8.12 レポート・リージョンの出力

いくつかの異なる形式にエクスポートすることによって、出力するレポート・リージョンを構成します。

ヒント:

外部プリント・サーバーを構成した場合は、レポート出力を使用するようにネットワーク・サービスを有効にする必要があります。「Oracle Databaseでのネットワーク・サービスの有効化」を参照してください。

8.12.1 レポート出力について

リージョン・レポート出力について説明します。

リージョン・レポート出力を利用すると、アプリケーション・ユーザーは、印刷の方向、ページ・サイズ、列ヘッダーおよびページのヘッダーとフッターが事前定義されたレポートを表示および出力できます。クラシック・レポート、対話モード・レポートおよび対話グリッドでも、PDF、Microsoft Excel、HTMLおよびカンマ区切り値(CSV)へのエクスポートが可能です。その他のエクスポート形式では、外部プリント・サーバーを使用する必要があります。

Oracle APEXでは、次のレポート出力構成オプションが提供されています:

  • なし(ネイティブ) - 外部プリント・サーバーを使用しない場合は、このオプションを選択します。このオプションを使用すると、CSV、HTML、PDFおよびXLSXを含む基本的な出力機能を使用できます。
  • Oracle Document Generator事前構築済ファンクション - Oracle Document Generator事前構築済ファンクションを使用している場合は、このオプションを選択します。このオプションを使用すると、Oracle Document Generator事前構築済ファンクションを使用して、レポート問合せ結果を取得し、それらをJSONからPDFまたはMicrosoft Office形式に変換できます。APEX内でレポートを出力するための独自のMicrosoft Officeテンプレートをアップロードするには、このオプションを選択します。
  • Oracle BI Publisher - Oracle BI Publisher (Oracle XML Publisherとも呼ばれる)の使用許諾が必要です。このオプションによって、レポートの問合せ結果を取得し、Oracle BI Publisherを使用して、XMLからRTF形式に変換できるようになります。このオプションは、APEX内でのレポート出力用に、独自にカスタマイズしたRTFまたはXSL-FOのテンプレートをアップロードする場合に選択します。

    Oracle BI Publisherでは、Adobe Portable Document Format (PDF)、Microsoft Wordリッチ・テキスト形式(RTF)、Microsoft Excel形式(XLS)またはExtensible Markup Language (XML)がサポートされています。他のサードパーティ・レンダリング・エンジンを使用することにした場合は、他の出力形式を構成することもできます。

  • APEX Office Print - APEX Office Printを使用している場合は、このオプションを選択します。このオプションを使用すると、APEX Office Printを使用して、レポート問合せ結果を取得し、JSONからPDF/MS Office形式に変換できます。APEX内でレポートを出力するための独自のMS Officeテンプレートをアップロードするには、このオプションを選択します。
  • 外部(Apache FOP) - 外部J2EEサーバーでApache FOPを使用している場合に、このオプションを選択します。このオプションによって、APEXで提供されるデフォルトのテンプレートおよび独自にカスタマイズしたXSL-FOテンプレートを使用して、レポート問合せの作成およびレポート・リージョンの出力が含まれる、基本的な出力機能が使用できるようになります。

ノート:

APEXインスタンス管理者は、インスタンスのレポート出力構成を変更できます。『Oracle APEX管理ガイド』インスタンスのレポート出力の構成

8.12.2 PDFおよびExcelへのレポート出力について

PDFおよびMicrosoft Excelへのレポート出力について学習します。

Oracle APEXには、基本的なレポートをPDFおよびMicrosoft Excelに印刷するためのネイティブ・サポートが含まれています。レポートの完全な制御および拡張レイアウトが必要な場合は、Oracleではレポート・サーバーを使用することをお薦めします。

ネイティブPDFおよびMicrosoft Excelの制限事項:

  • PDFのレポート行は複数の行にまたがり、1つの改ページがある場合があります。行がこの制限を超える場合、テキストは切り捨てられます。
  • Microsoft Excelのセルの最大テキスト・サイズは32kです。セルがこの制限を超える場合、テキストは切り捨てられます。

