データ保護の総合的な視点の強化

従来のデータベース・バックアップ方法では、多くの場合、データベース、メディア・サーバーおよびテープ・ドライブの管理が切り離されています。たとえば、DBAグループがデータベースを管理し、別のバックアップ管理者グループがバックアップを管理し、記憶域グループがディスクおよびテープ・デバイスを管理します。プロセス全体を見通しにくいため、リカバリ要件がそれぞれ異なる、数千に及ぶデータベースのバックアップを管理することは難しくなります。

Cloud Controlを使用すると、リカバリ・アプライアンスによって管理されるバックアップのライフサイクル(RMANバックアップがデータベースで開始されたときから、ディスクやテープに格納されるまで、またはダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスにレプリケートされるまで)の全貌を完全に把握できます。Zero Data Loss Recovery Applianceプラグイン(リカバリ・アプライアンス・プラグイン)用のEnterprise Managerインストールによって、リカバリ・アプライアンスのモニタリングと管理が有効になります。

Cloud Controlを使用してリカバリ・アプライアンスを管理すると次のメリットがあります。

  • 標準メトリック(バックアップ全体のパフォーマンス、集計またはデータベースごとの領域消費量など)

  • バックアップやリカバリ・アプライアンスの問題に関する即時アラート

    たとえば、定義されたRPOを満たすバックアップがない場合またはバックアップの破損が検出された場合に、Cloud Controlが管理者にアラートを通知することができます。

  • ステータス・レポート(BI Publisherによる)は容量計画に役立ちます。また、リカバリ・ウィンドウ目標を達成できない保護データベースを特定することもできます。

    たとえば、リカバリ・アプライアンスの管理者は、領域とネットワーク使用率の履歴に関するレポートを受け取って、バックアップのボリュームとスループットの傾向を確認することができます。これらの傾向に基づいて、既存ラックへのストレージ・サーバーの追加や追加ラックの接続が必要になります。

Cloud Controlはリカバリ・アプライアンス管理の推奨ユーザー・インタフェースですが、コマンドラインから使用できるDBMS_RA PL/SQLパッケージも提供されています。このマニュアルのほとんどのタスクでは、Cloud ControlとDBMS_RA両方の方法を説明しています。コマンドラインでのモニターおよびレポートでは、リカバリ・アプライアンス・カタログ・ビューを問い合せることができます。