18 Oracle Key Vaultの一般的なシステム管理
一般的なシステム管理とは、ネットワークの詳細およびサービスの構成など、Oracle Key Vaultサーバーのシステム管理タスクを示します。
- Oracle Key Vaultの一般的なシステム管理の概要
システム管理者は、Oracle Key Vault管理コンソールで、システム全体の現在のステータスの検索など、ほとんどの一般的な管理タスクを実行できます。 - マルチマスター以外のクラスタ環境でのOracle Key Vaultの構成
システムの「Settings」ページで、スタンドアロン環境またはプライマリ/スタンバイ環境のいずれかの設定を構成できます。 - マルチマスター・クラスタ環境でのOracle Key Vaultの構成
マルチマスター・クラスタ環境でOracle Key Vaultを構成する場合、個々のノードまたはマルチマスター・クラスタ環境全体を構成できます。 - システム・リカバリの管理
システム・リカバリには、失われた管理パスワードのリカバリなどのタスクが含まれます。 - プライマリ/スタンバイ環境のサポート
Oracle Key Vaultが常にセキュリティ・オブジェクトにアクセスできるように、Oracle Key Vaultをプライマリ/スタンバイ(可用性の高い)構成にデプロイできます。 - Commercial National Security Algorithmスイートのサポート
スクリプトを使用して、Oracle Key Vault HSMのバックアップおよびアップグレード操作のためにCommercial National Security Algorithm (CNSA)操作を実行できます。 - 停止時間の最小化
業務上重大な操作では、最小限の停止時間でデータにアクセスし、リカバリできるようにする必要があります。
18.1 Oracle Key Vaultの一般的なシステム管理の概要
システム管理者は、Oracle Key Vault管理コンソールで、システム全体の現在のステータスの検索など、ほとんどの一般的な管理タスクを実行できます。
- Oracle Key Vaultの一般的なシステム管理について
システム管理者が、Oracle Key Vaultのシステム設定を構成します。 - Oracle Key Vaultダッシュボードの表示
ダッシュボードは、Oracle Key Vaultの現在の状態を大まかに示すものであり、すべてのユーザーに公開されます。 - ダッシュボードのステータス・ペインの使用
ダッシュボードのステータス・ペインには、Oracle Key Vaultの現在の状態の概要が表示されます。これには、未処理のアラート、管理対象コンテンツの集約サマリー、各種オブジェクト、エンティティおよびサービスの状態とステータスなどが含まれます。
親トピック: Oracle Key Vaultの一般的なシステム管理
18.1.1 Oracle Key Vaultの一般的なシステム管理について
システム管理者が、Oracle Key Vaultのシステム設定を構成します。
Oracle Key Vaultシステム設定には、管理、ローカルおよびリモート・モニタリング、電子メール通知、バックアップおよびリカバリ操作、監査などがあります。これらのタスクを実行するには、適切なロールが必要です。システム管理者ロールを持つユーザーは、ほとんどの管理タスクを実行でき、監査マネージャ・ロールを持つユーザーは、監査設定の構成、監査レコードのエクスポート、Oracle Key VaultとOracle Audit Vaultの統合が可能です。ほとんどの場合、Oracle Key Vault管理コンソールでこれらのタスクを実行します。
Oracle Key Vaultシステムの現在の状態に関する大まかな情報をすばやく見つけるために、Oracle Key Vaultダッシュボードを表示できます。
18.1.3 ダッシュボードの各種ステータス・ペインの使用
ダッシュボードのステータス・ペインには、Oracle Key Vaultの現在の状態の概要が表示されます。これには、未処理のアラート、管理対象コンテンツの集約サマリー、各種オブジェクト、エンティティおよびサービスの状態とステータスなどが含まれます。
Oracle Key Vault管理コンソールにログインします。
「Home」タブにダッシュボードが表示されます。
ダッシュボードは、様々なペインで編成されています。それらのダッシュボード・ペインには、Oracle Key Vaultのアラート、管理対象エンティティ、セキュリティ・オブジェクトおよび全体的なシステム概要に関する集約情報が表示されます。
ホームページには、前回リフレッシュしたときのアイテムのタイプとアイテムの状態が表示されます。表示されるエンティティとオブジェクトの数は、ユーザーの認可に応じて異なる場合があります。
