10 ODBAプロキシの使用方法

z/OS上のIMS/DBへのOracle IMS/DB接続のために、オープン・システムとz/OS上のTuxedo ART for IMS制御の下で実行されているプログラム間に通信が必要です。ODBAプロトコルによって必要とされているため、IMS/DBと同じz/OSイメージ上で実行されている別のアドレス空間が、Tuxedo ART for IMS内のプログラムと通信するように開発され、これらのプログラムのかわりにデータベース処理を実行します。

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10.1 機能

Oracle IMS/DBでは(COBOL/Cプログラムで発行される)次のDL/I呼出しがサポートされています。

  • GU/GHU
  • GN/GHN
  • GNP/GHNP
  • ISRT
  • REPL
  • DLET
  • INQY
  • FLD
  • POS
  • CHKP
  • SYNC
  • ROLB

10.2 IMS/DBの構成

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10.2.1 ARTIMPP/ARTIBMPの構成

ARTIMPP/ARTIMBP.に対してIMS/DB用のOracleプラグインで必要とされるパラメータを構成する必要があります。例:

ARTIMPP SRVGRP=GROUP1

SRVID=5

CLOPT="-A -- -l 1 -x -o zoshost:port:BEA1"

詳細は、『Oracle Tuxedo Application Runtime for IMSリファレンス・ガイド』を参照してください

10.2.2 IMS/DBの構成

各データベースは、様々なセグメントで構成されており、各セグメントは様々なフィールドで構成されています。したがって、データベースの構成は、セグメント定義とフィールド定義の2種類のファイルで構成されます。

imsdbs.descは、$ART_IMS_CONFIGの下にあります。imsdbs.desc構成のいくつかのフィールドは、z/OS上のIMSのいくつかのDBD文からマッピングされています。

segments.descは、データベース内のセグメントを定義し、$segname.descはセグメント内のフィールドを定義します。それらは$ART_IMS_CONFIG/db/$dbnameの下に配置されています。

$segname.descは、アクセス・タイプがimsdbs.descで定義されたGSAMでもMSDBでもないデータベースに対してのみ存在します。

$appname.psbで関連するフィールドを構成することも必要です。詳細は、『Oracle Tuxedo Application Runtime for IMSリファレンス・ガイド』を参照してください

10.3 ODBAプロキシのインストール

IMS/DBサポートは、ODBAを介して提供されます。このサポートは次の2つの部分で構成されています。

ノート:

ODBAプロキシ・ディレクトリは、Tuxedo ART for IMSのインストールが完了した後に$IMSDIRディレクトリの下に生成されます。
  • z/OS (Tuxedo ART for IMSが$IMSDIRディレクトリにインストールされていると想定)。

    z/OSのコンポーネントは$IMSDIR/odbaproxy/mvsディレクトリの下にあります。これらには、次のものが含まれます。

    • ORACLE.ODBA.BACK.XMI - z/OS上で実行される実行可能ファイルで構成されているXMIファイル
    • ./jclの下にあるJCLジョブのグループであり、パッケージのインストールおよびz/OS上のODBAプロキシの実行に使用できます。
  • オープン・システム

    Linux 64ビット(OEL/RHEL)、AIX 64ビット、およびSolaris (Sparc) 64ビットがサポートされています。$IMSDIR/binの下にあるodbastopは、MVS上で実行されているODBAプロキシを停止するために使用されるユーティリティです。$IMSDIR/libの下にあるlibdlidb.soは、IMS/DBへのTuxedo ART for IMSランタイム接続のためのOracleプラグインです。

10.3.1 z/OS上でのOracle Tuxedo Application Runtime for IMS Users ODBAプロキシのインストール

z/OS上にTuxedo ART for IMS ODBAプロキシをインストールするには、次のステップを実行します。

  1. JCLのアップロード
    1. JCLファイル(たとえばUSER.ODBA.JCL)をアップロードするためのPDS (LRECL=80, RECFM=FB)をz/OS上に作成します
    2. mvs/jclの下のすべてのJCLをこのPDSに別のメンバーとしてアップロードします(ftpテキスト・モード)。
  2. XMIデータセットの作成
    1. USER.ODBA.JCL(CREDS)を変更して、それをユーザーの環境に合ったものにします(特にVOL=SERパラメータ)。ユーザーは、作成するデータセット名を、たとえばUSER.ODBA.XMIなどに変更することもできます
    2. CREDSジョブを送信し、それが正常に完了したことを確認します。結果としてUSER.ODBA.XMIが作成されます。
  3. XMIのアップロード

