8 ドキュメント・プロトコルの使用

この章では、EDI EDIFACT、EDI X12、HL7、RosettaNetなど、Oracle B2Bでサポートされる様々なドキュメント・プロトコルについて説明します。

この章の内容は次のとおりです。

関連情報は、次を参照してください。

カスタム・ドキュメント・プロトコルの使用

ドキュメント・プロトコルは図8-1に示されています。

図8-1 Oracle B2Bのドキュメント・プロトコル



Oracle B2Bは、独自のトランザクションに必要なドキュメントを作成するためのカスタム・ドキュメント・プロトコルをサポートします。XMLメッセージでは、スキーマ適用(XSD)の利点があります。

非XMLメッセージでは、特定のメッセージ・タイプに対する取引パートナ・アグリーメントを作成できます。

カスタム・ドキュメントの作成時には、着信ドキュメントを識別するルールを指定します。XMLドキュメントでは、XPath式および式の予想される結果の値を指定します。

フラット・ファイルなどの非XMLドキュメントでは、開始位置と終了位置、またはドキュメント・ルーティングIDを指定できます。

ドキュメント・バージョン・パラメータ

カスタム・ドキュメントのドキュメント・バージョンを作成する場合、パラメータの設定は不要です。

ドキュメント・タイプ・パラメータ

カスタム・ドキュメント・タイプを作成する場合は、ebXMLドキュメントを識別するためのebXMLメッセージング・サービス(ebMS)を設定できます。図8-2に、カスタム・ドキュメントのドキュメント・タイプ・パラメータを示します。

図8-2 カスタム・ドキュメントのドキュメント・タイプ・パラメータ

図8-2の説明が続きます
「図8-2 カスタム・ドキュメントのドキュメント・タイプ・パラメータ」の説明

表8-1に、カスタム・ドキュメントのドキュメント・タイプ・パラメータを示します。

表8-1 カスタム・ドキュメントのドキュメント・タイプ・パラメータ

パラメータ 説明

「ebMS」タブ

[-]

アクション名

ebXMLヘッダーのアクション名。インバウンド・メッセージとアウトバウンド・メッセージの識別基準でもあります。ebMSドキュメントには、実行時エラーを回避するためのアクション名が必要です。

サービス名

ebXMLヘッダーのサービス名。インバウンド・メッセージの識別基準でもあります。ebMSドキュメントには、実行時エラーを回避するためのサービス名が必要です。

サービス・タイプ

ebXMLヘッダーのサービス・タイプ。インバウンド・メッセージの識別基準でもあります。ebMSドキュメントには、実行時エラーを回避するためのサービス・タイプが必要です。

開始ロール

メッセージを送信する取引パートナ。ここで指定する値は、「プロファイル」タブで指定した「識別子」の値をオーバーライドします。

終了ロール

メッセージを受信する取引パートナ。ここで指定する値は、「プロファイル」タブで指定した「識別子」の値をオーバーライドします。

ebMSヘッダーの検証

選択すると、インバウンドebMSヘッダー(ロールから/ロールへ)の検証が実行されます。

CPAファイル

CPAファイル

ドキュメント定義パラメータ

カスタム・ドキュメント定義を作成する場合は、ファイル・タイプに「XML」または「フラット」を選択し、タブ領域でパラメータを設定します。図8-3に、XMLタイプ・カスタム・ドキュメントのドキュメント定義パラメータを示します。

図8-3 XMLタイプ・カスタム・ドキュメントのドキュメント定義パラメータ

図8-3の説明が続きます
「図8-3 XMLタイプ・カスタム・ドキュメントのドキュメント定義パラメータ」の説明

図8-4に、フラット・ファイル・カスタム・ドキュメントのドキュメント定義パラメータを示します。

図8-4 フラット・ファイル・カスタム・ドキュメントのドキュメント定義パラメータ

図8-4の説明が続きます
「図8-4 フラット・ファイル・カスタム・ドキュメントのドキュメント定義パラメータ」の説明

表8-2に、カスタム・ドキュメントのドキュメント定義パラメータを示します。

表8-2 カスタム・ドキュメントのドキュメント定義パラメータ

パラメータ 説明

「XML」タブ

(「識別タイプ」から「XML」を選択した場合に使用可能)

