制限です。

    xrmemCacheMinは保証付き予約であるため、すべてのディレクティブのxrmemCacheMinの合計は、各データベースがそれぞれの割当てを取得するように、XRMEMキャッシュのサイズより小さくする必要があります。

  • xrmemCacheLimit — データベースで使用できるXRMEMキャッシュ領域の弱い最大容量を指定します。XRMEMキャッシュがフルでない場合、データベースはxrmemCacheLimit値を超過できます。
  • xrmemCacheSize — データベースで使用できるXRMEMキャッシュ領域の強い最大容量を指定します。xrmemCacheSize値を超えることはできません。

    ただし、xrmemCacheSizeを、データベースが使用している現在の領域よりも小さい値に設定した場合、超過分のデータがキャッシュから事前に消去されます。

    すべてのディレクティブでxrmemCacheSizeの合計がXRMEMキャッシュのサイズより大きい場合、xrmemCacheSizeは保証された予約ではありません。この場合、xrmemCacheMinを指定して、保証付きの最小割当て制限を定義することもできます。

    ノート:

    Exadata X8MおよびX9Mストレージ・サーバー・モデルでのみ、xrmemのかわりにpmemで始まる属性名を同じ意味で使用できます。たとえば、xrmemCacheMinのかわりにpmemCacheMinです。ただし、IORMプランにPMEM属性とXRMEM属性を混在させることはできません。

例5-12 XRMEMキャッシュ属性を使用したデータベース間プランの構成

この例は、XRMEMキャッシュ属性を使用してデータベース間プランを作成する方法を示しています。

この例では、salesデータベースとtestデータベースでxrmemCacheSizeパラメータを使用することにより、XRMEMキャッシュの領域容量が割り当てられます。ただし、XRMEMキャッシュに空き領域がある場合でも、データベースは指定した割当てを超過できません。

fincデータベースおよびdevデータベースは、xrmemCacheMinを使用することにより最小割当て制限が保証されます。また、これらのデータベースは、XRMEMキャッシュに空き領域がある場合は、指定したxrmemCacheLimitサイズを超過することもできます。

このプランの例には、様々なフラッシュ・キャッシュ属性も含まれています。

ALTER IORMPLAN dbplan=                                                                             -
((name=sales, share=8, xrmemCacheSize=2G, flashCacheSize=10G),                                     -
(name=finc, share=8, xrmemCacheMin=1G, xrmemCacheLimit=2G, flashCacheLimit=10G, flashCacheMin=2G), -
(name=dev, share=2, xrmemCacheMin=500M, xrmemCacheLimit=1G, flashCacheLimit=4G, flashCacheMin=1G), -
(name=test, share=1, limit=10, xrmemCacheSize=200M))