コマンドラインを使用した保護されたデータベースのバックアップ

通常のRMANコマンドを使用して、保護されたデータベースのバックアップを作成します。保護されたデータベースのバックアップをスケジュールするには、必要なバックアップ・コマンドが含まれるスクリプトを作成し、任意のスケジューリング・ユーティリティを使用してバックアップをスケジュールします。全体バックアップ、増分バックアップ、アーカイブREDOログのバックアップ、制御ファイルのバックアップ、特定のデータ・ファイルと表領域のバックアップを作成できます。永久的増分バックアップ計画を実装するには、レベル0の増分データベース・バックアップを1回、続いてレベル1の増分バックアップを定期的に作成する必要があります。

同じリカバリ・アプライアンスに複数の保護されたデータベースがバックアップされるので、バックアップ・ピース名はすべての保護されたデータベース間で一意であることが必要です。バックアップ・ピース名の一意性を確保するには、BACKUPコマンドのFORMAT文字列で置換変数%d_%Uを使用します。

関連項目:

置換変数の詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・リファレンス』を参照してください。

コマンドラインを使用して永久的増分バックアップ計画を実装するには:

  1. 「保護されたデータベースの初期全体バックアップの作成」の説明に従って、保護されたデータベースの全体バックアップを作成し、これを永久的増分バックアップ計画の基礎とします。
  2. 「保護されたデータベースの増分バックアップの作成」の説明に従って、アーカイブREDOログを含むレベル1の増分バックアップを定期的に作成およびスケジュールします。

保護されたデータベースの初期全体バックアップの作成

この項では、アーカイブREDOログを含む保護されたデータベース全体の1回かぎりの全体バックアップを作成する方法について説明します。保護されたデータベースがARCHIVELOGモードの状態にあり、制御ファイルおよびサーバー・パラメータ・ファイルが自動的にバックアップされる構成になっていると仮定します。

保護されたデータベース全体の全体バックアップを作成するには:

  1. 保護されたデータベースにはTARGETとして、リカバリ・アプライアンス・カタログにはCATALOGとしてRMANを接続します。
  2. リカバリ・アプライアンスへの保護されたデータベースの登録および保護されたデータベースのバックアップおよびリカバリ設定の構成(コマンドライン)で説明している構成手順が完了していることを確認します。
  3. 次のコマンドを実行して、リカバリ・アプライアンスで使用する3つのSBTチャネルを割り当ててから、アーカイブREDOログ・ファイルを含む保護されたデータベースの全体バックアップを作成します。
    RUN
    {
     ALLOCATE CHANNEL c1 DEVICE TYPE sbt_tape 
       PARMS='SBT_LIBRARY=/u01/oracle/product/11.2.0.4/dbhome_1/lib/libra.so,
       ENV=(RA_WALLET=location=file:/u01/oracle/product/11.2.0.4/dbhome_1/dbs/ra 
       credential_alias=ra-scan:1521/zdlra5:dedicated)'
       FORMAT'%U_%d';
     ALLOCATE CHANNEL c2 DEVICE TYPE sbt_tape 
       PARMS='SBT_LIBRARY=/u01/oracle/product/11.2.0.4/dbhome_1/lib/libra.so,
       ENV=(RA_WALLET=location=file:/u01/oracle/product/11.2.0.4/dbhome_1/dbs/ra
       credential_alias=ra-scan:1521/zdlra5:dedicated)'
       FORMAT'%U_%d';
     ALLOCATE CHANNEL c3 DEVICE TYPE sbt_tape 
       PARMS='SBT_LIBRARY=/u01/oracle/product/11.2.0.4/dbhome_1/lib/libra.so,
       ENV=(RA_WALLET=location=file:/u01/oracle/product/11.2.0.4/dbhome_1/dbs/ra
       credential_alias=ra-scan:1521/zdlra5:dedicated)' 
       FORMAT'%U_%d';
     BACKUP DEVICE TYPE sbt
      TAG 'db_full_incr'
      CUMULATIVE INCREMENTAL LEVEL 1
      DATABASE FORMAT '%d_%U'
      PLUS ARCHIVELOG FORMAT '%d_%U' NOT BACKED UP;
    }
    