関連トピック
18.2 マルチマスター以外のクラスタ環境でのOracle Key Vaultの構成
システムの「Settings」ページで、スタンドアロン環境またはプライマリ/スタンバイ環境のいずれかの設定を構成できます。
- ネットワーク詳細の構成
Oracle Key Vault管理コンソールからネットワーク詳細を構成する方法を学習します。 - ネットワーク・アクセスの構成
マルチマスター以外のクラスタでは、Oracle Key Vault管理コンソールからネットワーク・サービスを構成できます。 - DNSの構成
Oracle Key Vaultがホスト名の解決に使用するIPアドレスを使用して、最大3つのドメイン・ネーム・サービス(DNS)サーバーを構成できます。 - システム時間の構成
Oracle Key VaultをNTPタイム・ソースと同期させることをお薦めします。 - FIPSモードの構成
Oracle Key VaultのFIPSモードを有効または無効にできます。 - Syslogの構成
特定の宛先に対してsyslogを有効にし、Transmission Control Protocol (TCP)またはUser Datagram Protocol (UDP)のいずれかを使用してレコードを転送できます。 - ネットワーク・インタフェース・モードの変更
ネットワーク・インタフェースのデュアルNICモードとクラシック・モードを切り替えることができます。 - RESTfulサービス・ユーティリティの構成
RESTfulサービス・ユーティリティにより、エンドポイント、ウォレット、セキュリティ・オブジェクト、デプロイメント操作およびバックアップ操作の管理を自動化できます。 - Oracle Audit Vault統合ステータスの確認
Oracle Key Vaultは、一元化された監査レポートおよびアラートのために、監査レコードをOracle Audit Vaultに送信できます。 - Oracle Key Vault管理コンソールのWebセッション・タイムアウトの構成
Oracle Key Vault管理コンソールのWebセッションのタイムアウト値を分単位で構成できます。 - Oracle Key Vaultの再起動または電源切断
メンテナンスまたはパッチおよびアップグレード手順の必要に応じて、Oracle Key Vaultを手動で再起動または電源切断できます。
親トピック: Oracle Key Vaultの一般的なシステム管理
18.2.2 ネットワーク・アクセスの構成
マルチマスター以外のクラスタでは、Oracle Key Vault管理コンソールからネットワーク・サービスを構成できます。
18.2.3 DNSの構成
Oracle Key Vaultがホスト名の解決に使用するIPアドレスを使用して、最大3つのドメイン・ネーム・サービス(DNS)サーバーを構成できます。
18.2.4 システム時間の構成
Oracle Key VaultをNTPタイム・ソースと同期させることをお薦めします。
システム時間をNTPサーバーと同期するようにOracle Key Vaultを構成できます。Oracle Key Vaultには、最大3つのNTPサーバーの情報を入力するためのフィールドがあります。NTPサーバーが使用できない場合は、手動で現在の時間を設定します。カレンダ・アイコンを使用して日付と時間を設定し、これらの値が正しい形式で格納されるようにします。
関連トピック
18.2.5 FIPSモードの構成
Oracle Key VaultのFIPSモードを有効または無効にできます。
18.2.6 Syslogの構成
特定の宛先に対してsyslogを有効にし、Transmission Control Protocol (TCP)またはUser Datagram Protocol (UDP)のいずれかを使用してレコードを転送できます。
18.2.7 ネットワーク・インタフェース・モードの変更
ネットワーク・インタフェースのデュアルNICモードとクラシック・モードを切り替えることができます。
18.2.8 RESTfulサービス・ユーティリティの構成
RESTfulサービス・ユーティリティにより、エンドポイント、ウォレット、セキュリティ・オブジェクト、デプロイメント操作およびバックアップ操作の管理を自動化できます。
Oracle Key Vaultは、エンドポイント操作、仮想ウォレット操作、ダウンロードおよびプロビジョニング操作をRESTfulサービスとして管理します。
これらのサービスを使用するには、「Download」をクリックして、Oracle Key Vault RESTfulサービス・ユーティリティ(okvrestclipackage.zip
)をダウンロードします。「Download Classic Utility」
をクリックして、クラシック・ユーティリティokvrestservices.jar
