データ・チェーンの理解

データ・チェーンは、関連する一連のデータ・オブジェクトです。ビューポイントでユーザーが使用可能なノードは、データ・チェーンによって定義されます。

データ・チェーン上のオブジェクトの構成により、ビューポイントで使用可能なプロパティも定義されます。

データ・チェーンは、次のデータ・オブジェクトで構成されています。

  • アプリケーション: Oracle Financials Cloud一般会計Planningなど、管理するエンタープライズ・データが格納されており、特定の目的に対応するビジネス・アプリケーション。
    • ディメンション: 勘定科目、エンティティ、製品など、アプリケーションのビジネス・ディメンション。
      • ノード・タイプ: 一般会計セグメント値、Planningディメンション・メンバー、一般会計からPlanningへのマッピングなど、ディメンションのエンタープライズ・データ・レコードのタイプ。各ノード・タイプは、ノードと呼ばれるレコードの特性を定義します。ディメンションは、1つ以上のノード・タイプで構成できます。ノードとそのプロパティはノード・タイプに保存されます。
      • 階層セット: ディメンションの特定のノード・タイプのノード間の階層関係のセット。各階層セットは、関連するノード・タイプとそのセットの階層のルールを定義します。階層セットには、セット内の階層関係のスタート地点を定義する1つ以上のルート・ノードを含めることができます。階層セットには、関係とそのプロパティが保存されます。
      • ノード・セット: リストや階層などの特定の構造がある、ディメンション内のノードのセット。リスト・ノード・セットは、フラット・リスト内の1つ以上のノード・タイプで構成されます。階層ノード・セットは、階層セットと1つ以上の最上位ノードで構成されます。ノード・セットの最上位ノードは、階層セットのルート・ノードまたはルート・ノードの子孫になります。
    • ビューポイント: 勘定科目のリストの表示、製品階層の管理、エンティティ階層のエクスポートなど、特定の目的に使用されるディメンションのビジネス・パースペクティブ。ビューポイントは、1つ以上のビューに編成されます。各ビューポイントはノード・セットを使用し、ユーザーが特定のビューでそのノード・セットのデータを操作する方法を制御します。
  • ビュー: アプリケーション間でディメンションのデータを管理したり、外部システムとの間でデータを総合するなど、特定の目的に使用されるビューポイントのグループ。各アプリケーションは、デフォルト・ビューを使用して、エンタープライズ・データをエクスポートします。デフォルト・ビューの各ビューポイントは、外部システムに存在するデータを表します。ユーザーは、追加で独自のビューを定義して、特定のビジネス目的のデータを表示および管理できます。

注:

リレーショナル・データベースの概念に慣れている場合、ノード・タイプと階層セットは、データを保持するという点でデータベース表と類似しており、ノード・セットは、操作するノードを選択するという点でデータベース述語またはWhere句と類似しており、ビューポイントは、ユーザーがデータを操作するユーザーインタフェースを提供するという点でデータベース・ビューと類似しています。

データ・オブジェクトはモジュール方式です。ノード・タイプ、階層セットおよびノード・セットは、複数のデータ・チェーン内で使用できます。データ・オブジェクトには、次の関係があります。

  • 1つのノード・タイプが1つ以上の階層セットまたはノード・セットによって使用されます。
  • 1つの階層セットが1つ以上のノード・タイプを使用します。
  • 1つの階層セットが1つ以上のノード・セットによって使用されます。
  • 1つのノード・セットが1つの階層セットを使用します。
  • 1つのリストの1つのノード・セットが1つ以上のノード・タイプを使用します。

    注:

    1つのノード・セットが1つの階層セットを使用する場合、ノード・タイプは階層セットから継承されます。
  • 1つのノード・セットが1つ以上のビューポイントによって使用されます。
  • 1つのビューポイント・セットが1つのノード・セットを使用します。

データ・チェーンが複数あるディメンションの例

ディメンションとデータ・オブジェクトの関係を理解するには、次の例を検討してください。

  • ユーザーは従業員ディメンションを操作しており、再編成の結果をモデル化する代替ビューポイントを作成する必要があります。
  • 代替ビューポイント用のビューポイントを作成するために、ユーザーは次のステップを実行します。
    1. バインドされたビューポイントのデータ・チェーンで使用されていたノード・タイプを再使用します。
    2. このノード・タイプを参照する新しい階層セットを作成します。
    3. この階層セットを参照する新しいノード・セットを作成します。

次の図のように、両方のデータ・チェーンで使用されたデータ・オブジェクトが従業員ディメンションに割り当てられます。


前の段落で説明したディメンションとデータ・オブジェクトの関係を示しています。

注:

代替ビューポイントとその階層セットおよびノード・セットはディメンションにバインドされていないため、ディメンションのバインディング・ルールに準拠する必要はありません。この例のノード・タイプは、代替ビューポイントの一部であるとしても、ディメンションのバインディング・ルールに準拠しています。これは、ノード・タイプが、バインドされたビューポイントのデータ・チェーンの一部でもあるためです。

詳細は、次を参照してください: