8.5.12 更新の実行

ローリング方式(--rollingフラグを使用)または非ローリング方式で、Exadataデータベース・サーバーの実際の更新を実行できます。デフォルトは非ローリング方式です。

また、「root以外のユーザーとしての更新ユーティリティの実行および複数の起動の同時実行」の説明に従って、更新はrootとしてもroot以外のユーザーとしても(--log_dirフラグを使用)実行できます。

更新は、Minimum依存性チェックが成功した場合にのみ続行します。更新を続行するために、カスタマイズを削除することが必要になる場合があります。

デフォルトでは、更新によって、非アクティブなシステム・イメージにバックアップが作成されます。すでにバックアップを作成してあり、前提条件チェックの実行前にイメージを変更していない場合は、更新の実行時に-–nobackupフラグを省略できます。

ノート:

--nobackupフラグを使用するのは、前提条件チェックの実行前にすでにバックアップを作成しており、イメージを変更していない場合のみです。

更新アクションには、次のフラグが必要です。

  • -–upgradeには、更新アクションを指定します

  • --repoには、Exadata更新リポジトリのベースURLまたは圧縮済ISOファイルへのパスを指定します。

  • --target_versionには、更新先のリリースを指定します。パッチのREADMEには、常に、この情報が含まれています。

バックアップ中および更新中のアクティブなリモート・ネットワーク・マウントを許可する追加のフラグ(--allow_active_network_mounts)を指定し、更新ステータス通知用の電子メールの受信者(--smtp_from "addr"および--smtp_to "addr1 addr2 addr3...")を指定できます

例8-17 YUMリポジトリのISOイメージを使用した更新の実行

次の例では、rootとして実行し、YUMリポジトリのISOイメージを使用した更新アクションを示します。アクティブなネットワーク・マウントを許可し、ステータス通知用に電子メール情報を指定しています。

[root@pmserver ]# ./patchmgr --dbnodes ~/dbs_group --upgrade --repo /var/stage/p35869377_231000_Linux-x86-64.zip 
--target_version 23.1.8.0.0.231109 --allow_active_network_mounts --smtp_from "sender@somedomain.com" 
--smtp_to "receiver@somedomain.com" --nobackup

次の例では、ISO YUMリポジトリを使用してリモート・ホストからroot以外のユーザーとして実行した更新アクションを示します。アクティブなネットワーク・マウントを許可し、ステータス通知用に電子メール情報を指定しています。

[oracle@pmserver ]$ ./patchmgr --dbnodes ~/dbs_group --upgrade --repo /var/stage/p35869377_231000_Linux-x86-64.zip 
--target_version 23.1.8.0.0.231109 --allow_active_network_mounts --log_dir auto --smtp_from "sender@somedomain.com" 
--smtp_to "receiver@somedomain.com" --nobackup

例8-18 YUMリポジトリのHTTPの場所を使用した更新の実行

次の例では、YUMリポジトリのHTTPを使用してrootとして実行した更新アクションを示します。アクティブなネットワーク・マウントを許可し、ステータス通知用に電子メール情報を指定しています。

[root@pmserver ]# ./patchmgr --dbnodes ~/dbs_group --upgrade --repo http://yum-repo/yum/EXADATA/dbserver/23.1.8/base/x86_64/ 
--target_version 23.1.8.0.0.231109 --allow_active_network_mounts --smtp_from "sender@somedomain.com" --smtp_to "receiver@somedomain.com"
--nobackup

次の例では、YUMリポジトリのHTTPを使用してリモート・ホストからroot以外のユーザーとして実行した更新アクションを示します。アクティブなネットワーク・マウントを許可し、ステータス通知用に電子メール情報を指定しています。

[oracle@pmserver ]$ ./patchmgr --dbnodes ~/dbs_group --upgrade --repo http://yum-repo/yum/EXADATA/dbserver/23.1.8/base/x86_64/ 
--target_version 23.1.8.0.0.231109 --allow_active_network_mounts --log_dir auto --smtp_from "sender@somedomain.com" 
--smtp_to "receiver@somedomain.com" –nobackup