識別式(XPath)

XMLペイロードのノードを特定します。

識別値

識別式で識別されたノードに照合する値を指定します。値が一致した場合、ドキュメントは正常に識別されます。値を空欄のままにした場合は、ノードの存在がチェックされ、ドキュメントが正常に識別されます。

DTD/XSDネームスペース変換

「なし」「両方」「インバウンド」「アウトバウンド」の中から選択します。

「ルーティング」タブ

[-]

ドキュメント・ルーティングID

バックエンド・アプリケーションに対してコンシューマ名を設定します。

「XPath」タブ

詳細は、「カスタムXMLドキュメントのXPath式の構成方法」を参照してください

XPath名1

ペイロードから値を取得するためのXML XPath名。

XPath式1

ペイロードから値を取得するためのXML XPath式。(表の下のノートを参照)

XPath名2

ペイロードから値を取得するためのXML XPath名。

XPath式2

ペイロードから値を取得するためのXML XPath式。(表の下のノートを参照)

XPath名3

ペイロードから値を取得するためのXML XPath名。

XPath式3

ペイロードから値を取得するためのXML XPath式。(表の下のノートを参照)

「相関」タブ

[-]

XPath名からの相関

相関を開始するための相関プロパティの名前。

XPath式からの相関

相関を開始するためにペイロードから値を取得するためのXML XPath。(表の下のノートを参照)

XPath名への相関

相関のための相関プロパティの名前。

XPath式への相関

相関のためにペイロードから値を取得するためのXML XPath。(表の下のノートを参照)

「フラット」タブ

[-]

識別開始位置

終了位置と組み合せて使用し、開始位置と終了位置の間のペイロードから値を取得します。

識別終了位置

開始位置と組み合せて使用し、開始位置と終了位置の間のペイロードから値を取得します。

識別値

開始位置と終了位置の間の値。

「アプリケーション」タブ

[-]

ドキュメント

内部アプリケーション・ドキュメントの名前。

アクション

ドキュメント内のサブ分類。

XSLTファイル

XSLTファイルの名前。

ノート:

デフォルトのネームスペースを持つEDIドキュメントを使用する場合

//*[local-name()='...']

は使用できますが、一般的な用法

//Segment-TH/Field-101-A1/text()

は使用できません。

カスタムXMLドキュメントのXPath式の構成方法

カスタムXMLドキュメントは、XPath式によって識別されます。XPath式は、ドキュメント・タイプ・パラメータを指定する際に構成します。

XPath式の構成時のオプションは、次のとおりです:

オプション 1: XPathおよび一致する値の指定

トランザクションIDが12345だとします。パラメータを次のように設定します。

フィールド

識別値

12345

識別式

//*[local-name() = 'TransactionID']/text()

ペイロードの識別式の値と、「識別値」に指定した値が比較されます。値が一致するとドキュメントが正常に識別され、対応するドキュメント・タイプとドキュメント・プロトコル・バージョンを使用してアグリーメントが識別されます。例8-1に、このオプションのXMLペイロードの一部を示します。

例8-1 XPathおよび一致する値の指定

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" ?>
<Message xmlns:ns1="http://www.example1.org" xmlns:ns2="http://www.example2.org"
  xmlns="http://www.example3.org"
  xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
  xmlns:ns="http://www.example4.org">
  <MessageHeader>
    <Source>201944019</Source>
    <Destination>205704856</Destination>
    <TransactionID>123456</TransactionID>
    <Version>1-0-0</Version>
  </MessageHeader>
  <Body>
    <ns:Case xsi:schemaLocation="http://www.example4.org" ns1:caseCategoryID="1">
       <ns1:OfficialProvisionNumber>String</ns1:OfficialProvisionNumber>
    </ns:Case>
  </Body>
</Message>
オプション 2: ノードの存在のチェック

registerCommandというノードの存在をチェックする場合を想定します。パラメータを次のように設定します。

フィールド

識別値

空白のままにします。

識別式

/*[local-name()='envelope']/body/transaction/command/*[local-name()='registerCommand']

