自律型テープ・アーカイブ

堅牢なバックアップ計画により、意図的な攻撃、不注意のユーザー・エラー(ファイル削除など)、ソフトウェアやハードウェアの障害からデータが保護されます。テープ・ライブラリは、このような可能性に対してデータを効率よく保護します。

図1-7に、各ホストにメディア・マネージャがインストールされた、従来のテープ・バックアップの方法を示します。

図1-7 リカバリ・アプライアンスを使用しないテープへのバックアップ

図1-7の説明が続きます
「図1-7 リカバリ・アプライアンスを使用しないテープへのバックアップ」の説明

図1-8に、リカバリ・アプライアンスでのテープ・バックアップ方法を示します。これら2つの方法の根本的な違いは、保護データベースではなくリカバリ・アプライアンスがテープにバックアップすることです。リカバリ・アプライアンスは、事前にインストール済のOracle Secure Backupソフトウェアに含まれ、オプションでファイバ・チャネル・カードをサポートします。したがって、保護データベース・ホストにメディア・マネージャをインストールする必要はありません。

図1-8 リカバリ・アプライアンスを使用したテープへのバックアップ

図1-8の説明が続きます
「図1-8 リカバリ・アプライアンスを使用したテープへのバックアップ」の説明

リカバリ・アプライアンスが仮想完全バックアップのcopy-to-tapeジョブを実行するときは、物理バックアップ・セットを作成してから、それらをテープにコピーし、メタデータをリカバリ・カタログに書き込みます。必要であれば、リカバリ・アプライアンスで連続増分バックアップやアーカイブREDOログ・ファイルをテープにコピーすることもできます。リカバリ・アプライアンス上のバックアップが仮想であるのに対して、テープ上のバックアップは仮想ではない完全物理バックアップです。リカバリ・アプライアンスは、テープからバックアップをリストアするリクエストを自動的に処理します。管理者が操作する必要はありません。

リカバリ・アプライアンスのテープ・ソリューションのメリットは次のとおりです。

  • リカバリ・アプライアンスが、テープにコピーするためのすべての処理を自動的に実行し、保護データベース・ホストにはパフォーマンス・ロードはかかりません。

  • テープのバックアップは最適化されています。リカバリ・アプライアンスは、インテリジェント機能を使用して、テープ用の非仮想完全バックアップの作成に必要なブロックを収集します。

  • Oracle Secure Backupが事前にインストール済であるため、サードパーティのメディア・マネージャにコストをかける必要がありません。

    ノート:

    リカバリ・アプライアンスで既存のテープ・バックアップ・ソフトウェアおよびプロセスと統合するためにサードパーティ・ベンダーのテープ・バックアップ・エージェントをデプロイしてもかまいません。この構成では、エージェントは専用のメディア・サーバーに接続する必要があり、そのメディア・サーバーはリカバリ・アプライアンスの外部にデプロイする必要があります。

  • テープ・ドライブとテープ・ライブラリの効率が向上します。これは、リカバリ・アプライアンスが1つの大きな集中管理システムであり、テープ・ドライブとテープ・ライブラリを完全に制御できるためです。他のテープ・ソリューションでは、数百または数千のデータベースが協調せずにテープ・リソースを競合する可能性があります。