5.1.3.5 IORMプランでのXRMEMキャッシュ管理について
I/Oリソース管理(IORM)では、Exadata RDMAメモリー・キャッシュ(XRMEMキャッシュ)の領域を保証することで、予測可能なパフォーマンスを実現できます。
複数のデータベースが使用されており、プラガブル・データベース(PDB)によって記憶域が共有されている場合、XRMEMキャッシュ領域は、管理が必要なクリティカルなリソースになります。IORMにより、重要なデータベースまたはPDB用の領域を確保しながら、重要性の低いエンティティや不正なエンティティによってXRMEMキャッシュ全体が使用されないようにできます。
データベース間プランで次の属性を使用すると、XRMEMキャッシュ・リソースに制限を設定できます。強い制限は、キャッシュがフルでない場合でも、指定された制限を超過できないことを意味します。弱い制限は、使用可能なリソースがある場合に、指定された制限を超過できることを意味します。
-
xrmemCacheMin
— ブロックがコールド状態であっても指定されたデータベースに対して保証される、XRMEMキャッシュ領域の最小容量を指定します。これは強い制限です。xrmemCacheMin
は保証付き予約であるため、すべてのディレクティブのxrmemCacheMin
の合計は、各データベースがそれぞれの割当てを取得するように、XRMEMキャッシュのサイズより小さくする必要があります。 xrmemCacheLimit
— データベースで使用できるXRMEMキャッシュ領域の弱い最大容量を指定します。XRMEMキャッシュがフルでない場合、データベースはxrmemCacheLimit
値を超過できます。-
xrmemCacheSize
— データベースで使用できるXRMEMキャッシュ領域の強い最大容量を指定します。xrmemCacheSize
値を超えることはできません。ただし、
xrmemCacheSize
を、データベースが使用している現在の領域よりも小さい値に設定した場合、超過分のデータがキャッシュから事前に消去されます。すべてのディレクティブで
xrmemCacheSize
の合計がXRMEMキャッシュのサイズより大きい場合、xrmemCacheSize
は保証された予約ではありません。この場合、xrmemCacheMin
を指定して、保証付きの最小割当て制限を定義することもできます。ノート:
Exadata X8MおよびX9Mストレージ・サーバー・モデルでのみ、
xrmem
のかわりにpmem
で始まる属性名を同じ意味で使用できます。たとえば、xrmemCacheMin
のかわりにpmemCacheMin
です。ただし、IORMプランにPMEM属性とXRMEM属性を混在させることはできません。
各データベース内で、memory_min
ディレクティブおよびmemory_limit
ディレクティブを使用して、コンテナ・データベース(CDB)リソース・プランで、Oracle Database Resource ManagerによりPDBの最小割当て制限および最大割当て制限を管理できます。
データベース間IORMプラン・ディレクティブのキャッシュ制限は、対応するCDBプランの設定を制約します。したがって、データベース間IORMプラン・ディレクティブでデータベースのxrmemCacheMin
およびxrmemCacheSize
設定が指定されている場合、CDBプランでPDB固有のmemory_min
割当て制限はxrmemCacheMin
設定の一部になり、PDB固有のmemory_limit
値はxrmemCacheSize
の一部になります。
ただし、データベース間IORMプラン・ディレクティブでxrmemCacheMin
を指定せずにxrmemCacheSize
が指定されている場合、PDB固有のmemory_min
設定は無視されますが、memory_limit
設定は引き続きxrmemCacheSize
の一部になります。
親トピック: データベース間のリソース管理について