をダウンロードします。
18.2.9 Oracle Audit Vault統合ステータスの確認
Oracle Key Vaultは、一元化された監査レポートおよびアラートのために、監査レコードをOracle Audit Vaultに送信できます。
18.2.10 Oracle Key Vault管理コンソールのWebセッション・タイムアウトの構成
Oracle Key Vault管理コンソールのWebセッションのタイムアウト値を分単位で構成できます。
20
分に設定されている場合、ユーザーはさらに20分間セッションを延長できます。
18.3 マルチマスター・クラスタ環境でのOracle Key Vaultの構成
マルチマスター・クラスタ環境でOracle Key Vaultを構成する場合、個々のノードまたはマルチマスター・クラスタ環境全体を構成できます。
- マルチマスター・クラスタ環境でのOracle Key Vaultの構成について
個々のノードまたはマルチマスター・クラスタ全体の設定を構成するオプションがあります。 - 個別のマルチマスター・クラスタ・ノードのシステム設定の構成
個別のマルチマスター・クラスタ・ノードの設定は、そのノードのOracle Key Vault管理コンソールから設定または変更します。 - Oracle Key Vaultマルチマスター・クラスタの管理
Oracle Key Vault管理コンソールを使用して、Oracle Key Vaultマルチマスター・クラスタを作成、構成および管理できます。
親トピック: Oracle Key Vaultの一般的なシステム管理
18.3.1 マルチマスター・クラスタ環境でのOracle Key Vaultの構成について
個々のノードまたはマルチマスター・クラスタ全体の設定を構成するオプションがあります。
一部の設定はマルチマスター・クラスタ全体で同じであり、すべてのクラスタ・ノードに適用されます。そのような設定については、ノードごとに異なる値を構成できません。そのような設定の例としては、「Console Timeout」や「Maximum Disable Node Duration」などがあります。
一部の設定は、個別のクラスタ・ノード・レベルでのみ構成できます。そのような設定は、各クラスタ・ノードで個別に構成する必要があります。そのような設定の例には、「Network Info」や「SSH Access」などがあります。
一部の設定は、個別のクラスタ・ノード・レベルとクラスタ全体レベルの両方で構成できます。両方のレベルで設定を構成すると、クラスタ・ノード・レベルで設定した値が有効になります。そのような設定の例には、「DNS」、「NTP」、「SNMP」などがあります
クラスタ全体に値を設定すると、変更が他のノードに伝播されるまでに数分かかる場合があります。
「Settings」ページから構成を開始すると、次の「View Settings」メニュー・オプションを選択して、ノード・レベルのみ、クラスタ・レベルのみ、またはその両方で設定できるかどうかに基づいて設定項目をフィルタ処理できます。
-
Node only: 個別のノード・レベルでのみ構成できる設定が表示されます。そうした設定は、各クラスタ・ノードで個別に構成します。そのような設定の例には、「Network Info」や「SSH Access」などがあります。
-
Cluster only: クラスタ全体の設定を表示し、それらを更新することですべてのクラスタ・ノードの設定が変更されます。そのような設定の例には、「Alerts」、「Console Timeout」、「Maximum Disable Node Duration」などがあります。
-
Both: ノード・レベルとクラスタ・レベルの両方で設定できる設定項目が表示されます。両方のレベルで設定を構成すると、そのノードではノード・レベルで設定した値が有効になります。そのような設定の例には、「DNS」、「NTP」、「SNMP」などがあります。
これらの設定は、それぞれの設定ページの右矢印ボタンを使用することで、ノード設定とクラスタ設定の間でナビゲートできます。たとえば、「DNS」を選択した場合は、現在のノードまたはクラスタ全体、あるいはその両方のDNS設定を構成できます。
-
「All」では、使用可能なすべての設定がフィルタなしで表示されます。
18.3.2 個々のマルチマスター・クラスタ・ノードのシステム設定の構成
個別のマルチマスター・クラスタ・ノードの設定は、そのノードのOracle Key Vault管理コンソールから設定または変更します。
次のレベルで設定できる設定項目が含まれます。
- 個別のノード・レベルのみ
-
個別のノード・レベルとクラスタ全体レベル。
個別のノードに設定した値は、クラスタ・レベルで設定した値をオーバーライドします。個別のノード・レベルの設定をクリアすると、クラスタ・レベルの設定に戻すことができます。
こうした設定の例には、ネットワーク詳細、ネットワーク・アクセス、システム時間、FIPSモード、syslogおよびOracle Audit Vault統合があります。
- ノードのネットワーク詳細の構成
マルチマスター・クラスタでは、ノードのホスト名を変更できます。 - ノードのネットワーク・アクセスの構成
マルチマスター・クラスタでは、ノードのネットワーク・アクセスを構成できます。 - ノードのDNSの構成
マルチマスター・クラスタ・ノードのDNSを構成するときは、複数のDNS IPアドレスを入力する必要があります。 - ノードのシステム時間の構成
マルチマスター・クラスタでは、Oracle Key VaultをNTPタイム・ソースと同期させる必要があります。クラスタのすべてのノードは、ノード間レプリケーションが正しく機能するように、同じシステム時間(または調整されたシステム時間)で動作する必要があります。 - ノードのFIPSモードの構成
すべてのマルチマスター・クラスタ・ノードで同じFIPSモード設定を使用する必要があります。使用しないとアラートを受信します。 - ノードのSyslogの構成
マルチマスター・クラスタ・ノードでは、特定の宛先のsyslogを有効にし、Transmission Control Protocol (TCP)またはUser Datagram Protocol (UDP)のいずれかを使用してレコードを転送できます。 - ノードのネットワーク・インタフェース・モードの変更
マルチマスター・クラスタ環境では、ノードのネットワーク・インタフェースのデュアルNICモードとクラシック・モードを切り替えることができます。 - ノードの監査の構成
ノードの監査設定を有効または無効にできます。 - ノードのSNMP設定の構成
マルチマスター・クラスタ・ノードのSNMPアクセスを有効または無効にできます。 - ノードのOracle Audit Vault統合の確認
Oracle Key Vaultは、一元化された監査レポートおよびアラートのために、ノードからOracle Audit Vaultに監査レコードを送信できます。 - ノードからのOracle Key Vaultの再起動または電源切断
メンテナンスまたはパッチおよびアップグレード手順の必要に応じて、Oracle Key Vaultノードを手動で再起動または電源切断できます。
18.3.2.4 ノードのシステム時間の構成
マルチマスター・クラスタでは、Oracle Key VaultをNTPタイム・ソースと同期させる必要があります。クラスタのすべてのノードは、ノード間レプリケーションが正しく機能するように、同じシステム時間(または調整されたシステム時間)で動作する必要があります。
18.3.2.6 ノードのSyslogの構成
マルチマスター・クラスタ・ノードでは、特定の宛先のsyslogを有効にし、Transmission Control Protocol (TCP)またはUser Datagram Protocol (UDP)のいずれかを使用してレコードを転送できます。
関連トピック
18.3.2.7 ノードのネットワーク・インタフェース・モードの変更
マルチマスター・クラスタ環境では、ノードのネットワーク・インタフェースのデュアルNICモードとクラシック・モードを切り替えることができます。
18.3.2.10 ノードのOracle Audit Vault統合の確認
Oracle Key Vaultは、一元化された監査レポートおよびアラートのために、ノードからOracle Audit Vaultに監査レコードを送信できます。
18.3.2.11 ノードからのOracle Key Vaultの再起動または電源切断
メンテナンスまたはパッチおよびアップグレード手順の必要に応じて、Oracle Key Vaultノードを手動で再起動または電源切断できます。
- システム管理者ロールを持っているユーザーとしてノードのOracle Key Vault管理コンソールにログインします。
- 「System」タブを選択し、左側のナビゲーション・バーで「Status」を選択します。
- 「Status」ページの上部で、次のいずれかを実行してノードを再起動するか、電源を切ります。
- 再起動するには、「Reboot」をクリックします。
- 電源を切断するには、「Power Off」をクリックします。
18.3.3 Oracle Key Vaultマルチマスター・クラスタの管理
Oracle Key Vault管理コンソールを使用して、Oracle Key Vaultのマルチマスター・クラスタを作成、構成および管理できます。
- クラスタのシステム時間の構成
マルチマスター・クラスタでは、Oracle Key VaultをNTPタイム・ソースと同期できます。 - クラスタのDNSの構成
クラスタのDNSを構成するときは、最大3つのDNSサーバーIPアドレスを入力できます。 - クラスタの最大無効化ノード期間の構成
クラスタの最大無効化ノード継続時間を時間単位で設定できます。 - クラスタのSyslogの構成
マルチマスター・クラスタ環境では、特定の宛先のsyslogを有効にし、Transmission Control Protocol (TCP)またはUser Datagram Protocol (UDP)のいずれかを使用してレコードを転送できます。 - クラスタのRESTfulサービスの構成
クラスタに対してRESTfulサービスを有効または無効にできます。 - クラスタの監査の構成
クラスタの監査設定を有効または無効にできます。 - クラスタのSNMP設定の構成
マルチマスター・クラスタのSNMPアクセスを有効または無効にできます。 - クラスタのOracle Key Vault管理コンソールのWebセッション・タイムアウトの構成
マルチマスター・クラスタ内のすべてのノードに対して、Oracle Key Vault管理コンソールのタイムアウト値を分単位で構成できます。
18.3.3.1 クラスタのシステム時間の構成
マルチマスター・クラスタでは、Oracle Key VaultをNTPタイム・ソースと同期できます。
18.3.3.4 クラスタのSyslogの構成
マルチマスター・クラスタ環境では、特定の宛先に対してsyslogを有効にし、Transmission Control Protocol (TCP)またはUser Datagram Protocol (UDP)のいずれかを使用してレコードを転送できます。
関連トピック
18.3.3.5 クラスタのRESTfulサービスの構成
クラスタのRESTfulサービスを有効または無効にできます。
- システム管理者ロールを持っているユーザーとしてOracle Key Vault管理コンソールにログインします。
- 「System」タブを選択し、左側のナビゲーション・バーで「Settings」を選択します。
- 「System Configuration」領域で、「RESTful Services」をクリックします。
- 「RESTful Services」ウィンドウで、「Enable」チェック・ボックスを選択します。
- 「Save」をクリックします。
- これらのサービスを使用するには、「Download」をクリックしてOracle Key Vault RESTfulサービス・ユーティリティ
okvrestclipackage.zip
をダウンロードします。 - クラシック・ユーティリティ
okvrestservices.jar
をダウンロードするには、「Download Classic Utility」をクリックします。
18.4 システム・リカバリの管理
システム・リカバリには、失われた管理パスワードのリカバリなどのタスクが含まれます。
- システム・リカバリの管理について
システム・リカバリを実行するには、リカバリ・パスフレーズを使用します。 - 管理者の資格証明のリカバリ
管理ユーザーの資格証明を追加することで、システムをリカバリできます。 - マルチマスター以外のクラスタ環境でのリカバリ・パスフレーズの変更
リカバリ・パスフレーズを定期的に変更することがセキュリティ上のよい習慣です。 - マルチマスター・クラスタでのリカバリ・パスフレーズの変更
マルチマスター・クラスタでのリカバリ・パスフレーズの変更は、2ステップのプロセスです。
親トピック: Oracle Key Vaultの一般的なシステム管理
18.4.1 システム・リカバリの管理について
システム・リカバリを実行するには、リカバリ・パスフレーズを使用します。
緊急時に管理ユーザーがいない場合、または管理ユーザーのパスワードを変更する必要がある場合は、Oracle Key Vaultの現在のリカバリ・パスフレーズを使用してシステムをリカバリできます。また、セキュリティのベスト・プラクティスに従ってリカバリ・パスフレーズを変更することもできます。
親トピック: システム・リカバリの管理
18.4.3 マルチマスター以外のクラスタ環境でのリカバリ・パスフレーズの変更
リカバリ・パスフレーズを定期的に変更することがセキュリティ上のよい習慣です。
親トピック: システム・リカバリの管理
18.4.4 マルチマスター・クラスタのリカバリ・パスフレーズの変更
マルチマスター・クラスタでのリカバリ・パスフレーズの変更は、2ステップのプロセスです。
- マルチマスター・クラスタのリカバリ・パスフレーズの変更について
マルチマスター・クラスタのリカバリ・パスフレーズを変更するには、まず、クラスタ・ノードの1つからリカバリ・パスフレーズの変更を開始する必要があります。他のクラスタ・ノードは、近い将来のパスフレーズ変更について通知されます。 - ステップ1: ノード間のリカバリ・パスフレーズ変更の開始