「識別値」フィールドを空欄のままにした場合は、識別式で識別されたノードがチェックされます。ペイロードのノードが一致すると、ドキュメントが正常に識別されます。例8-2に、このオプションのXMLペイロードの一部を示します。

例8-2 ノードの存在のチェック

<uccnet:envelope xmins:eanucc="http://www.ean-ucc.org/schemas/1.3/eanucc"
  xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
  xmlns:uccnet="http://www.uccnet.org/schemas/2.2/uccnet"
    communicationVersion="2.2"
  xsi:schemaLocation="http://www.uccnet.org/schemas/2.2/uccnet
  http://www.testregistry.net/xmlschema/uccnet/2.2/Envelope.xsd">
  <messageHeader>
    <messageIdentifier>
      <value>791:1_EB3CDC749A1F2BABE03014906CC4605A</value>
    </messageIdentifier>
    <userId>oraclesupXSD</userId>
    <representingParty>
      <gin>0060974050142</gin>
    </representingParty>
  </messageHeader>
  <body>
    <transaction>
      <entityIdentification>
        <uniqueCreatorIdentification>856</uniqueCreatorIdentification>
        <globalLocationNumber>
          <gin>0060974050142</gin>
        </globalLocationNumber>
      </entityIdentification>
      <command>
        <uccnet:registerCommand>
          <registerCommandHeader type="ADD" />
        </uccnet:registerCommand>
      </command>
    </transaction>
  </body>
</uccnet:envelope>
オプション 3: 属性の値のチェック

国属性の値がUSであるとします。パラメータを次のように設定します。

フィールド

識別値

米国

識別式

//*/@country

国属性の値と、「識別値」に設定した値が比較されます。値が一致するとドキュメントが正常に識別されます。例8-3に、このオプションのXMLペイロードの一部を示します。

例8-3 属性の値のチェック

<?xml version="1.0" encoding="windows-1252" ?>
<MyAddress country="US" xmlns="http://www.example.org"
  xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
  xsi:schemaLocation="PO.xsd">
  <name>B2B Buyer</name>
  <street>100 Oracle Parkway</street>
  <city>Redwood City</city>
  <state>CA</state>
  <zip>94065</zip>
</MyAddress>

OAGドキュメント・プロトコルの使用

Oracle B2Bには、多くの業界で使用されている堅牢なXML標準である、Open Applications Group (OAG)標準が実装されています。この標準では、メッセージがビジネス・オブジェクト・ドキュメント(BOD)として定義されます。

OAG標準を作成し、管理している組織の詳細は、http://www.oagi.orgを参照してください。

ドキュメント・バージョン・パラメータ

OAGドキュメントのドキュメント・バージョンを作成する場合、パラメータの設定は不要です。

ドキュメント・タイプ・パラメータ

OAGドキュメント・タイプを作成する場合は、様々なパラメータを設定できます。図8-5に、OAGドキュメントのドキュメント・タイプ・パラメータを示します。

図8-5 OAGドキュメントのドキュメント・タイプ・パラメータ

図8-5の説明が続きます
「図8-5 OAGドキュメントのドキュメント・タイプ・パラメータ」の説明

表8-3に、OAGドキュメントのドキュメント・タイプ・パラメータを示します。

表8-3 OAGドキュメントのドキュメント・タイプ・パラメータ

パラメータ 説明

「制御領域」タブ

[-]

論理識別子

論理識別子

コンポーネント

コンポーネント

タスク

タスク

エラー発生時のFA

有効にすると、CONFIRMATIONフラグが1に設定されます。

言語

言語

コード・ページ

コード・ページ

認可識別子

認可識別子

日時修飾子

日時修飾子属性

ドキュメント定義パラメータ

OAGドキュメント定義を作成する場合は、様々なパラメータを設定できます。図8-6に、OAGドキュメントのドキュメント定義パラメータを示します。

図8-6 OAGドキュメントのドキュメント定義パラメータ

図8-6の説明が続きます
「図8-6 OAGドキュメントのドキュメント定義パラメータ」の説明

表8-4に、OAGドキュメントのドキュメント定義パラメータを示します。

表8-4 OAGドキュメントのドキュメント定義パラメータ

パラメータ 説明

「XML」タブ

[-]

