タスク・サービス

タスク・サービスにより、タスクに対するアクションを実行するための操作が公開されます。表34-4に、タスク・サービスの一般的な操作の一部を示します。パッケージoracle.bpel.services.workflow.taskは、タスク・サービスに対応しています。

タスク・サービスの詳細は、『Oracle SOA Suiteワークフロー・サービスJava APIリファレンス』を参照してください。

表34-4 タスク・サービスのメソッド

メソッド 説明

acquireTask

タスクを獲得します。

acquireTasks

一連のタスクを獲得します。

addAttachment

タスクに添付を追加します。

ノート: このAPIで、クライアントは、タスクの作成前に添付を追加するためのAPIをコールできるようになります。タスクがまだ作成されていない場合は、クライアントはtaskId equals NULLを指定してAPIをコールできます。ただし、添付は、タスクが作成される前にアップロードされているため、Oracle Workflowサービスでは、同じ名前を持つ複数の添付をタスクの開始前に追加することはできません。

タスクがすでに作成されている場合は、複数の添付に同じ名前が付いていると、Oracle Workflowサービスではその添付の最新バージョンのみが保持されます。

addComment

タスクにコメントを追加します。

createToDoTask

To Doタスクを作成します。

delegateTask

タスクを別のユーザーに委任します。現在の割当て先とタスク委任先ユーザーの両方が、タスクを表示して操作できます。

delegateTasks

タスクのリストを別のユーザーに委任します。現在の割当て先とタスクのリスト委任先ユーザーの両方が、タスクを表示して操作できます。

deleteTask

タスクの論理削除を実行します。データベース上にはタスクはまだ存在します。

deleteTasks

タスクのリストの論理削除を実行します。データベース上にはタスクはまだ存在します。

errorTask

タスクをエラーにします。通常、この操作はエラー割当て先が使用します。

escalateTask

タスクをエスカレートします。デフォルトでは、現行のユーザーのマネージャにエスカレートします。これはエスカレーション関数を使用してオーバーライドできます。

escalateTasks

複数のタスクをまとめてエスカレートします。デフォルトでは、現行のユーザーのマネージャにエスカレートします。これはエスカレーション関数を使用してオーバーライドできます。

getApprovers

タスクの前の承認者を取得します。

getFutureParticipants

タスクの今後の参加者を取得します。今後の参加者は、単純参加者を含むルーティング・スリップ形式で返されます(ルーティング・スリップを含む参加者ノードとパラレル・ノード)。

getUsersToRequestInfoForTask

情報リクエストのリクエストが可能なユーザーを取得します。

initiateTask

タスクを開始します。

mergeAndUpdateTask

タスクをマージおよび更新します。この操作を使用するのは、部分タスクに更新が必要な場合です。部分タスクとは、一部のタスク属性が存在しないタスクです。この部分タスクでは、次のタスク属性のみが解析されます。

  • タスク・ペイロード

  • コメント

  • タスクの状態

  • タスクの結果

overrideRoutingSlip

タスク・インスタンスのルーティング・スリップを新規ルーティング・スリップでオーバーライドします。現行のタスク割当てはNULLになり、タスクの開始時には新規ルーティング・スリップが解析されます。

purgeTask

永続ストアからタスクを削除します。

purgeTasks

永続ストアからタスクのリストを削除します。

pushBackTask

タスクを前の承認者または当初の割当て先にプッシュバックします。当初の割当て先は、タスクの再割当てやエスカレートを実行している可能性があるため、承認者でなくてもかまいません。タスクが当初の割当て先にプッシュバックされるか、承認者にプッシュバックされるかは、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlの「システムMBeanブラウザ」のプロパティ「PushbackAssignee」によって制御されます。

  1. 「SOAインフラストラクチャ」メニューから、「管理」「システムMBeanブラウザ」の順に選択します。

  2. 「アプリケーション定義のMBean」「oracle.as.soainfra.config」「サーバー: soa_server1」「WorkflowConfig」「human-workflow」の順に選択します。