リカバリ・パスフレーズの変更を開始して、マルチマスター・クラスタのすべてのノードにその変更が通知されるようにする必要があります。 - ステップ2: リカバリ・パスフレーズの変更
リカバリ・パスフレーズの変更が近いことがマルチマスター・クラスタ・ノードに通知された後に、リカバリ・パスフレーズを変更できます。
親トピック: システム・リカバリの管理
18.4.4.1 マルチマスター・クラスタのリカバリ・パスフレーズの変更について
マルチマスター・クラスタのリカバリ・パスフレーズを変更するには、まず、クラスタ・ノードの1つからリカバリ・パスフレーズの変更を開始する必要があります。他のクラスタ・ノードは、近い将来のパスフレーズ変更について通知されます。
クラスタ・ノードで新しいリカバリ・パスワードを受け入れる準備ができたら、次の順序で各ノードにリカバリ・フレーズを設定します:
- リカバリ・パスフレーズ変更を開始したノード以外のすべてのノードで、新しいリカバリ・パスフレーズを設定します。
- 他のノードでの新しいリカバリ・パスフレーズ変更を設定したら、リカバリ・パスフレーズ変更を開始したノードの、新しいリカバリ・パスフレーズを設定します。
- すべてのノードで同じパスフレーズを設定します。
親トピック: マルチマスター・クラスタのリカバリ・パスフレーズの変更
18.4.4.2 ステップ1: ノード間のリカバリ・パスフレーズ変更の開始
リカバリ・パスフレーズの変更を開始して、マルチマスター・クラスタのすべてのノードにその変更が通知されるようにする必要があります。
関連トピック
親トピック: マルチマスター・クラスタのリカバリ・パスフレーズの変更
18.4.4.3 ステップ2: リカバリ・パスフレーズの変更
リカバリ・パスフレーズの変更が近いことがマルチマスター・クラスタ・ノードに通知された後に、リカバリ・パスフレーズを変更できます。
- 新しいリカバリ・パスフレーズを各ノードで設定します。
- 新しいリカバリ・パスフレーズは、まず、開始ノード(つまり、リカバリ・パスフレーズ変更を開始したノード)以外のすべてのノードで設定します。
- 最後に、開始ノードで新しいリカバリ・パスフレーズを設定します。
- すべてのノードで同じリカバリ・パスフレーズが使用されています。
リカバリ・パスフレーズを変更する前に、ノードで新しいパスフレーズの受入れ準備ができていることを確認します。これは、新しいパスワードを受け入れるフィールドが「System Recovery」ページの「Recovery Passphrase」タブに存在することによって示されます。
関連トピック
親トピック: マルチマスター・クラスタのリカバリ・パスフレーズの変更
18.5 プライマリ・スタンバイ環境のサポート
Oracle Key Vaultが常にセキュリティ・オブジェクトにアクセスできるように、Oracle Key Vaultをプライマリ/スタンバイ(可用性の高い)構成にデプロイできます。
この構成は、障害時リカバリ・シナリオもサポートします。
プライマリ/スタンバイ構成では、2台のOracle Key Vaultサーバーをデプロイできます。プライマリ・サーバーは、エンドポイントからのリクエストにサービスを提供します。プライマリ・サーバーで障害が発生した場合、事前に設定された構成可能な遅延の後にスタンバイ・サーバーが引き継ぎます。この構成可能な遅延によって、通信が短時間断絶した場合にスタンバイ・サーバーによる不必要な引継ぎが発生しないようにできます。
プライマリ・スタンバイ構成は、以前は高可用性構成と呼ばれていました。プライマリ・スタンバイ構成とマルチマスター・クラスタ構成は相互に排他的です。
Oracle Key Vaultでは、プライマリ・スタンバイ読取り専用制限モードをサポートしています。プライマリOracle Key Vaultサーバーがサーバー、ハードウェアまたはネットワークの障害の影響を受けた場合、プライマリ/スタンバイ読取り専用制限モードでは、Oracle Key Vaultサーバーはエンドポイントにサービスを提供できるため、操作の継続性が保証されます。ただし、監査ログの生成などの操作は影響を受けませんが、キーの生成などの重要で機密性の高い操作は無効になります。
計画外停止によってスタンバイ・サーバーにアクセスできなくなった場合でも、エンドポイントは読取り専用モードでプライマリ・サーバーを使用できます。
親トピック: Oracle Key Vaultの一般的なシステム管理
18.6 Commercial National Security Algorithmスイートのサポート
スクリプトを使用して、Oracle Key Vault HSMのバックアップおよびアップグレード操作のためにCommercial National Security Algorithm (CNSA)操作を実行できます。
- Commercial National Security Algorithm (CNSA)のサポートについて