識別式(XPath)

XMLペイロードのノードを特定します。

識別値

識別式で識別されたノードに照合する値を指定します。値が一致した場合、ドキュメントは正常に識別されます。値を空欄のままにした場合は、ノードの存在がチェックされ、ドキュメントが正常に識別されます。

DTD/XSDネームスペース変換

「なし」「両方」「インバウンド」「アウトバウンド」の中から選択します。

「ルーティング」タブ

[-]

ドキュメント・ルーティングID

バックエンド・アプリケーションに対してコンシューマ名を設定します。

「XPath」タブ

詳細は、「カスタムXMLドキュメントのXPath式の構成方法」を参照してください

XPath名1

ペイロードから値を取得するためのXML XPath名。

XPath式1

ペイロードから値を取得するためのXML XPath式。

XPath名2

ペイロードから値を取得するためのXML XPath名。

XPath式2

ペイロードから値を取得するためのXML XPath式。

XPath名3

ペイロードから値を取得するためのXML XPath名。

XPath式3

ペイロードから値を取得するためのXML XPath式。

「相関」タブ

[-]

XPath名からの相関

相関を開始するための相関プロパティの名前。

XPath式からの相関

相関を開始するためにペイロードから値を取得するためのXML XPath。

XPath名への相関

相関のための相関プロパティの名前。

XPath式への相関

相関のためにペイロードから値を取得するためのXML XPath。

「アプリケーション」タブ

[-]

ドキュメント

内部アプリケーション・ドキュメントの名前。

アクション

ドキュメント内のサブ分類。

XSLTファイル

XSLTファイルの名前。

RosettaNetドキュメント・プロトコルの使用

Oracle B2Bには、インターネットを使用してドキュメントを交換するためのXMLベースによる非独占的なRosettaNet標準が実装されています。RosettaNet標準には、情報を交換、確認または確定する時期、および交換メッセージをパッケージ化し、取引パートナ間で物理的に交換する方法が規定されています。Oracle B2Bドキュメント・エディタでRosettaNetドキュメント・ガイドライン・ファイルを使用する以外に、RosettaNet Webサイトから標準DTDファイルをダウンロードすることもできます。

RosettaNet DTDは、SOAコンポジット・アプリケーション内でOracle B2Bと併用する場合、XSDに変換する必要があります。コンポジット・アプリケーションに追加されたAQアダプタは、必要に応じてインバウンドDTDをXSDに変換し、データを操作できます。同様に、Oracle B2Bでメッセージを送信できるように、アウトバウンドXSDをDTDに変換できます。

RosettaNet標準は、RosettaNetパートナ・インタフェース・プロセス(PIP)、RosettaNetディクショナリおよびRNIFを使用して指定されます。Oracle B2BはすべてのPIPをサポートしています。(RosettaNetテクニカル・ディクショナリは、Oracle B2Bでサポートされていません。)

PIP

PIPは、取引パートナ間のビジネス・プロセスを定義するXMLベースのダイアログです。それは、取引パートナ間で交換される各ビジネス・ドキュメント・メッセージの構造、ステップ、ロール(購入者と販売者)のアクティビティ、データ要素、値および値タイプを定義します。

図8-7に、PIP 3A4を例にあげてPIPで取引パートナ間のダイアログを定義する方法を示します。

図8-7 購入者と販売者の間のPIP 3A4メッセージ交換

図8-7の説明が続きます
「図8-7 購入者と販売者の間のPIP 3A4メッセージ交換」の説明

PIP順序は、クラスタ、セグメントおよびタイプを結合したものです。たとえば、PIP順序3A4では、表8-5に示す情報がエンコードされます。

表8-5 PIP 3A4のブレークダウン

要素 説明

3

注文管理クラスタ。取引パートナは次のアクションを実行できます。

  • カタログ製品の注文

  • カスタム注文の作成

  • 製品の配布およびデリバリの管理

  • 返品と金融トランザクションのサポート

3A

見積りおよび注文エントリ・セグメント

3A4

特定のPIPタイプ。次の機能をサポートします。

  • 購入者からの発注の送信

  • 販売者からの発注受入れの送信

  • 確認レスポンスに基づき、購入者が発注の取消しまたは変更を行う機能

ドキュメント・バージョン・パラメータ

RosettaNetドキュメントのドキュメント・バージョンを作成する場合、パラメータの設定は不要です。

ドキュメント・タイプ・パラメータ

RosettaNetドキュメント・タイプを作成する場合は、様々なパラメータを設定できます。図8-8に、RosettaNetドキュメントのドキュメント・タイプ・パラメータを示します。

