最小限のバックアップ・オーバーヘッド

従来のデータベース・バックアップ方法では、Oracle Databaseホストが処理の大半を実行します。ディスク・バックアップ、テープ・バックアップおよび重複除外のエージェントがすべてそのホストで実行することがあります。さらに、すべてのバックアップ操作(圧縮、検証、削除、マージなど)もデータベース・ホストで実行されます。このようなオーバーヘッドによってデータベースのパフォーマンスが大幅に低下する可能性があります。

リカバリ・アプライアンスによって、保護データベースから負荷のほぼすべてが取り除かれます。ホスト(プライマリ・データベース・ホストまたはスタンバイ・データベース・ホストである場合があります)に求められる唯一のバックアップ操作は、増分バックアップのRecovery Applianceへの送信のみです。永久的増分計画によって、データベース・ホストでのバックアップ・ウィンドウが大幅に短縮されます。リカバリ・アプライアンスが、バックアップ処理、テープ操作、データ整合性チェックおよびルーチン保守を行います。

ノート:

リカバリ・アプライアンスは、Oracle Databaseのバックアップのみをサポートし、ファイル・システム・データおよびOracle以外のデータベースはサポートしません。

リカバリ・アプライアンスは、図1-9に示すようにデルタ・プッシュデルタ・ストアを使用してデータベースの変更部分の管理を最適化します。デルタ・プッシュとデルタ・ストアによって、最終的にバックアップ・ウィンドウの長期化の問題が解消されます。DBAは高速増分バックアップのみを実行し、リカバリ・アプライアンスにバックアップ・ブロックの管理を任せます。

図1-9 デルタ・プッシュとデルタ・ストア

図1-9の説明が続きます
「図1-9 デルタ・プッシュとデルタ・ストア」の説明