Commercial National Security Algorithm (CNSA)スイートに準拠するようにOracle Key Vaultを構成できます。 - Commercial National Security Algorithmスクリプトの実行
CNSAスクリプトを実行して、Commercial National Security Algorithm (CNSA)スイートを使用するようにOracle Key Vaultを構成します。 - CNSAを使用したバックアップ・リストア操作の実行
拡張されたCommercial National Security Algorithm (CNSA)スイートを使用するように構成されたOracle Key Vaultのバックアップをリストアしたら、/usr/local/okv/bin/okv_cnsa
を使用してCNSA準拠を再構成します。 - CNSAを使用したスタンドアロンOracle Key Vaultサーバーのアップグレード
okv_cnsa
スクリプトをアップグレードして実行することで、Commercial National Security Algorithm (CNSA)準拠を使用しながら、スタンドアロンOracle Key Vaultをアップグレードできます。 - CNSAを使用するためのプライマリ/スタンバイOracle Key Vaultサーバーのアップグレード
okv_cnsa
スクリプトをアップグレードして実行することで、Commercial National Security Algorithm (CNSA)準拠を使用しながら、Oracle Key Vaultプライマリ/スタンバイ・サーバーをアップグレードできます。
親トピック: Oracle Key Vaultの一般的なシステム管理
18.6.1 Commercial National Security Algorithmスイートのサポートについて
Commercial National Security Algorithm (CNSA)スイートに準拠するようにOracle Key Vaultを構成できます。
この準拠は、Oracle Key Vaultアプライアンスとの間のTLS接続に適用されます。
CNSAスイートは強力な暗号化アルゴリズムとキー長のリストで、将来のセキュリテイおよび関連性を高めます。
Oracle Key Vaultリリース12.2 BP3以降では、システム内のすべてのコンポーネントにわたり完全に準拠しているわけではありません。CNSAアルゴリズム(入手できる場合)には、Oracle Key Vault ISOでパッケージ化されている次のスクリプトによって切り替えることができます。
-
/usr/local/okv/bin/okv_cnsa
は構成ファイルを変更し、できるだけ多くのコンポーネントを更新して拡張されたアルゴリズムを使用します。 -
/usr/local/okv/bin/okv_cnsa_cert
は、CNSA準拠の公開キー・ペアと証明書を再生成します。ノート:
/usr/local/okv/bin/okv_cnsa
スクリプトと/usr/local/okv/bin/okv_cnsa_cert
スクリプトはいずれも破壊的で、これは古いキー・ペアを新しいもので置き換えるためです。このため、次の操作を実行します。-
エンドポイントのエンロール: 可能な場合、このスクリプトの実行後にエンドポイントをエンロールします。CNSAスクリプトを実行する前にエンドポイントがエンロールされている場合、これらを再度エンロールして、CNSAアルゴリズムを使用してCNSA準拠の新しいキーを生成します。
-
プライマリ/スタンバイ: 可能な場合、両方のOracle Key VaultインスタンスでCNSAスクリプトを実行してからプライマリ/スタンバイ構成でこれらをペアにします。CNSAスクリプトの実行前にプライマリ/スタンバイを設定していた場合、次のようにプライマリ/スタンバイを再構成する必要があります: プライマリおよびスタンバイのサーバーのペアを解除し、スタンバイ・サーバーを再インストールし、サーバーごとにCNSAスクリプトを個々に実行してから、それらを再度ペアにします。
-
制限事項:
-
CNSA準拠は、Oracle Key Vaultインフラストラクチャの一部のコンポーネント(SSHやTransparent Data Encryption (TDE)など)ではサポートされていません。
-
Firefoxブラウザでは、CNSAを有効化している場合にOracle Key Vault管理コンソールでの使用がサポートされていません。これは、FirefoxブラウザがCNSAで承認されている暗号スイートをサポートしていないためです。
18.6.2 Commercial National Security Algorithmスクリプトの実行