図8-8 RosettaNetドキュメントのドキュメント・タイプ・パラメータ

図8-8の説明が続きます
「図8-8 RosettaNetドキュメントのドキュメント・タイプ・パラメータ」の説明

表8-6に、RosettaNetドキュメントのドキュメント・タイプ・パラメータを示します。

表8-6 RosettaNetドキュメントのドキュメント・タイプ・パラメータ

パラメータ 説明

「サービス・ヘッダー」タブ

[-]

*開始ロール

メッセージを送信する取引パートナ(PIPのパートナ・ロールの説明に含まれます)。

*終了ロール

メッセージを受信する取引パートナ(メッセージを受信する取引パートナのPIPにおけるロール)。

*開始サービス

メッセージを送信するサービス。

*終了サービス

メッセージの送信先のサービス。

*ビジネス・トランザクション名

ビジネス・トランザクション名が必要です。

*ビジネス・アクション

ビジネス・アクション名が必要です。この値は、グローバル・ビジネス・アクション・コードと一致する必要があります。

*コラボレーションの実行時間

ビジネス・アクションの実行所要時間が必要です。

*コラボレーション名

RosettaNetコラボレーション名は、共通のトランザクションに応じて、取引パートナ間のビジネス・トランザクション(購入者および販売者としてのロール)を表します。必須。

*コラボレーション・コード

短縮されたコラボレーション名のテキスト形式。必須。

ドキュメント定義パラメータ

RosettaNetドキュメント定義を作成する場合は、様々なパラメータを設定できます。図8-9に、RosettaNetドキュメントのドキュメント定義パラメータを示します。

図8-9 RosettaNetドキュメントのドキュメント定義パラメータ

図8-9の説明が続きます
「図8-9 RosettaNetドキュメントのドキュメント定義パラメータ」の説明

表8-7に、RosettaNetドキュメントのドキュメント定義パラメータを示します。

表8-7 RosettaNetドキュメントのドキュメント定義パラメータ

パラメータ 説明

「パラメータ」タブ

[-]

ドキュメント・ルーティングID

バックエンド・アプリケーションに対してコンシューマ名を設定します。

DTD/XSDネームスペース変換

元のRosettaNetドキュメントは、必要に応じて変換済ドキュメントに置き換えることができます。インバウンドとアウトバウンドの両方のメッセージについてRosettaNetドキュメントを変換済ドキュメントに置き換える場合は、「両方」を選択します。インバウンド・メッセージについてRosettaNetドキュメントを変換済ドキュメントに置き換える場合は、「インバウンド」を選択します。アウトバウンド・メッセージについてRosettaNetドキュメントを変換済ドキュメントに置き換える場合は、「アウトバウンド」を選択します。置換を実行しない場合は「なし」を選択します。「なし」の場合は、DTDインスタンスがそのまま渡されます。「インバウンド」の場合は、インスタンスDTDがXSDに変換されます。「アウトバウンド」の場合は、インスタンスXSDがDTDに変換されます。「両方」の場合は、インバウンドとアウトバウンドの両方の形式が変換されます。

「XPath」タブ

詳細は、「カスタムXMLドキュメントのXPath式の構成方法」を参照してください

XPath名1

ペイロードから値を取得するためのXML XPath名。

XPath式1

ペイロードから値を取得するためのXML XPath式。

XPath名2

ペイロードから値を取得するためのXML XPath名。

XPath式2

ペイロードから値を取得するためのXML XPath式。

XPath名3

ペイロードから値を取得するためのXML XPath名。

XPath式3

ペイロードから値を取得するためのXML XPath式。

「相関」タブ

2アクションのPIP (たとえば、3A4)の場合は相関が必要です。

XPath名からの相関

相関を開始するための相関プロパティの名前。たとえば、Pip3A4PurchaseOrderRequest in /*[local-name()='Pip3A4PurchaseOrderRequest']/*[local-name()='thisDocumentIdentifier']/text()

