14.2.2 RPMインストールの使用

ダウンロードしたRPMファイルを実行して、Oracle Graph Serverをインストールできます。

14.2.2.1 Oracle Graph Serverのインストールの前提条件

RPMファイルを使用してグラフ・サーバーをインストールする前に、次の前提条件ステップを実行してください:
  1. 「Oracle Graph Serverをインストールするためのシステム要件」の説明に従って、システムの前提条件を満たしていることを確認します。
  2. 次のコマンドを実行して、グラフ・サーバーのインストール済バージョンがすでにあるかどうかを確認します:
    sudo rpm -q oracle-graph
    [sudo] password for oracle: 
    oracle-graph-24.3.0-0.x86_64

    インストールがすでに存在する場合は、グラフ・サーバーのインストールでエラーがスローされる可能性があります。その場合は、「Oracle Graph Serverのアップグレード」を参照して、新しいバージョンにアップグレードします。

14.2.2.2 Oracle Graph Serverのインストール(Linux x86-64の場合)

Oracle Graph Serverをスタンドアロン・モードでインストールする場合のインストール・ステップは、次のとおりです。
  1. rootユーザーとして、またはsudoを使用して、RPMコマンドライン・ユーティリティを使用してRPMファイルをインストールします。
    sudo rpm -i oracle-graph-<version>.rpm

    <version>は、ダウンロードしたバージョンを表します。(例: oracle-graph-24.3.0.x86_64.rpm)

    .rpmファイルはグラフ・サーバーです。

    RPMファイルのインストール時には、次のインストール後のステップが実行されます。
  2. rootとして、またはsudoを使用して、サーバー・インストールの使用を許可されているオペレーティング・システム・ユーザーをオペレーティング・システム・グループoraclegraphに追加します。たとえば:
    usermod -a -G oraclegraph <graphuser>
    これによって、指定されたグラフ・ユーザーがグループoraclegraphに追加されます。

    この処理を有効にするには、<graphuser>がログアウトしてから再度ログインする必要があることに注意してください。

  3. <graphuser>として、データベース認証のためのグラフ・サーバーの準備のステップに従って/etc/oracle/graph下のファイルを変更し、サーバーを構成します。
  4. ユーザーの認証および認可の説明に従って、グラフ・サーバーに接続するデータベース・ユーザーに対して認証が有効になっていることを確認します。
  5. rootユーザーとして、またはsudoを使用して、次のコマンドを実行することによりグラフ・サーバー(PGX)を起動します。
    sudo systemctl start pgx
次のコマンドを実行すると、グラフ・サーバーが起動したかどうかを確認できます。
systemctl status pgx
  • グラフ・サーバーが正常に起動した場合、レスポンスは次のように表示されます。
    ● pgx.service - Oracle Graph In-Memory Server
       Loaded: loaded (/etc/systemd/system/pgx.service; disabled; vendor preset: disabled)
       Active: active (running) since Wed 2021-01-27 10:06:06 EST; 33s ago
     Main PID: 32127 (bash)
       CGroup: /system.slice/pgx.service
               ├─32127 /bin/bash start-server
               └─32176 java -Dlogback.configurationFile=/etc/oracle/graph/logback-server.xml -Doracle.jdbc.fanEnabled=false -cp /opt/oracle/graph/pgx/bin/../../pgx/server/lib/jackson-databind...

    これで、グラフ・サーバーでリクエストを受け入れる準備が整いました。

  • グラフ・サーバーが起動していない場合は、/var/log/oracle/graphにあるログ・ファイルでエラーを確認する必要があります。さらに、次のコマンドを実行して、systemdエラーを表示することもできます。
    sudo journalctl -u pgx.service 

Oracle WebLogic ServerまたはApache Tomcatでグラフ・サーバーをデプロイする手順は、次を参照してください。

ロード・バランサの背後にグラフ・サーバーをデプロイすることもできます。詳細は、ロード・バランサの背後でのOracle Graph Serverのデプロイを参照してください。

14.2.2.3 Oracle Graph Serverのインストール(Linux ARMの場合)

Oracle Graph Serverをスタンドアロン・モードでLinux ARMにインストールする場合のインストール・ステップは、次のとおりです。
  1. rootユーザーとして、またはsudoを使用して、RPMコマンドライン・ユーティリティを使用してRPMファイルをインストールします。
    sudo rpm -i oracle-graph-<version>.rpm --ignorearch

    <version>は、ダウンロードしたバージョンを表します。(例: oracle-graph-24.3.0.x86_64.rpm)