CNSAスクリプトを実行して、Commercial National Security Algorithm (CNSA)スイートを使用するようにOracle Key Vaultを構成します。
/usr/local/okv/etc/okv_security.conf
が次の行で更新されます。USE_ENHANCED_ALGORITHMS_ONLY="1"
18.6.3 CNSAを使用したバックアップ・リストア操作の実行
拡張されたCommercial National Security Algorithm (CNSA)スイートを使用するように構成されたOracle Key Vaultのバックアップをリストアしたら、/usr/local/okv/bin/okv_cnsa
を使用してCNSA準拠を再構成します。
18.6.4 CNSAを使用したスタンドアロンOracle Key Vaultサーバーのアップグレード
okv_cnsa
スクリプトをアップグレードして実行することで、Commercial National Security Algorithm (CNSA)準拠を使用しながら、スタンドアロンのOracle Key Vaultをアップグレードできます。
18.6.5 CNSAを使用するためのプライマリ/スタンバイOracle Key Vaultサーバーのアップグレード
okv_cnsa
スクリプトをアップグレードして実行することで、Commercial National Security Algorithm (CNSA)準拠を使用しながら、Oracle Key Vaultプライマリ/スタンバイ・サーバーをアップグレードできます。
18.7 停止時間の最小化
業務上重大な操作には、データにアクセスしやすいことと、最小限の停止時間でリカバリできることが必要です。
次の方法で、停止時間を最小限に抑えるようにOracle Key Vaultを構成できます。
-
マルチマスター・クラスタの構成: 追加のノードの形式で冗長性を追加することで、マルチマスター・クラスタを構成できます。クライアントは使用可能な任意のノードにアクセスできます。いずれかのノードが失敗した場合、クライアントはエンドポイント・ノード・スキャン・リストの別のノードに自動的に接続します。これにより、停止時間が減少したり、停止時間がなくなる可能性もあります。
-
プライマリ・スタンバイ環境の構成: プライマリ・スタンバイ環境は、スタンバイ・サーバーの形式で冗長性を追加することで構成されます。障害発生時にはスタンバイ・サーバーがプライマリ・サーバーから後を引き継ぐことで、単一障害点を排除し、停止時間を最小限に抑えます。
-
読取り専用制限モードの有効化: プライマリまたはスタンバイOracle Key Vaultサーバーがサーバー、ハードウェアまたはネットワークの障害の影響を受けた場合、プライマリ・スタンバイ読取り専用制限モードにより、エンドポイントの操作の継続性が保証されます。計画外停止によってスタンバイ・サーバーにアクセスできなくなった場合でも、エンドポイントはプライマリ・サーバーを使用できます。
プライマリ・スタンバイ読取り専用制限モードが無効になっている場合、スタンバイでの障害発生時に、プライマリ・サーバーは使用できなくなり、リクエストの受け入れは停止されます。プライマリ・サーバーとスタンバイ・サーバーの間で接続が復元されるまで、Oracle Key Vaultに接続されたエンドポイントはキーを取得できません。
プライマリ・サーバーまたはスタンバイ・サーバーに障害が発生した場合のエンドポイントの操作の継続性を保証するには、読取り専用制限モードを有効にします。
-
永続マスター暗号化キー・キャッシュの有効化: 永続マスター暗号化キー・キャッシュにより、プライマリまたはスタンバイ・サーバーに障害が発生した場合にエンドポイントが確実にキーにアクセスできます。障害が発生したピアから存続するサーバーが後を引き継ぐため、エンドポイントは永続キャッシュからキーを取得して、正常に操作を続行できます。
-
エンドポイントでのTDE Heartbeatデータベース・パッチの適用: バグ22734547のデータベース・パッチを適用してOracle Key Vaultのハートビートを調整します。
Oracle Key Vaultデータを定期的にバックアップすることをお薦めします。このようにすることで、バックアップとそのデータが最新に保たれます。このバックアップを使用して、新規または既存のOracle Key Vaultサーバーをリストアし、最小限の停止時間とデータ消失で完全稼働させることができます。
Oracle Key Vaultインストールでオンライン・マスター暗号化キー(旧称: TDE直接接続)を使用する場合、合計の停止時間を短縮するために、アップグレード時にはデータベース・エンドポイントも同時にアップグレードしてください。
関連トピック
親トピック: Oracle Key Vaultの一般的なシステム管理