計算済属性について

計算済属性は読取り専用です。管理者は「アクション」ダイアログ・ボックスの属性セクションに属性を追加でき、ワークフロー・ユーザーはその属性をアクション・ダイアログ・ボックスとトランザクションに表示できます。管理者は、アクセス権を「表示しない」に設定することで、特定の役割に対してアクセス権を制限できます。たとえば、管理者が計算済属性XYZに対して「参照者: 表示しない」アクセス権を追加すると、XYZは参照者に表示されません。

どのユーザー役割でも、計算済属性を列としてビューおよびポートレットに追加できます。「フィルタ・パネル」にフィルタ可能な属性として追加することもできます。

Note:

循環依存関係が生じる計算済属性は作成できません。たとえば、AとBが相互に依存する次の計算済属性は許可されません: A= {B}*(-1)およびB= {A} + 100。許可されていない循環依存関係が生じ、エラーが発生するためです。

計算タイプについて

  • 値をリストに割当て - 値をリスト・タイプの属性に割り当てます

  • リストを値に割当て - リストの値を異なる属性の値に割り当てます。タイプ・リストの属性にのみ使用できます

  • 条件 - 条件付き計算(If – Then – Else)

  • スクリプト - 自由形式のスクリプト計算。スクリプトは、テキスト、数値または整数タイプの属性に使用できます

次の表は、「計算」オプションが選択された場合に、属性タイプごとに使用可能な計算タイプを示しています。

Table 10-3 「計算」オプションが選択された場合に、属性タイプごとに使用可能な計算タイプ

属性タイプ 値をリストに割当て 条件 スクリプト リストを値に割当て
日付     X  
整数 X X X  
リスト        
数値 X X X  
テキスト X X X  
はい/いいえ   X    

スクリプト関数の例

その他のスクリプト関数の例:

  • 日付差異: 2つの日付の差を日、時間、分または秒で戻します。たとえば、Date1とDate 2には、それぞれ現在の日付(時間コンポーネントなし)と日時を表すTODAYおよびNOWの値を使用できます。

    DATE_DIFF(<Date1>, <Date2>, <Type>)

    例: DATE_DIFF('TODAY', {Preparer End Date}, 'DAYS')またはDATE_DIFF({Preparer End Date}, 'NOW', 'HOURS')

  • テキストの抽出: 値内の指定した位置からの部分文字列を戻します。

    SUBSTRING(<Value>, <Location>, <Length>)

    例: SUBSTRING( {Name} , 5, 10)

  • If Then Else: 条件付きの計算をスクリプト計算に挿入できるようになります。IF_THEN_ELSE計算式は、ネストしてELSE IFタイプの計算式に対応することもできます。

    IF_THEN_ELSE(<Condition>, <Value1>, <Value2>)

    例:

    IF_THEN_ELSE( {Risk Rating} = 'Low', 'Good',
    IF_THEN_ELSE( {Risk Rating} = 'Medium', 'Better',
    IF_THEN_ELSE({Risk Rating} = 'High', 'Best','Bad')))
    
  • 長さ テキスト値をパラメータとして受け取り、テキスト内の文字数である整数を返します。

    LENGTH('Value')では5が返され、LENGTH({Name})ではオブジェクトの名前の文字数が返されます。値が空/nullの場合は、計算で0が返されます。

    SUBSTRINGを含む計算を使用して、テキスト値の最後の4文字を抽出します。

    例: SUBSTRING( {MyString}, LENGTH ({MyString}) - 4

  • 小文字 値を小文字で戻します

    LOWERCASE(<Value>)

    例: LOWERCASE( {Description} )

  • 最大: 属性リストの最大値を戻します。任意の数のパラメータを含めることができます。

    MAX(<Value1>, <Value2>,<ValueN>)

    例: MAX({Acccount1},{Account2},{Account3})

  • 最小: 属性リストの最小値を戻します。任意の数のパラメータを含めることができます。

    MIN(<Value1>, <Value2>,<ValueN>)

    例: MIN({Acccount1},{Account2},{Account3})

  • 丸め処理: 指定された小数点以下の桁数で丸めた値を戻します。

    ROUND(<Value>, <Decimal Places>)

    例: ROUND( ({Scripted Translate} /7), 4)

  • テキストの場所: 値内の部分文字列の索引(1が最初の位置)を戻します。

    INSTRING(<Value>, <Value To Search>)

    例: INSTRING( UPPERCASE( {Name} ), 'TAX' )

  • 大文字: 値を大文字で戻します。

    UPPERCASE(<Value>)

    例: UPPERCASE( {Name} )