XPath式からの相関

相関を開始するためにペイロードから値を取得するためのXML XPath。

XPath名への相関

相関のための相関プロパティの名前。相関先は、相関に関係している他のメッセージを表します。たとえば、Pip3A4PurchaseOrderConfirmation in/*[local-name()='Pip3A4PurchaseOrderConfirmation']/*[local-name()='requestingDocumentIdentifier']/text()

XPath式への相関

相関のためにペイロードから値を取得するためのXML XPath。

「アプリケーション」タブ

[-]

ドキュメント

内部アプリケーション・ドキュメントの名前。

アクション

ドキュメント内のサブ分類。

XSLTファイル

XSLTファイルの名前。

サービス・ヘッダーのpartnerDefinedPIPPayloadBindingIdパラメータとLocationIdパラメータの使用

Oracle B2Bは、次のサービス・ヘッダー・パラメータに対するサポートを提供します。

  • partnerDefinedPIPPayloadBindingID

  • LocationID

partnerDefinedPIPPayloadBindingIDの構成

Oracle B2Bコンソールで、「ドキュメント・タイプ」の「サービス・ヘッダー」セクションを使用して、partnerDefinedPIPPayloadBindingIDパラメータを構成できます。

locationIDの構成

Oracle B2BコンソールでRosettanetの送信者と受信者のLocationIDを構成するには:

  1. 取引パートナ識別タイプを作成し、値としてRN Location IDを設定します。

    ノート:

    この値では大文字と小文字が区別されます。

  2. 識別子タイプRN Location IDを使用して、ホスト取引パートナとリモート取引パートナの両方の取引パートナ識別子を作成します。
  3. アグリーメントに(通常のDUNS識別子に加えて)、ホスト取引パートナとリモート取引パートナの新しい取引パートナ識別子を追加します。
  4. アグリーメントをデプロイします。

RosettaNet検証

RosettaNet検証は、RosettaNet XML書式のビジネス・ドキュメントの要素を、RosettaNetメッセージのガイドライン仕様に指定されている要件と比較し、その有効性を判断します。この仕様には、要素のデータ型、長さ、値リスト、カーディナリティなどの詳細に関する要件が定義されています。ディクショナリが存在する場合は、RosettaNetディクショナリ検証を必要とするPIPも検証されます。RosettaNet XML書式のビジネス・ドキュメントのセクションに対する最低レベルの検証の要件は、次のようになります。これらの要件は、ドキュメントのプリアンブル、配信ヘッダー、サービス・ヘッダー、サービス・コンテンツ・セクションに適用されます。これらのすべての要件に従わないドキュメントは無効とされます。

  1. XML書式のビジネス文書はDTDに従う必要があります。
  2. RosettaNetメッセージのガイドライン仕様に指定されたデータ型、データ長またはその両方を持つ要素は、この仕様に照らして検証します。
  3. 対応するRosettaNetメッセージ・ガイドライン仕様のエンティティ・インスタンス・リストに指定された要素の値リストも、この仕様に照らして検証します。
  4. メッセージ・ガイドライン仕様に、対応するDTD仕様と異なる要素のカーディナリティ仕様が定義されている場合は、メッセージ・ガイドライン仕様が優先されます。
  5. PIPで辞書検証が必要で、辞書が含まれる場合は、アクション・パフォーマンスの一部としてサービス・コンテンツを辞書に照らして検証します。
  6. クロスタグ検証はメッセージ・ガイドラインに基づきます。

UCCNetドキュメント・プロトコルの使用

Oracle B2Bには、取引パートナ(通常は小売および消費財産業の小売業者およびサプライヤ)がUCCNetを使用してドキュメントを交換できるようにUCCNetが実装されています。

