Data Guardの場所を問わないバックアップ・モード
場所を問わないバックアップがData Guardをどのようにサポートしているかを示します。
図15-2に、ローカルとリモートの2つのデータ・センターを示します。ここで、プライマリ・サイト(アップストリーム)はローカルRA-xであり、スタンバイ・サイト(ダウンストリーム)はリモートRA-yです。ローカル・データ・センターのデータベースは、通常どおり、プライマリ・バックアップおよびログをRA-xに送信します。request_only
モードでは、アップストリームとダウンストリームの間にアクティブなレプリケーションはありません。レプリケーションは、停止後にギャップを埋めるためにアップストリームRA-xによってバックアップが要求された場合にのみ発生します。Data GuardおよびREDOログは、リモート・データベースとローカル・データベースの同期を維持します。
フェイルオーバーまたはスイッチオーバーが実行されると、リモート・データベースが新しいプライマリになり、REDOをバックアップしてRA-yに送信します。一方、レプリケーションの逆向きは、バックアップおよびログに対してRA-yからRA-xに自動的に行われます。RA-yの同期に必要なすべてのバックアップはRA-xからレプリケートされますが、新しいプライマリ・バックアップおよびREDOはRA-yに通常どおりにレプリケートされます。最初の完全バックアップはレプリケートされないため、WANの消費が削減されます。
Data Guardの一般的なユースケースでは、1つのデータベースでのみバックアップを作成します。これは、バックアップが影響を受ける可能性がある本番ワークロードがプライマリ・データベースで実行されている場合です。かわりに、スタンバイ・データベースからそのリカバリ・アプライアンス(RA-y)にバックアップが作成されます。RA-yからRA-xへのレプリケーションでは、同期が維持されます。