5.4 ahf analysis

ahf analysisコマンドを使用して、AHFインサイトおよびAHFバランス・レポートを生成します。

AHF 24.11

AHFバランスでは、パフォーマンス・チューニングの推奨事項に含まれるデータベースの数を制限できるようになりました。これにより、段階的な構成変更を実装しやすくなり、膨大な変更管理プロセスを必要とせずにパフォーマンスが向上します。

AHFバランスを使用したAIによるチューニング

AHFバランスは、AIを使用してデータベースのCPU_COUNTに関するチューニングの推奨事項を提供します。データベース管理者(DBA)、クラスタ管理者およびフリート管理者は、これらの推奨事項を活用して、ハードウェア使用率を最大化しながらデータベース・パフォーマンスを最適化できます。

チューニング推奨事項の柔軟性の向上

以前は、AHFバランスでは、クラスタ内のすべてのデータベースがCPU_COUNT調整の候補とみなされていました。これにより、多くの場合、50以上のデータベースでCPU_COUNTを変更する推奨事項が作成され、このような大規模な変更を同時に実装するという課題が生じました。

新しい--limit-db-changesオプションを使用すると、AHFバランスで、チューニングの推奨事項に含まれるデータベースの数を制限することで、パフォーマンスを増分的に向上されることが可能になります。これにより、管理者は、管理可能なステージで一連のチューニングを繰り返して変更を加えることができます。

ノート:

--type impactオプションを指定してahf analysisコマンドを実行する前に、最初に構成コマンドahf configuration set --type impact --user-name USER_NAME --connect-string CONNECT-STRINGを実行してください。

このステップは、分析を実行する前に必要な接続詳細を設定するために必要です。

コマンドの使用例
  • フリート分析:
    フリートの分析を実行し、クラスタ間でデータベース変更の数を制限するには、次のコマンドを使用します:
    ahf analysis create --type impact --scope fleet --name <fleet-name> --limit-db-changes <positive-integer-number-of-databases>
  • クラスタ分析:
    特定のクラスタの分析を実行し、データベース変更の数を制限するには、次のコマンドを使用します:
    ahf analysis create --type impact --scope cluster --name <cluster-name> --limit-db-changes <positive-integer-number-of-databases>
  • クラスタ内のデータベース分析:
    クラスタ内の特定のデータベースの分析を実行するには、次のコマンドを使用します:
    ahf analysis create --type impact --scope database --name <db-name> --cluster <cluster-name> --limit-db-changes <positive-integer-number-of-databases>

データベースの変更を制限することで、AHFバランスによって、パフォーマンス・チューニングに対するより制御された効率的なアプローチが提供され、よりスムーズな実装と改善された結果が実現されます。

AHF 23.8

AHF 23.8以降では、オブジェクト・ストアがAHFの一部として構成されている場合に、AHFインサイト・レポートを自動的にアップロードできます。AHFインサイト・レポートをアップロードすると、Oracle Cloud Operationsでベスト・プラクティス構成におけるシステム・ヘルス問題点および相違点を迅速かつ効率的に特定、調査、追跡および解決するために役立ちます。

Oracle Autonomous Database on Dedicated Exadata InfrastructureおよびOracle SaaS

RESTエンドポイント(オブジェクト・ストア)を設定するには、次を実行します。
ahfctl setupload -name oss -type https -user <user> -url <object_store> -password
AHFインサイト・レポートをオブジェクト・ストアにアップロードするには、次を実行します。
ahf analysis create --type insights
.

ahf analysis create

ahf analysis create [-h] [--type {insights|impact}] [[--last n{m|h} [--refresh] | --for DATETIME | --from DATETIME --to DATETIME] [--tag TAGNAME] | [--scope SCOPE --name NAME --cluster CLUSTER --clusters CLUSTER_LIST]][--output-file PATH] [--to-json]

構文: AHFバランス

ahf analysis create [-h] --type impact --scope [fleet|cluster|database] [--cluster CLUSTER_NAME] [--clusters space-delimited list of clusters
] [--em-group] --name NAME

パラメータ

表5-1 ahf analysis create --type impactコマンドのパラメータ

パラメータ 説明

-h, --help

このヘルプを表示して終了します。

--type impact

生成するレポートのタイプを指定します。

--scope [fleet|cluster|database]

AHFバランス・レポート(フリート・レポート、クラスタ・レポートおよびデータベース・レポート)を生成するように指定します。

影響分析を作成するには、--scopeおよび--nameオプションを指定します。

データベースの影響の分析には、--clusterオプションが必要です。

--output-file PATH

指定された場所に出力ファイルを作成するように指定します。

--clusters clu1 clu2 clu3

フリート・スコープに含めるクラスタのスペース区切りリストを指定します。

--name NAME

レポートするフリート、EMグループ、クラスタまたはデータベースの名前を指定します。

ノート:

フリートの名前には、MyFleetなど、任意の名前を指定できます。レポートにラベルを付けるためにのみ使用されます。

--em-group

EMグループ名を指定します。

ノート:

