4 ドキュメント定義の作成

この章では、ドキュメント定義を作成および削除するプロセスについて説明します。また、ドキュメント・プロトコルの概念についても説明します。

ドキュメント定義の作成は、Oracle B2Bプロセス・フローの2番目のステップです。ドキュメント定義では、メッセージの検証に使用されるドキュメント・プロトコル(ドキュメント・プロトコル・バージョンおよびドキュメント・タイプ)が指定されます。使用するドキュメント定義ガイドラインは、メッセージのタイプによって異なります(たとえば、XMLメッセージの場合はXSD/DTDです)。

ノート:

XMLでのカスタム・ドキュメント・プロトコルの場合、識別式(XPath)がドキュメントのタイプ/リビジョン/ドキュメント定義間で一意であることを確認します。

トランザクションのホスト取引パートナとリモート取引パートナの両方で、同じドキュメント定義を使用します。ドキュメント定義は、ドキュメント・プロトコル、プロトコル・バージョンおよびドキュメント・タイプの標準に準拠する必要があります。これは、ドキュメント・ガイドライン・ファイルを作成(ステップ1)してから、Oracle B2Bインタフェースでドキュメント定義の作成時にこれらのファイルをインポート(ステップ2)すれば難しいことではありません。

この章の内容は次のとおりです。

ドキュメント・プロトコルの詳細は、ドキュメント・プロトコルの使用 を参照してください。

ドキュメント・プロトコルの概要

カスタム・プロトコルおよびガイドライン・ドキュメントを使用して、ほとんどのプロトコルを定義できます。新規ドキュメント・プロトコルを追加する場合は、常にカスタム・ドキュメントです。

Oracle B2Bでは、次のドキュメント・プロトコルをサポートしています。

  • カスタム

  • OAG

  • RosettaNet

  • UCCNet

  • UserDefined

ドキュメント定義の一部として、ドキュメント・ガイドライン・ファイルを指定できます。検証が有効な場合、実行時のペイロードは、使用するドキュメント定義ファイルのタイプに準拠している必要があります。

ドキュメント階層

図4-1に示すように、ドキュメント・プロトコルは階層とみなすことができます。

図4-1 ドキュメント階層

図4-1の説明が続きます
「図4-1 ドキュメント階層」の説明

ドキュメント・プロトコルは、複数のドキュメント・プロトコル・バージョンで構成できます。ドキュメント・プロトコル・バージョンは、複数のドキュメント・タイプで構成できます。ドキュメント・タイプは、複数のドキュメント定義で構成できます。通常、1つのドキュメント定義で作業を開始し、そのドキュメント定義を様々な取引パートナ向けにカスタマイズします。

図4-2に、カスタムに適用されるドキュメント・プロトコル階層を示します。

図4-2 カスタム・ドキュメント階層



Oracle B2Bインタフェースでは、ドキュメント定義を作成する際、そのドキュメント定義の名前にドキュメント・プロトコル階層が反映されます。

DocumentProtocol-Version-DocumentType-DocumentDefinitionName

例4-1に、カスタム・ドキュメントに対する定義に反映される階層を示します。

ドキュメント・プロトコル: CUSTOM

ドキュメント・プロトコル・バージョン: 4010

ドキュメント・タイプ: PurchaseOrder

ドキュメント定義: PurchaseOrder_def

結果のドキュメント定義:

CUSTOM-4010-PurchaseOrder-PurchaseOrder_def

ドキュメント定義の作成

必要なガイドライン・ファイルを作成した後、Oracle B2Bインタフェースを使用してドキュメント定義を作成し、ガイドライン・ファイルをインポートします。

ノート:

ドキュメント・バージョン、ドキュメント・タイプおよびドキュメント定義は、作成後には編集できなくなります。特定のドキュメント要素(バージョン、タイプまたは定義)を削除して、新しく作成する必要があります。作成後にドキュメント要素を更新すると、メタデータの不整合、メタデータ検証の問題、ランタイム・エラーが発生する原因となる場合があります。

ドキュメント定義を作成するには:
  1. 「管理」タブをクリックします。
  2. 「ドキュメント」タブをクリックします。
  3. いずれかのドキュメント・プロトコルを選択します。

    ノート:

    名前を指定して新規カスタム・ドキュメントを作成するには、「ドキュメント・プロトコル」フォルダをクリックし、「追加」をクリックします。

    次に、プロトコル名を入力します(たとえば、MyXML_Document)。既存のドキュメント・プロトコル名は使用しないでください。

  4. 「新規バージョン」をクリックします。
  5. バージョン名を入力し、ドキュメント・バージョン・パラメータを必要に応じて指定して、「保存」をクリックします。

    バージョンはドキュメントの識別に使用され、プロトコルに応じて、大/小文字が区別され、固定構文が使用される場合があります。

    図4-3に、カスタム・ドキュメントのドキュメント・プロトコル・バージョンのページを示します。

    図4-3 ドキュメント・プロトコル・パラメータの情報の入力



  6. 新しいバージョン名を選択し、「新規タイプ」をクリックします。
  7. ドキュメント・タイプ名を入力し、ドキュメント・タイプ・パラメータを必要に応じて指定して、「保存」をクリックします。

    図4-4に、カスタム・ドキュメントのドキュメント・タイプ・パラメータのページを示します。

    図4-4 ドキュメント・タイプ・パラメータの情報の入力



    パラメータの説明については、次を参照してください:

    • 表8-1 カスタム・ドキュメントのドキュメント・タイプ・パラメータ

    • 表8-6 RosettaNetドキュメントのドキュメント・タイプ・パラメータ

  8. 新しいドキュメント・タイプ名を選択し、「新規定義」をクリックします。
  9. ドキュメント定義名を入力して、次を行います:
    • ドキュメント・プロトコルのガイドライン・ファイルを参照します(該当する場合)。

    • 適用可能な場合は、ドキュメント定義パラメータを指定します。

    図4-5に、カスタム・ドキュメントのドキュメント定義パラメータのページを示します。

    図4-5 ドキュメント定義パラメータの情報の入力



    パラメータの説明については、次を参照してください:

    • 表8-2 カスタム・ドキュメントのドキュメント定義パラメータ

    • 表8-4 OAGドキュメントのドキュメント定義パラメータ

    • 表8-7 RosettaNetドキュメントのドキュメント定義パラメータ

    • 表8-8 UCCnetドキュメントのドキュメント定義パラメータ

  10. 「保存」をクリックします。

ドキュメント定義の削除

ドキュメント定義を削除するには、そのドキュメント定義を使用するすべてのアグリーメントを先に削除します。

その後で、ホスト、およびその定義を参照しているすべてのリモート取引パートナから、サポートされているドキュメント定義を削除します。