サードパーティの記憶域スナップショット

サードパーティの記憶域スナップショットは、スナップショットの作成時に存在していた記憶域ブロック(Oracleブロックではない)に対するポインタのセットです。この仮想コピーは、元のデータと同じストレージ・アレイに存在します。図1-4は、サードパーティ・スナップショットの1つであるcopy-on-writeスナップショットです。スナップショットが作成された後で、記憶域ブロックに対する最初の変更が発生すると、アレイは変更前イメージ・ブロック(C)をディスク上の別の場所にコピーし、新しいブロック(C')を元の場所に書き込みます。

図1-4 サードパーティのcopy-on-writeスナップショット

図1-4の説明が続きます
「図1-4 サードパーティのcopy-on-writeスナップショット」の説明

この方法には次のメリットがあります。

  • データベースの初期コピーが必要ありません。スナップショットはブロックの物理コピーとして保存されるわけではないためです。したがって、RMAN計画に比べて使用される記憶域が少なくなります。

  • スナップショットの処理は非常に高速です。データベースバックアップ・モードにしてから(記憶域がスナップショット記憶域最適化の要件を満たさない場合を除く)、スナップショットを作成します。スナップショットが物理ブロックを格納する必要があるのはブロックが変更される場合のみです。つまり、変更されていないファイルのバックアップではメタデータしか処理されません。

  • スナップショットは記憶域を効率よく使用します。1ブロックしか変更されていないファイルのバックアップでは、格納する必要があるのは該当ブロックのもう1つのバージョンのみです。スナップショットの方法に応じて、ブロックの古いバージョンか新しいバージョンが格納されます。

デメリットは次のとおりです。

  • スナップショットは、Oracleデータベース・ブロック構造を認識していないため、Oracleブロックを検証できません。

  • スナップショットはソース・データベースと同じストレージ・アレイに存在するため、記憶域の障害やデータ破損に対して脆弱です。アレイにアクセスできない場合、または記憶域にデータ・ブロックの破損が含まれる場合は、スナップショットをリカバリに使用できません。

  • その場でスナップショットをリストアすると、そのスナップショットの後で作成されたすべてのスナップショットが無効になります。スナップショットは別の場所に完全にリストアする必要があります。

関連項目:

データベースのサードパーティ・スナップショットを作成するための記憶域スナップショット最適化についてさらに学習するには、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。