8.12.3 アプリケーション・レベルでのレポート出力の構成

アプリケーション・レベルでレポート出力を構成します。

アプリケーションのプリント・サーバー・タイプを構成するには、「アプリケーション定義」ページで「プリント・サーバー・タイプ」属性を編集します。アプリケーション・レベルのプリント・サーバー・タイプは、インスタンス管理の同様の設定をオーバーライドします。

アプリケーション・レベルでレポート出力を構成するには:

  1. ワークスペースのホームページで、「アプリケーション・ビルダー」アイコンをクリックします。
  2. アプリケーションを選択します。
    アプリケーションのホームページが表示されます。
  3. アプリケーションのホームページから、「定義」ページに、次の2通りの方法でアクセスできます:
    • 「アプリケーション定義の編集」ボタンをクリックします。
    • 「共有コンポーネント」からの場合:
      • 「共有コンポーネント」をクリックします。
      • 「アプリケーション・ロジック」で、「アプリケーション定義」をクリックします。

    定義ページが表示されます。

  4. レポート出力:
    1. プリント・サーバー・タイプ - 「プリント・サーバー・タイプ」では、アプリケーションのプリント・サーバーを制御します。この設定は、「管理サービス」の同様の設定を上書きします。オプションは次のとおりです。
      • ネイティブ出力 - ネイティブ出力を使用します。外部プリント・サーバーは必要ありません。カスタム・レポート・レイアウトはサポートされていません。
      • リモート・プリント・サーバー - ワークスペース・ユーティリティで構成されている"プリント・サーバー"・タイプのリモート・サーバーを選択します。
      • インスタンス設定の使用 - 管理サービスにおいてインスタンス・レベルで定義されているレポート出力設定を使用します。
    2. 「変更の適用」をクリックします。

    ノート:

    ドキュメント・ジェネレータをアプリケーション・レベルでプリント・サーバーとして選択したり、追加することはできません。管理サービスで構成する必要があります。構成後にドキュメント・ジェネレータを使用するには、「プリント・サーバー・タイプ」を「インスタンス設定の使用」に設定します。
  5. (リモート・プリント・サーバーのみ)認証が必要です - リモート・プリント・サーバーに認証が必要かどうかを指定します。
  6. (リモート・プリント・サーバーのみ)資格証明 - ワークスペース・ユーティリティで定義されている資格証明を選択します。

新しいリモート・プリント・サーバーを追加するには:

  1. 「リモート・プリント・サーバーの追加」をクリックします。
    「リモート・プリント・サーバーの追加」ウィザードが表示されます。
  2. プリント・サーバー・タイプ - プリント・サーバーのタイプを選択します:
    • Oracle Analytics Publisher - このオプションは、有償版のOracle Analytics Publisherを使用している場合に選択します。このオプションによって、レポートの問合せ結果を取得し、Oracle Analytics Publisherを使用して、XMLからRTF形式に変換できるようになります。このオプションは、APEX内でのレポート出力用に、独自にカスタマイズしたRTFまたはXSL-FOのテンプレートをアップロードする場合に選択します。
    • APEX Office Print - APEX Office Printを使用している場合は、このオプションを選択します。
  3. 次のように指定します:
    1. 名前 - ここにはリモート・サーバー・オブジェクトの名前を入力します。リモート・サーバー名は、ワークスペース内で一意である必要があります。
    2. 静的識別子 - 静的IDを使用して、APIコールでリモート・サーバーを参照します。
    3. エンドポイントURL - 外部プリント・サーバーのエンドポイントURLを入力します。
    4. HTTPSホスト名 - HTTPSリクエストに対してリモート・サーバーの証明書の共通名(CN)と照合するホスト名を入力します。NULLである場合、特定のURL内のホスト名が使用されます。
    5. 「次」をクリックします。
  4. リモート・プリント・サーバー資格証明を追加します:
    1. 認証が必要です - リモート・プリント・サーバーに認証を使用するかどうかを決定します。詳細は、フィールドレベル・ヘルプを参照してください。
    2. 名前 - Web資格証明のわかりやすい名前を入力します。この名前はワークスペース内で一意である必要があります。
    3. 静的識別子 - 静的IDを使用して、APIコールでWeb資格証明を参照します。
    4. (Oracle Analytics Publisherのみ)ユーザー名 - Basic認証のユーザー名を入力します。APEXでは、この情報を暗号化して保存しません。
    5. (Oracle Analytics Publisherのみ)パスワード - Basic認証のパスワードを入力します。APEXでは、この情報を暗号化して保存するため、クリア・テキストで回収できなくなります。
    6. (APEX Office Printのみ) APIキー - 認証のためのAPIキーを入力します。APEXでは、この情報を暗号化して保存するため、クリア・テキストで回収できなくなります。
  5. 「変更の適用」をクリックします。

8.12.4 クラシック・レポートの出力メソッドについて

クラシック・レポート・リージョンの出力について説明します。

クラシック・レポートのリージョンは、次の2つの方法で出力できます。

レポート・リージョンおよびレポート問合せは、次の形式でダウンロードできます。

  • PDF - Adobe Portable Document Format。

  • RTF - Microsoft Word Rich Text Format。

  • Excel - Microsoft Excel形式。BI Publisherがプリント・サーバーとして構成され、カスタム・レポート・レイアウトが指定されている場合、コンテンツはHTMLベースであるため、エクスポートは本当の.xlsファイルではありません。

  • HTML

  • XML - Extensible Markup Language。

レポート・リージョンまたはレポート問合せを書式設定するには、レポート・レイアウトと関連付けます。

ヒント:

また、アイテムによって出力結果を指定させることもできます(このようなアイテムは実行時に出力形式を決定します)。形式値を保持するアイテムを選択します。有効な値は、「PDF」、「RTF」(ドキュメントをMicrosoft Wordで開く)、「XLS」(ドキュメントをMicrosoft Excelで開く)および「HTML」(ドキュメントをHTMLファイルとしてダウンロードする)です。

8.12.5 クラシック・レポート出力属性の構成

出力属性の構成によるレポート・リージョンの出力について説明します。

レポート・リージョンを出力する方法の1つは、出力属性を構成する方法です。構成した属性は、現行のリージョンのみに適用され、リージョンのコンテキスト以外では使用できません。

出力用にクラシック・レポート・リージョンを構成するには:

  1. ページ・デザイナでページを表示します。
    1. ワークスペースのホームページで、「アプリケーション・ビルダー」アイコンをクリックします。
    2. アプリケーションを選択します。
    3. ページを選択します。
    ページ・デザイナが表示されます。
  2. 「レンダリング」タブで、レポートを含むリージョンを選択します。
  3. 「出力」属性を有効にします。
    1. プロパティ・エディタで、「属性」タブを選択します。
    2. 「出力」で、「有効」「オン」に設定します。
  4. 出力属性を構成します。
    1. プロパティ・エディタで、「出力」タブを選択します。
    2. 適切な出力属性を編集します。

      ヒント:

      属性のヘルプを表示するには、プロパティ・エディタで属性を選択し、中央ペインで「ヘルプ」タブをクリックします。

  5. 変更を保存するには、「保存」をクリックします。ページを保存して実行するには、「ページの保存と実行」をクリックします。

8.12.6 レポート問合せについて

レポート問合せについて説明します。

レポート・リージョンは、レポート問合せを共有コンポーネントとして定義することによって出力できます。レポート問合せでは、表、SQL問合せまたはRESTデータ・ソースを使用して、抽出するデータが識別されます。レポート問合せは、SQL文を戻すファンクションではなく、SQL文である必要があります。

8.12.7 レポート・レイアウトについて

レポート・レイアウトについて説明します。

クラシック・レポート・リージョン、対話モード・レポート・リージョンまたはレポート問合せをフォーマットするには、レポート・レイアウトと関連付けます。レポート・レイアウトを使用すると、印刷用形式でデータをレンダリングできます。レポート・レイアウトを選択しない場合は、デフォルトのXSL-FOレイアウトが使用されます。