  3. 「PushbackAssignee」をクリックして値を表示または変更します。

ノート: プッシュバックは、グループ投票ではなく単一承認者で機能するように設計されています。グループ投票(またはパラレル)シナリオを含むステージから別ステージへのプッシュバックは、許可されません。同様に、単一の割当て先からグループ投票(またはパラレル)シナリオにプッシュバックすることもできません。

reassignTask

タスクを再割当てします。

reassignTasks

複数のタスクをまとめて再割当てします。

reinitiateTask

タスクを再開します。タスクを再開すると、前に完了したタスクが持ち越されるため、履歴、コメントおよび添付も新規タスクに持ち越されます。

releaseTask

前に獲得したタスクをリリースします。

releaseTasks

前に獲得した一連のタスクをリリースします。

removeAttachment

タスクの添付を削除します。

renewTask

タスクの期限を更新して有効期間を延長します。

requestInfoForTask

タスク情報をリクエストします。

requestInfoForTaskWithReapproval

再承認を伴うタスク情報をリクエストします。たとえば、jcooperがタスクを作成し、jsteinwfaulkが同じ順序でタスクを承認したとします。次の承認者であるcdickensjcooperに対して再承認を伴う情報のリクエストを送信すると、jcooperはリクエストされた情報を発行し、jsteinwfaulkcdickensより先にそのタスクを承認します。cdickensjsteinに対して再承認を伴う情報のリクエストを送信すると、jsteinはリクエストされた情報を発行し、wfaulkcdickensより先にそのタスクを承認します。

resumeTask

タスクを再開します。ワークフローの保留を解除するために、タスク所有者(またはBPMWorkflowSuspend権限を持つユーザー)のみが実行できる操作です。ヒューマン・ワークフローの再開後は、タスクに対するアクションを実行できます。

resumeTasks

一連のタスクを再開します。

routeTask

タスクを、レビューする必要のある次のユーザーに非定型の形式でルーティングできるようにします。ユーザーは、タスクをシリアル、パラレルまたは単一割当てでルーティングするように指定できます。タスクをルーティングできるのは、ヒューマン・ワークフローでタスクの非定型ルーティングが許可されている場合のみです。

skipCurrentAssignment

現在の割当てをスキップして次の割当てに移動するか、他に割当て先が存在しない場合は、直前の承認者が設定した結果を使用します。

submitInfoForTask

タスク情報を発行します。通常、このアクションは、必要なタスク更新を実行した後、または追加情報を含むコメントや添付を追加した後に実行します。

suspendTask

タスク所有者(またはBPMWorkflowSuspend権限を持つユーザー)に、ヒューマン・ワークフローの一時的な保留を許可します。この場合、タスクの有効期限とエスカレーションは、ワークフローが再開されるまで適用されません。一時停止されているタスクには、アクションを実行できません(再開または取消しを除く)。

suspendTasks

一連のタスクを一時停止します。

updateOutcomeOfTasks

一連のタスクの結果を更新します。

updatePriority

指定したタスクIDのタスクおよびそのサブタスクの優先度を更新します。UpdatePriorityTypeINCREMENTの場合、指定した優先度を1ずつ増分することにより、タスクが更新されます(つまり、タスクの優先度は高くなります)。UpdatePriorityTypeDECREMENTの場合、優先度を1ずつ減分することによりタスクが更新され(つまり、タスクの優先度は低くなります)、それ以外の場合には、指定した優先度で更新されます。

updatePriorityOfTasks

タスクの一括更新に使用します。優先度の更新が必要なタスクのリストを、このAPIに対してパラメータとして渡すことができます。タスクのリストの優先度が更新されます。これにより、タスクおよびそのサブタスクの優先度が更新されます。

updateTask

タスクを更新します。

updateTaskOutcome

タスクの結果を更新します。

updateTaskOutcomeAndRoute

タスクの結果を更新してタスクをルーティングします。タスクをルーティングすると、ユーザーはそのタスクを、レビューする必要のある次のユーザーに非定型の形式でルーティングできます。ユーザーは、タスクをシリアル、パラレルまたは単一割当てでルーティングするように指定できます。タスクをルーティングできるのは、ヒューマン・ワークフローでタスクの非定型ルーティングが許可されている場合のみです。

withdrawTask

タスク作成者は、ヒューマン・ワークフローを介してタスクを送る必要がなくなった場合、保留中のタスクを取り消すことができます。タスク所有者も、作成者のかわりにタスクを取り消すことができます。タスクが取り消されると、ビジネス・プロセスは、タスクの状態属性が「取消し済」に設定された状態でコールバックされます。

withdrawTasks

一連のタスクを取り消します。