このオプションは、--clustersオプションとは相互に排他的であり、--scope fleetオプションとともに使用する必要があります。
たとえば:
ahf analysis create --type impact --scope fleet --name <em-group-name> --em-group

--user-name USER_NAME

Oracle Enterprise Managerリポジトリのユーザー名を指定します。

ノート:

AHFバランスが構成されている場合は必要ありません。詳細は、「ahf configuration」を参照してください。

--connect-string CONNECT_STRING

Oracle Enterprise Managerリポジトリの接続文字列を指定します。

ノート:

AHFバランスが構成されている場合は必要ありません。詳細は、「ahf configuration」を参照してください。

--limit-db-changes DB_CHANGE_LIMIT

推奨されるデータベース変更の数を制限します。

構文: AHFインサイト

ahf analysis create [-h] --type insights [--last n{m|h} | --for DATETIME | --from DATETIME --to DATETIME] [--refresh] [--tag TAGNAME
]

パラメータ

表5-2 ahf analysis create --type insightsコマンドのパラメータ

パラメータ 説明

-h, --help

このヘルプを表示して終了します。

--type insights

生成するレポートのタイプを指定します。

--last n{m|h}

過去の分数(m)または時間数(h)のデータを分析するには、--lastパラメータを指定します。

--lastを12時間より長くはできません。

--for <DATETIME>

指定したタイムスタンプの前後2時間のデータを分析するには、--forパラメータを指定します。

サポートされている時間書式は次のとおりです。
"YYYY-MM-DDTHH:MM:SS"
"YYYY-MM-DD HH:MM:SS"

--from <DATETIME>

--to <DATETIME>

特定の時間間隔のデータを分析するには、--fromパラメータと--toパラメータを指定します(これらの2つのパラメータは一緒に使用する必要があります)。

サポートされている時間書式は次のとおりです。
"YYYY-MM-DDTHH:MM:SS"
"YYYY-MM-DD HH:MM:SS"
"YYYY-MM-DD"

開始時間と終了時間の差は4時間を超えることはできません。

--refresh

AHFインサイト・ソースから新規データを提供します。

AHFインサイト・ソースから新規データを提供するには、--refreshを単独で、または--lastとともに指定します。

--include-cell-data

セルのデータをAHFインサイト・ソースに含めるように指定します。

--tag TAGNAME

リポジトリ内のTAGNAMEディレクトリにファイルを収集するように指定します。

構文: ahf analysis explore

ahf analysis explore [-h] [--with scope] [--from-file FILE]

ノート:

Oracle Database 23ai以降、ahf analysis explore --with scopeコマンドはサポートされなくなりました。GIMRの詳細は、「問題の根本原因の分析」を参照してください。

パラメータ

表5-3 ahf analysis exploreコマンドのパラメータ

パラメータ 説明

-h, --help

このヘルプを表示して終了します。

--from-file FILE

ファイルから読み取るように指定します。

ファイル拡張子を指定しない場合、AHFスコープはファイル拡張子として.mdbを想定します。

例5-2 AHFインサイト分析の使用例

特定の期間の分析を作成するには、[--last | --for | --from --to]を指定します。許容される最大時間間隔は4時間です。

AHFインサイト・ソースから新規データを提供するには、[--refresh]を単独で、または[--last]とともに指定します。

  • 過去3時間に収集されたデータから分析レポートを作成します。
    ahf analysis create --type insights --last 3h
  • 指定したタイムスタンプを中心とした2時間の分析を作成します。
    ahf analysis create --type insights --for 2022-10-10T14:00:00
  • 指定した時間範囲の分析を作成します。
    ahf analysis create --type insights --from 2022-10-10T14:00:00 --to 2022-10-10T15:30:00
  • タイムゾーンを指定して分析を作成します。
    ahf analysis create --type insights --from 2022-10-10T14:00:00 --to 2022-10-11T13:30:00
  • 最新のデータを使用して分析を作成します。
    ahf analysis create --type insights --refresh
  • タグを使用して分析を作成します:
    ahf analysis create --type insights --tag my_tag

例5-3 AHFバランスの使用例

影響分析を作成するには、[--scope]および[--name]オプションを指定します。

データベースの影響の分析には、[--cluster]オプションが必要です。

  • フリート(すべてのクラスタ)の分析を作成します。
    ahf analysis create --type impact --scope fleet --name fleet1
  • フリート(クラスタ・リスト)の分析を作成します。
    ahf analysis create --type impact --scope fleet --name fleet1 --clusters clu1 clu2 clu3
  • クラスタの分析を作成します。
    ahf analysis create --type impact --scope cluster --name cluster1
  • データベースの分析を作成します。
    ahf analysis create --type impact --scope database --cluster cluster1 --name database1
  • 出力ディレクトリを指定して分析を作成します:
    ahf analysis create --type impact --scope fleet --name fleet1 --output-file /custom_path/custom_name.html
  • EMリポジトリのユーザー名とパスワードを指定して分析を作成します:
    ahf analysis create --type impact --scope fleet --name fleet1 --user-name oracle --connect-string <cs>