Oracle B2BでサポートされているUCCNetドキュメント・タイプを次にリストします。

  • registerCommand

  • confirmCommand

  • linkCommand

  • checkComplianceCommand

  • documentCommand

  • documentIdentificationCommand

  • notificationStateCommand

  • queryCommand

  • registerLinkCommand

  • publicationCommand

  • publishCommand

  • catalogueItemMaintenanceCommand

  • priceCommand

  • validateCommand

  • registerOwnershipCommand

  • subscriptionCommand

  • notifyCommand

  • response

ドキュメント・バージョン・パラメータ

UCCNetドキュメントのドキュメント・バージョンを作成する場合、パラメータの設定は不要です。

ドキュメント・タイプ・パラメータ

UCCNetドキュメントのドキュメント・タイプを作成する場合、パラメータの設定は不要です。

ドキュメント定義パラメータ

UCCNetドキュメント定義を作成する場合は、様々なパラメータを設定できます。図8-10に、UCCNetドキュメントのドキュメント定義パラメータを示します。

図8-10 UCCNetドキュメントのドキュメント定義パラメータ

図8-10の説明が続きます。
「図8-10 UCCNetドキュメントのドキュメント定義パラメータ」の説明

表8-8に、UCCNetドキュメントのドキュメント定義パラメータを示します。

表8-8 UCCnetドキュメントのドキュメント定義パラメータ

パラメータ 説明

「XML」タブ

「XML」タブには次のパラメータが表示されます。

識別式(XPath)

XMLペイロードのノードを特定します。

識別値

識別式で識別されたノードに照合する値を指定します。値が一致した場合、ドキュメントは正常に識別されます。値を空欄のままにした場合は、ノードの存在がチェックされ、ドキュメントが正常に識別されます。

「ルーティング」タブ

「ルーティング」タブには次のパラメータが表示されます。

ドキュメント・ルーティングID

バックエンド・アプリケーションに対してコンシューマ名を設定します。

「XPath」タブ

詳細は、「カスタムXMLドキュメントのXPath式の構成方法」を参照してください

XPath名1

ペイロードから値を取得するためのXML XPath名。

XPath式1

ペイロードから値を取得するためのXML XPath式。

XPath名2

ペイロードから値を取得するためのXML XPath名。

XPath式2

ペイロードから値を取得するためのXML XPath式。

XPath名3

ペイロードから値を取得するためのXML XPath名。

XPath式3

ペイロードから値を取得するためのXML XPath式。

「相関」タブ

「相関」タブには次のパラメータが表示されます。

XPath名からの相関

相関を開始するための相関プロパティの名前。

XPath式からの相関

相関を開始するためにペイロードから値を取得するためのXML XPath。

XPath名への相関

相関のための相関プロパティの名前。

XPath式への相関

相関のためにペイロードから値を取得するためのXML XPath。

「アプリケーション」タブ

「アプリケーション」タブには次のパラメータが表示されます。

ドキュメント

内部アプリケーション・ドキュメントの名前。

アクション

ドキュメント内のサブ分類。

XSLTファイル

XSLTファイルの名前。

1Syncドキュメントの作成

1Syncドキュメント・プロトコルは、売主と買主の間でのデータの同期に役立ちます。これにより、継続的なデータの同期による製品と場所の情報の転送が可能になります。

1Sync XMLドキュメントを作成するには、カスタム・ドキュメント・プロトコルまたはUCCNetドキュメント・プロトコルを使用します。

ノート:

GS-1の組織では、標準名をUCCNetから1Syncに変更しました。シードされたUCCNetドキュメント・プロトコルを使用するか、1Syncの新しいカスタム・ドキュメント・プロトコルを作成します(図を参照)。どちらも機能は同じです。

図8-11は、カスタム・ドキュメント・プロトコルを使用した1Syncドキュメントのドキュメント定義を示しています。

図8-11 1Syncドキュメント定義

図8-11の説明が続きます。
「図8-11 1Syncドキュメント定義」の説明

次のように1Syncのリクエスト・メッセージとレスポンス・メッセージを関連付けることができます。

詳細は、「カスタム・ドキュメント・プロトコルの使用」を参照してください。

ドキュメント詳細の変更

リモート取引パートナに対するドキュメント詳細(ドキュメント・プロトコル・バージョンおよびドキュメント・タイプ・パラメータ)は、「パートナ」「ドキュメント」タブから変更できます。ホスト管理者はリモート取引パートナのドキュメント詳細をここで変更でき(ホスト管理者は、自分のデータは「管理」「ドキュメント」タブで変更する必要があります)、リモート管理者は、ドキュメント・タイプへのアクセスが許可されている場合、自分のデータのドキュメント詳細を変更できます。