    .rpmファイルはグラフ・サーバーです。

    RPMファイルのインストール時には、次のインストール後のステップが実行されます。
  2. rootとして、またはsudoを使用して、サーバー・インストールの使用を許可されているオペレーティング・システム・ユーザーをオペレーティング・システム・グループoraclegraphに追加します。たとえば:
    usermod -a -G oraclegraph <graphuser>
    これによって、指定されたグラフ・ユーザーがグループoraclegraphに追加されます。

    この処理を有効にするには、<graphuser>がログアウトしてから再度ログインする必要があることに注意してください。

  3. <graphuser>として、データベース認証のためのグラフ・サーバーの準備のステップに従って/etc/oracle/graph下のファイルを変更し、サーバーを構成します。
  4. <graphuser>として/etc/oracle/graph/pgx.confファイルを編集します。次のようにschedulerパラメータを追加し、基本スケジューラを使用するように設定します:
    "scheduler": "basic_scheduler"
  5. ユーザーの認証および認可の説明に従って、グラフ・サーバーに接続するデータベース・ユーザーに対して認証が有効になっていることを確認します。
  6. rootユーザーとして、またはsudoを使用して、次のコマンドを実行することによりグラフ・サーバー(PGX)を起動します。
    sudo systemctl start pgx
次のコマンドを実行すると、グラフ・サーバーが起動したかどうかを確認できます。
systemctl status pgx
グラフ・サーバーが起動していない場合は、/var/log/oracle/graphにあるログ・ファイルでエラーを確認する必要があります。さらに、次のコマンドを実行して、systemdエラーを表示することもできます。
sudo journalctl -u pgx.service 

14.2.2.4 Oracle Graph Serverのアンインストール

グラフ・サーバーをアンインストールするには、グラフ・サーバーが停止していることを確認します。
  1. rootユーザーとして、またはsudoを使用して次のコマンドを実行します。
    sudo rpm -e oracle-graph
    • アンインストール時に、/opt/oracle/graph/pgx/tmp_data/および/etc/oracle/graph/server_keystore.jksが削除されます。

14.2.2.5 Oracle Graph Serverのアップグレード

グラフ・サーバーをアップグレードするには、まず既存のグラフ・サーバー・バージョンを必ず停止します。その後、新しいRPMファイルを引数として指定して次のコマンドを実行できます。
  1. 現在のグラフ・サーバー・インストールのバージョンを確認します。
    sudo rpm -q oracle-graph
  2. グラフ・サーバーをすでに実行している場合はそれを停止します。
    sudo systemctl stop pgx
  3. rootユーザーまたはsudoで次のコマンドを実行してグラフ・サーバーをアップグレードします。
    sudo rpm -U oracle-graph-24.3.0.x86_64.rpm
    また、次の点にも注意してください。
    • アップグレード・プロセスでは、以前のPGX (PGX.conf)、サーバー(server.conf)およびロギング(logback-server.xmllogback.xml)構成ファイルが自動的に保持されます。ただし、新しいバージョンに変更が含まれている場合、アップグレード・プロセスでは、これらのファイルの最新バージョンが.rpmnew拡張子で作成されます。2つのファイルを比較して(デフォルトのパラメータ値に変更があるかどうか、または新しいパラメータが追加されているかどうかを確認するために)、最新の変更を選択できます。
    • PGXサービス(/etc/systemd/system/PGX.service)のsystemd構成ファイルでの手動での構成変更はすべて失われます。ただし、ドロップイン・ファイルを使用している場合は、ドロップイン・ファイル内のすべてのカスタマイズが維持されます。
    • /var/log/oracle/graph内の既存のログ・ファイルは保持されます。
    • 既存のサーバー・キーストア・ファイル(/etc/oracle/graph/server_keystore.jks)は保持されます。

      注意:

      グラフ・サーバーをバージョン22.3.0以前から24.3.0にアップグレードする場合は、Graph Server and Clientリリース24.3.0でのRPMファイルのインストールによって、デフォルトで自己署名付きサーバーのキーストア・ファイルが生成されることに注意してください。自己署名サーバー証明書を使用している場合は、サーバー構成フィールドserver_certおよびserver_private_keyは非推奨であり、今後のリリースでサポートされなくなることに注意してください。詳細は、「トランスポート層セキュリティの設定」を参照してください。
  4. tmp_dataフォルダが/opt/oracle/graph/pgx/ディレクトリ・パスに存在するかどうかを確認します。

    存在しない場合は、次のように作成して所有権と権限を割り当てます:

    mkdir -p /opt/oracle/graph/pgx/tmp_data
    chown -R :oraclegraph /opt/oracle/graph/pgx/tmp_data
    chmod 0770 /opt/oracle/graph/pgx/tmp_data
  5. グラフ・サーバーを再起動します。
    sudo systemctl daemon-reload
    sudo systemctl start pgx