AHFリリース24.4

Oracle Database 23aiの可用性およびパフォーマンスを初日から維持

AHFは、Oracle Database 23aiに組み込まれ、完全に統合されています。

オラクル社はDatabase 23aiの一般提供を発表し、次の3つの主要分野に焦点を当てています:

  • データのためのAI
  • データのための開発
  • データのためのミッション・クリティカル

Oracle Autonomous Health Frameworkは、追加設定なしにOracle Database 23aiと完全に統合されており、組み込まれています。Oracle Database 23aiの最初のバージョンにはAHF 24.2が同梱されており、今後のリリース更新(RU)ごとに新しいAHFリリースが組み込まれます。

AHFインサイトを使用して、次を実行します:

  • Oracle Database 23aiのヘルス・チェックを事前に表示し、ベスト・プラクティス構成からの逸脱がないか確認して解決策を推奨します
  • Oracle Database 23aiシステムを俯瞰します
  • AIによる異常検出およびタイムライン分析を含むOracle Database 23ai診断を確認します

Oracle Database 23aiの詳細は、Oracle Database 23ai Freeを参照してください。

ノード除去の検出および解決

AHFインサイトには、ノード除去に関する問題のサマリーが1ページにまとめられ、検出されたノードの再起動、原因、証拠および解決のステップが示されるようになりました。

ノード除去は、Oracle Grid Infrastructure (GI)で最も問題となる問題の1つです。サービス・パフォーマンスに大きな影響を与える可能性があり、以前は解決が困難で、多くの場合、診断にはOracleサポートとの長いやり取りが必要になりました。

AHFでは、ノード除去が自動的に検出され、AHFインサイト・レポートを含む診断収集が生成されるようになりました。

インサイト・レポートでは問題のサマリーが単一ページにまとめられ、AHFコンポーネントからのすべてのデータを集めて、何が起こったのか、今後それを回避するにはどうすればよいかを簡単かつ簡潔に示します。

検出されたノード除去は、「Insights」ダッシュボード「Problems」パネルに表示されます。そこから、特定のノード除去にドリルダウンできます。

このページには、次を含む「Problem Summary」が表示されます:

  • Problem – 再起動されたノードと、その時点が含まれます。
  • Reason – ノードが再起動された理由を説明します。
  • Cause – 根本原因を説明します。
  • Evidence – イベントに至るまで通常の範囲外だった関連するオペレーティング・システムおよびデータベース・リソース・メトリックの詳細を示す箇条書きリストの監査証跡を提供します。
  • Resolution Steps – 問題を解決する方法の詳細を簡潔に示します。

「Evidence」は展開可能で、証拠を確認するためのチャートやログの詳細が表示されます。

このリリースでは、HugePagesによる割当て超過が原因で発生したノード除去を検出できます。今後のリリースでは、他のノード除去の原因を特定するように引き続き拡張されます。

AHFインサイト・レポートは、次を実行してオンデマンドで生成することもできます:
ahf analysis create --type insights

関連トピック

AHFをダウングレードする機能

AHFでは、6か月以内であるかぎり、以前にアップグレードした最後のバージョンへのダウングレードがサポートされるようになりました。

AHFは、Grid Infrastructure (同様にダウングレードをサポート)とともにインストールされますが、GIのダウングレード後、GI PythonとJDKの依存関係が壊れているためにAHFが使用できなくなっていました。

また、GIの外部でAHFインストールを実行した顧客は、構成およびイベント・データを失わずにダウングレードすることができませんでした。

これは、AHFインストーラがシステム上でより新しいバージョンを検出した場合、新しいインストールが阻止されるためです。顧客は現在のバージョンをアンインストールし、古いバージョンを再インストールする必要がありましたが、構成またはイベント・データは、保持する方法がなかったために失われました。

AHFでは、6か月以内の場合は、以前にアップグレードした最後のバージョンへのダウングレードがサポートされるようになりました。24.4は、ダウングレード先にできる最初のバージョンです。

ダウングレード・プロセス中、AHFは次を実行します:

  1. インストール済のバージョンから構成およびイベント・データをエクスポートします。
  2. インストール済のバイナリを削除します。
  3. 古いバイナリをインストールします。
  4. エクスポート済の構成およびイベント・データをインポートします。
ダウングレードを実行するには:
  1. 次を実行して、適格なダウングレード・ターゲット・バージョンを見つけます:
    ahf software get-downgrade-target [--version] [–location]
  2. 次を実行してAHFインストーラを検証します:
    ahf software validate-downgrade-installer --installer <installer file>
  3. ダウングレード・ターゲットのAHFインストーラを使用して、次のコマンドを実行します:
    ahf_setup -downgrade