    ローカル・ファイルORACLE.ODBA.BACK.XMIを、z/OS上のデータセットUSER.ODBA.XMI にアップロードします(ftpバイナリ・モード)。

  4. XMIの受信
    1. USER.ODBA.JCL(RECEIVE)を変更し、それをユーザーの環境に合ったものにします。INDSNAMEは、このJCLの入力データセットを指定し、それはXMIデータセットと同一(つまり、ステップ2のUSER.ODBA.XMI)である必要があります。DSNAMEは、このJCLの出力ファイルであり、それがUSER.ODBA.BAKに変更されていると想定しています。
    2. RECEIVEジョブを送信し、それが正常に完了したことを確認します。結果としてUSER.ODBA.BAKが生成されます。
  5. 実行可能ファイルが含まれているPDSのリストア
    1. USER.ODBA.JCL(RESTORE)を変更して、それをユーザーの環境に合ったものにします。VOL=SERを、実行可能ファイルで構成されたターゲットPDSが作成されるボリュームに変更する必要があります。RENAMEUは、ソース名とターゲット名を指定します。ソース名は保持する必要があり、ユーザーはターゲット名を、たとえばUSER.ODBASERV.LOADなどに変更できます。DSNを、ステップ4で設定したDSNAME値に設定します(それがUSER.ODBA.BAKに設定されていると想定します)。
    2. RESTOREジョブを送信し、それが正常に完了したことを確認します。これで実行可能ファイルがUSER.ODBASERV.LOADという名前のPDSに抽出されました。

10.3.2 z/OS上のODBAに対するDRA構成のベスト・プラクティス

z/OS ODBAのベスト・プラクティスに関するドキュメントによると、アプリケーション・プログラムの実行中に頻繁にスレッドを作成および分解すると、タイミングに関連するエラーが発生する可能性があります。DRA起動パラメータで、MINTHREADSMAXTHREADSと同じ値に設定することをお薦めします。

10.3.3 Oracle Tuxedo Oracle Tuxedo Application Runtime for IMS UsersサーバーとODBAプロキシ

Tuxedo ART for IMSサーバーとともにODBAプロキシを使用するには、次の4つのステップを実行する必要があります。

  1. z/OS上のODBAプロキシの起動
    1. USER.ODBA.JCL (RUNPROXY)をユーザーの環境に合ったものに(特にSTEPLIBのDDが適切にUSER.ODBASERV.LOADおよび依存DDを指定するように)変更します。
    2. RUNPROXYジョブを送信し、プロキシを起動します。プロキシを起動する前に、IMS ODBA環境が設定されていることを確認します。
  2. Oracle Tuxedo Server上のTuxedo ART for IMSランタイムを起動します。

    詳細は、『Oracle Tuxedo Application Runtime for IMSリファレンス・ガイド』を参照してください

    UBBCONFIGおよびTuxedo ART for IMSリソースを定義した後、UBBCONFIGをコンパイルし、tmbootコマンドまたはOracle Enterprise Manager TSAMPlusプラグインで提供されるコントロールを使用してそのOracle Tuxedoドメインを起動することで、Tuxedo ART for IMSを実行します。

  3. Tuxedo ART for IMSランタイムを停止する手順は次のとおりです。

    Tuxedo ART for IMSは、z/OS上のODBAプロキシを停止する前に停止する必要があります。tmshutdownコマンド、またはOracle Enterprise Manager TSAMPlusプラグインで提供されているコントロールを使用します。

  4. ODBAプロキシを停止する手順は次のとおりです。
    1. メインフレームから、USER.ODBA.JCL(STOPROXY)JCLを変更し、それを送信してODBAプロキシを停止します
    2. オープン・システムから、odbastopまたはodbactlコマンドを実行します。それによってメッセージがODBAプロキシに送信され、停止がトリガーされます。
  5. オープン・システムからODBAプロキシのステータスを確認する手順は次のとおりです

    オープン・システムから、odbactlコマンドを実行して、ODBAプロキシへのアクセス可否を確認します。

  6. オープン・システムからODBAプロキシへの既存のすべての接続を一覧表示する手順は、次のとおりです

    オープン・システムから、odbactlコマンドを実行して、既存のODBA接続に関する情報(サーバー・アドレスやピア・アドレスなど)を表示します。