    レベル0のバックアップが存在しない場合、BACKUP ... INCREMENTAL LEVEL 1コマンドは自動的にレベル0のバックアップを作成します。

保護されたデータベースの増分バックアップの作成

この項では、保護されたデータベース全体のレベル1の増分バックアップを実行するスクリプトを作成して、このスクリプトを毎日午前1時に実行するスケジュールを設定する方法について説明します。バックアップにはアーカイブREDOログ・ファイルを含めます。任意のジョブ・スケジューラを使用して(たとえば、Cloud Controlで、カスタマイズしたRMANスクリプトをRMANジョブに追加するなど)、毎日指定の時間にRMANスクリプトが実行されるようにスケジュールします。

アーカイブREDOログ・ファイルを含むレベル1の増分バックアップを作成およびスケジュールするには:

  1. リカバリ・アプライアンスへの保護されたデータベースの登録および保護されたデータベースのバックアップおよびリカバリ設定の構成(コマンドライン)で説明している構成手順が完了していることを確認します。
  2. リカバリ・アプライアンスに対応するRMAN SBTチャネルが1つ以上構成されていることを確認します(「リカバリ・アプライアンスのバックアップおよびリカバリ操作でのRMANチャネルの使用方法」の説明を参照)。
  3. ノート:

    この項のバックアップ・コマンドは、ZDLRAが唯一のバックアップ先である場合に適用されます。ただし、デュアル・バックアップ計画を実装する場合は、次のいずれかを実行します。

    テキスト・エディタを開き、次の内容のファイルを作成して保存します。

    ファイルは、Oracle Databaseソフトウェアにアクセス可能で、Oracleソフトウェアの所有者が読取り権限を持つディレクトリに保存します。このスクリプト・ファイルは/u01/app/oracle/product/11.2.0.4/db_home1/db_incr_daily.shとして保存されます。次のCONNECT CATALOG行には、myPasswordではなく適切なパスワードが必要です。

    export ORACLE_HOME=/u01/app/oracle/product/11.2.0.4/dbhome_1
    export ORACLE_SID=db1124sm
    export PATH=$PATH:$HOME/bin:$ORACLE_HOME/bin:$ORACLE_HOME/Opatch
    export LD_LIBRARY_PATH=$ORACLE_HOME/lib:$ORACLE_HOME/rdbms/lib:/lib:/usr/lib;
    export LD_LIBRARY_PATH
    export LOG_TRACE_DIR=$HOME/RA_TEST/RMAN_SCRIPTS/LOG
    dt=`date +%y%m%d%H%M%S`
    $ORACLE_HOME/bin/rman log=$LOG_TRACE_DIR/rman_bkincr_log_db1124sm_$dt.log <<EOF
    CONNECT TARGET /
    CONNECT CATALOG rauser/myPassword@ra-scan:1521/zdlra5:dedicated
    
    BACKUP DEVICE TYPE SBT
       TAG 'db_full_incr'
       CUMULATIVE INCREMENTAL LEVEL 1 
       DATABASE FORMAT %d_%U'
       PLUS ARCHIVELOG FORMAT '%d_%U' NOT BACKED UP;
    EOF
    
  4. OSBACKUPDBAオペレーティング・システム・グループのメンバーであるユーザーとして、保護されたデータベースのホストにログインします。

    関連項目:

    OSBACKUPDBAグループの詳細は、Oracle Database管理者ガイドを参照してください。
  5. テキスト・エディタを開き、次の内容のファイルを作成して、そのファイルを.crontabという名前でホーム・ディレクトリに保存します。この例では、crontabユーティリティを使用してRMANスクリプトをスケジュールします。
    MAILTO=first.last@example.com
    # MI HH DD MM DAY CMD
      00  1  *  *  *  /u01/app/oracle/product/11.2.0.4/db_home1/db_incr_daily.sh
    
  6. コマンド・ウィンドウでディレクトリをホーム・ディレクトリに変更し、次のコマンドを入力して、.crontabの内容からこのユーザー用のcrontabファイルを作成します。
    # crontab .crontab