以前のバージョンからAHFインストーラにアクセスできない場合は、Oracleサポートに連絡して入手してください。

データベース異常の自動診断収集

AHFは、特定のデータベース・パフォーマンス異常を検出するたびに診断収集を自動的に収集するように構成できるようになりました。

多くの場合、データベース・パフォーマンス異常がレポートされる頃には、重要なリアルタイム診断データを取得するには遅すぎる可能性があります。

AHFでは、次のデータベース異常を検出し、自動診断収集をトリガーできるようになりました。

  • 制御ファイルのエンキューのハング
  • ログ・ファイルの同期のハング

結果として得られる収集には、Oracleサポートが最初の障害から問題の解決を支援するために必要なすべてのリアルタイム・データが含まれます。

異常収集の自動実行を有効にするには:
tfactl set chaAutoCollect=<on|off> -c

AHFインサイト・レポートの生成の高速化

インサイト・レポートの生成は、以前のリリースの2倍高速になるように最適化されています。

顧客はAHFインサイトを利用して、システム全体を俯瞰します。これは、問題を特定し、根本原因を掘り下げ、解決方法を理解するのに役立ちます。

インサイト・レポートの生成が最適化され、大幅に高速化されました。内部テストでは、AHFインサイトがレポートを生成する速度が以前のリリースの2倍になったことが示されています。AHFインサイトは、AHF診断収集に自動的に含まれます。次のコマンドを使用してオンデマンドで生成することもできます:
ahf analysis create --type insights

生成されたzipをブラウザに対応しているシステムに転送し、解凍してindex.htmlを開きます。

関連トピック

インサイトのアクセシビリティの改善

AHFインサイト、ホーム・ボタン、ナビゲーションおよびドロワーに対するアクセシビリティが改善されています。

アクセシビリティとは、能力や障害に関係なく、すべての人が利用できるデジタル製品や環境の設計および実装を指します。これには、障害を持つ人々がデジタル・コンテンツやインターフェイスを効果的に認識、理解、ナビゲート、対話できるようにすることが含まれます。

ユーザーに最もアクセスしやすいエクスペリエンスを提供するための取り組みの一環として、24.4では次のアクセシビリティ機能を導入することになりました。

アクセス可能な「Home」ボタン

「Home」タブが改良され、特にスクリーン・リーダーを使用しているユーザーに使いやすくなりました。これで、タブとまったく同じように動作するようになり、ボタンとしての以前の動作による混乱がなくなりました。

アクセス可能なナビゲーション:

インサイトのアクセシビリティの改善に続いて、これはインサイトの残りの部分にも反映されるようになりました。

古いページ区切りコンポーネントがスマートで新しいスクロール・バーに置き換り、フォーカスを失うことなくコンテンツ内をナビゲートしやすくなりました。新しいスクロール・バーにより、特にスクリーン・リーダーを使用するユーザーにとって、シームレスなブラウジング・エクスペリエンスが確保されます。

新しいスクロールバーを含むすべてのセクションは、次のとおりです:

  • CLUSTER
  • RECOMMENDED SOFTWARE
  • DATABASES
  • RPM LIST
  • DB PARAMETERS
  • KERNEL PARAMS
  • SPACE ANALYSIS

ドロワーの導入:

インサイトでは、行を展開するかわりにドロワーを使用するようになりました。スクリーン・リーダーの組込みサポートでアクセシビリティを強化するだけでなく、新しいドロワーにより、ページの外観がより合理化されます。

このリリースでドロワーを使用するセクションは、次のとおりです:

  • PATCH ANALYSIS
  • DATABASES

AHFインサイトを開始するには、ahf analysis create --type insightsを実行し、生成されたzipファイルでindex.htmlを開きます。

AHFを使用したORA-04030の診断および解決

Oracle Databaseでは、AHFを使用してORA-04030エラーを診断および解決する方法を示す新しいAHF修正フローの記事およびビデオが公開されています。

エラー「ORA-04030: out of process memory when trying to allocate bytes」は、Oracleプロセスがオペレーティング・システム・メモリーを使い果たした場合に発生します。

このエラーは、次のいずれかが原因で発生します:

  • マシンの全物理メモリーの不足
  • プログラム・グローバル領域(PGA)内の指定された領域の不足

AHFチームは、AHFを使用してこのエラーの診断収集を収集する方法を示す新しい修正フローの記事を作成しています。記事では、エラーが発生した理由を説明し、AHFを使用して診断収集を取得するための段階を追ったガイダンスを示し、その後、それを使用して解決策を見つけるか、Oracleサポートからさらにサポートを受ける方法を説明します。

ORA-04030の詳細を一読してください。

AHFがデータベースの問題の解決にどのように役立つかの詳細は、「データベースの問題の解決」のユーザー・ガイドを参照してください。

Oracle OrachkおよびOracle Exachkの新しいベスト・プラクティス・チェック

リリース24.4には、Oracle OrachkおよびOracle Exachkの次の新しいベスト・プラクティス・チェックが組み込まれています。

Oracle OrachkOracle Exachkの両方に共通するベスト・プラクティス・チェック

  • ORACLE_HOMEに廃止されたパッチがインストールされていないことを確認します。
  • 統合監査証跡専用の表領域

すべてのチェックの詳細は、次のヘルス・チェック・カタログを参照してください: