保護されたデータベースとリカバリ・アプライアンスのアーキテクチャ
図1-1に、リカバリ・アプライアンス環境を示します。永久的増分バックアップ計画を使用して、複数の保護されたデータベースがリカバリ・アプライアンスにバックアップされます。また、リアルタイムREDOデータをリカバリ・アプライアンスに転送するよう、保護されたデータベースを構成することもできます。リカバリ・アプライアンス環境に含めることができる保護されたデータベースは、Oracle Database 10g、Oracle Database 11gおよびOracle Database 12cです。保護されたデータベースがリカバリ・アプライアンスにアクセスしてバックアップを格納できるようにするには、データベースを構成する必要があります。
リカバリ・アプライアンスでは、複数の保護されたデータベースから増分バックアップとREDOデータを受信します。Oracleブロック・レベルでバックアップを継続的に検証するので、データのリカバリ可能性が保証されます。バックアップは圧縮して記憶域の使用率を最適化してからデルタ・ストアに格納されます。デルタ・ストアとは、保護されたデータベースのバックアップ・データの格納に使用するリカバリ・アプライアンスの全記憶域の合計です。すべてのデータ・ファイルとアーカイブREDOログのバックアップがデルタ・ストアに格納されます。リカバリ・アプライアンスでは、保護されたデータベースの仮想完全バックアップ(ある特定の時点での完全なデータベース・イメージ)を作成します。
リカバリ・アプライアンスのメタデータ・データベースは、リカバリ・アプライアンスの内部で実行されるOracleデータベースです。そこには構成データ(定義、保護ポリシーの定義、クライアント・データベースの定義など)が格納されます。また、メタデータ・データベースにはバックアップのメタデータやリカバリ・アプライアンス・カタログも格納されます。
リカバリ・アプライアンスにはOracle Secure Backup (リカバリ・アプライアンスのテープ管理コンポーネント)が事前インストールされており、それを使用してバックアップを接続されたテープ・ライブラリにアーカイブします。
Oracle Enterprise Manager Cloud Control (Cloud Control)は、統合されたバックアップ管理インタフェースをバックアップのライフサイクル全体にわたって提供します。Cloud Controlは、保護されたデーベースのバックアップ、リカバリおよびレポートに使用できます。
障害時リカバリ計画の一環として、リカバリ・アプライアンスでは保護されたデータベースのバックアップを別のリカバリ・アプライアンスにレプリケートできます。レプリケーションを構成すると、アップストリーム・リカバリ・アプライアンスと呼ばれるリカバリ・アプライアンスからダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスと呼ばれる別のリカバリ・アプライアンスにバックアップが転送されます。リカバリ・アプライアンスでは様々なレプリケーション・テクノロジをサポートしています。
関連項目:
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永久的増分バックアップ計画およびリアルタイムREDOトランスポートについては、「保護されたデータベースのバックアップおよびリカバリの概念」を参照してください
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サポートされているOracle Databaseのリリースについては、『Zero Data Loss Recovery Appliance管理者ガイド』を参照してください。
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保護されたデータベースのバックアップをレプリケートする方法の詳細は、『Zero Data Loss Recovery Appliance管理者ガイド』を参照してください。