詳細は、「ドキュメント・タイプへのアクセス制限」を参照してください。

図8-14では、「ドキュメントの詳細」セクションの「バージョン」タブを示します。このタブでは、ドキュメント・プロトコルのバージョンのパラメータを変更できます。

図8-14 ドキュメント詳細の変更



図8-15では、「ドキュメント・タイプ」タブが示されています。このタブでは、ドキュメント・タイプのパラメータを変更できます。

図8-15 ドキュメント詳細の変更



オーバーライド値が提供されていることを示すには、「バージョン・パラメータのオーバーライド」および「DocTypeパラメータのオーバーライド」パラメータを使用します。リモート取引パートナに対して設定したドキュメント・タイプ・パラメータ値は、ドキュメントの作成時に「管理」「ドキュメント」タブでドキュメント定義に設定した、デフォルトのドキュメント・タイプ・パラメータ値より優先されます。

ドキュメントの詳細をオーバーライドするには:

  1. 「パートナ」タブをクリックします。
  2. 「ドキュメント」タブをクリックします。
  3. リモート取引パートナを選択します。
  4. ドキュメント定義を選択します。
  5. 適用するオーバーライド・タイプを選択します。
    • バージョン・パラメータのオーバーライド

    • DocTypeパラメータのオーバーライド

  6. 「バージョン」タブまたは「ドキュメント・タイプ」タブ、あるいはその両方でオーバーライドの値に値を指定します。
  7. 「保存」をクリックします。

アグリーメントをデプロイした後のドキュメント定義の変更

アグリーメントをデプロイした後のドキュメント定義の変更は、取引パートナのプロファイルに反映されません。「パートナ」「ドキュメント」タブの「ドキュメントの詳細」領域を使用して、ドキュメント・プロトコル・バージョンとドキュメント・タイプ・パラメータを変更します。その後で、アグリーメントを再デプロイします。

メタデータをインポートした後のドキュメント定義の変更

B2Bメタデータをインポートし、次に「管理」「ドキュメント」タブからドキュメントを変更した場合は、ホストおよびリモート取引パートナに対するサポート・ドキュメント定義にも、「パートナ」「ドキュメント」タブから同じ変更を加える必要があります。変更を加えるには、「ドキュメントの詳細」の下にある「バージョン」「ドキュメント・タイプ」および「定義」タブを使用します。

ドキュメント・ルーティングIDの使用

ドキュメント・ルーティングIDは、AQキューにエンキューする際、およびSOAコンポジット・アプリケーションでB2Bドキュメントを使用する際の2つの状況で役立ちます。 AQキューにエンキューされたメッセージに対してドキュメント・ルーティングIDを設定する場合は(インバウンドのみ)、AQコンシューマ名がドキュメント・ルーティングIDに設定されます。SOAコンポジット・アプリケーション内では、B2Bバインディング・コンポーネントでドキュメント定義のかわりにドキュメント・ルーティングIDを使用すると、同じドキュメント・ルーティングIDのすべてのメッセージが、同じSOAコンポジットにルーティングされます。

これは、異なるドキュメント定義が多数あり、それらを同じ方法で処理する際に役立ちます。WSDLでは、ドキュメント定義のかわりにドキュメント・ルーティングIDが使用されます。SOAコンポジット・アプリケーションでは、図8-16に示すように、B2B構成ウィザードに、ドキュメント定義を選択するかわりにドキュメント・ルーティングIDを使用するオプションが用意されています。

図8-16 Oracle JDeveloperの「ドキュメント・ルーティングID」オプション



AQの使用時に、デフォルトのb2buserを使用するかわりにルーティングID値を設定する場合は、値を数値に設定しないでください。英字と数字の組合せを使用してください。