Oracle Exadataのグリッド・インフラストラクチャおよびデータベースへのパッチ適用

パッチ計画を使用すると、Exadataデータベース・マシンで稼働しているOracle RACデータベース・ターゲットおよびOracle Grid Infrastructureターゲット(Oracle Clusterware)にパッチを適用できます。

Exadataパッチ適用は、インプレース・パッチ適用とホーム外パッチ適用の2つのモードで実行できますが、付随する停止時間がより短くなるため、ホーム外パッチ適用メカニズムを使用することをお薦めします。

サポートされているExadataリリースの詳細は、パッチ適用にサポートされているターゲット、リリースおよびデプロイメント・プロシージャを参照してください。

ただし、パッチ計画では、Exadataデータベース・マシンのコンピュート・ノード・エンティティ(オペレーティング・システムおよびファームウェアなど)には、そのストレージ・セルとともにパッチを適用しません。パッチを適用するのは、マシンで稼働している関連付けられたOracle RACデータベース・ターゲットおよびOracle Grid Infrastructure (Oracle Clusterware)ターゲットのみです。

ノート:

Oracle RACターゲットおよびOracle Grid Infrastructureターゲット(Oracle Clusterware)に適用される、Oracle Exadata Database Machine推奨のバンドル・パッチは、Cloud Controlでテストされ、動作保証されています。

そのため、Exadataデータベース・マシン推奨のバンドル・パッチでパッチ計画を作成するとき、Exadataデータベース・マシンで稼働しているクラスタ・ターゲットまたはOracle RACデータベース・ターゲットを必ず追加してください。パッチ計画は、Exadataデータベース・マシンとのアソシエーションを自動的に認識し、そのマシンで稼働している影響を受けるターゲットをすべて追加するように要求します。たとえば、クラスタ・ターゲットを選択すると、そのクラスタに含まれていてExadataデータベース・マシンで稼働しているOracle RACデータベース・ターゲットおよびOracle Grid Infrastructureターゲットをすべて追加するように要求されます。

Exadataデータベース・マシンにパッチを適用するには、次のステップを実行します。

  1. 適用する必要があるExadataデータベース・マシン推奨のバンドル・パッチを特定します(「適用するパッチの特定」を参照)。
  2. 「パッチ計画の作成」の説明に従ってパッチ計画を作成します。
  3. Exadataデータベース・マシンで稼働しているクラスタ・ターゲットまたはOracle RACデータベース・ターゲットを追加し、「パッチ計画の分析、準備およびデプロイ」の説明に従って、パッチ計画を分析およびデプロイします。

    ノート:

    • Oracle Databaseプラグイン用に12.1.0.5 Enterprise Manager以上がデプロイされている場合、1つのExadataバンドル・パッチと、任意の数の個別グリッド・インフラストラクチャおよびOracle Databaseパッチを単一のパッチ計画に追加できます。このシナリオでは、パッチ計画の作成の間にExadataバンドル・パッチを追加し、その後個別グリッド・インフラストラクチャおよびOracle Databaseパッチを追加パッチとして追加するようにします。

      Oracle Databaseプラグイン用に12.1.0.5 Enterprise Manager以上がデプロイされていない場合、個別パッチはすでにExadataバンドル・パッチを含むパッチ計画に追加できません。

    • 管理対象のRACデータベースのバージョンが異なり、Oracle Databaseプラグイン用に12.1.0.5 Enterprise Manager以上がデプロイされている場合、グリッド・インフラストラクチャ・ターゲット(Oracle Exadataの一部)にExadataバンドル・パッチを適用できます。このプラグインがデプロイされておらず、管理対象のRACデータベースのバージョンが異なる場合、グリッド・インフラストラクチャ・ターゲットにExadataバンドル・パッチを適用できません。

      たとえば、Oracle Databaseプラグイン用に12.1.0.5 Enterprise Manager以上がデプロイされ、バージョン12.1.0.2のグリッド・インフラストラクチャで構成されているグリッド・インフラストラクチャ・ターゲット(Oracle Exadataの一部)がバージョン11.2.0.4および12.1.0.2のRACデータベースを管理している場合、グリッド・インフラストラクチャ・ターゲットに12.1.0.2 Exadataバンドル・パッチを適用できます。この場合、グリッド・インフラストラクチャ・バイナリおよび12.1.0.2 RACデータベースにはパッチが適用されますが、11.2.0.4 RACデータベースには適用されません。グリッド・インフラストラクチャ・ターゲットに11.2.0.4 Exadataバンドル・パッチを適用することも可能です。この場合、11.2.0.4 RACデータベースにはパッチが適用されますが、グリッド・インフラストラクチャ・バイナリおよび12.1.0.2 RACデータベースには適用されません。

Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACターゲットのExadataのホーム外パッチ適用

Exadataのホーム外パッチ適用メカニズムを使用すると、既存のOracleホームのコピーを作成し、クローニングしたOracleホームにパッチを適用することにより、Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACターゲットにパッチを適用できます。クローニングしたホームにパッチを適用すると、インスタンスを移行してクローニングしたホームから実行できます(つまり、インスタンスの切替え中、停止時間は最小限になり、長時間にはなりません)。

図14-8に、Exadataデータベース・マシンで実行されているOracle Grid InfrastructureおよびOracle RACターゲットがどのようにホーム外パッチ適用モードでパッチが適用されるかを示します:

図14-8 クラスタのホーム外パッチ適用


クラスタのホーム外パッチ適用

これらのインスタンスの移行は、次のモードで実行できます。

  • 完全移行: データ・センター内で実行されているすべてのデータベース・インスタンスを1回のセッションで移行することを選択する場合、これは完全移行と呼ばれます。

  • 部分移行: データ・センター内で許容される停止時間に基づいて一部のインスタンスのみを1回のセッションで移行することを選択する場合、これは部分移行と呼ばれます。ただし、残りのインスタンスは後続のセッションで必ず移行する必要があります。この方法は、Oracleホーム外で実行されているインスタンスが複数ある場合、特に便利です。

ノート:

Exadataデータベース・マシンで実行されているOracle Grid InfrastructureターゲットおよびOracle RACターゲットの完全移行または部分移行の実行方法のステップについては、「パッチ計画の分析、準備およびデプロイ」を参照してください。

「スイッチバック」は、Exadataマシンで実行されているOracle Grid InfrastructureおよびOracle RACターゲットで使用可能なオプションです。このオプションを使用すると、なんらかの問題がある場合に、新しくクローニングしたOracleホームのインスタンスを元のOracleホームに切り替えることができます。

スイッチバックの実行方法の詳細は、「パッチ計画のデプロイ後に元のOracleホームにスイッチバック」を参照してください。