「派生および保管」プロパティの処理

このトピックでは、ビューポイントにノードが追加または更新される場合の「派生および保管」デフォルト・タイプのプロパティの処理方法について説明します。

Tip:

次の処理の各項では、保管された値は、定義済の値またはすでに派生してノードに保管されている値のいずれかを参照します。

対話型要求

「派生および保管」デフォルト・タイプのプロパティの場合、値は要求中に派生し、要求がコミットされた後、完了する前に保管されます。要求が処理中の間、保管された値がまだない「派生および保管」プロパティの場合、そのプロパティの値は「デフォルト値」に定義した式に基づいて動的に計算されます。要求処理中のプロパティの発生元は「派生」です。

要求がコミットされた後、完了する前に、「派生および保管」デフォルト・タイプのすべてのプロパティがチェックされます。保管された値がないプロパティ、またはユーザー定義値を持つプロパティ更新アクションがないプロパティは、定義した式からの値で更新され、値は「派生および保管」値として保管されます。

Note:

これらのプロパティ更新アクションは要求に追加され、要求インスペクタで表示できます。要求アイテムの検査を参照してください。

プロパティ内の派生値を計算および移入するプロセスは、内部的なシステム・プロパティ更新アクションであることから、セキュリティおよび検証の対象になりません。つまり、ユーザーがノードを追加または更新すると、次の場合でも、システムによって、定義済の値がまだないノードの「派生および保管」デフォルト・タイプがすべてのプロパティに移入されます:

  • ユーザーにそのプロパティへの書込み権限がありません
  • プロパティがビューポイントで非表示になっています
  • プロパティが編集可能として定義されていません
  • プロパティの「コミット時にロック」が有効になっています

ただし、定義済の値をユーザーがクリアまたは手動で入力する場合は、通常のセキュリティおよび検証が適用されます。

「派生および保管」プロパティの値をクリアした場合、定義した式に基づいて現在計算されている値が表示され、プロパティの発生元は「派生」です。値をクリアすると、式で使用されている情報が変更された場合は、「派生および保管」プロパティの値を再計算する方法が提供されます。要求がコミットされると、計算値が「派生および保管」値として保管されます。

Note:

コピーおよびモデル元操作の場合、「派生および保管」値はソース・ノードからコピーされません。新規ノードの値は、「デフォルト値」に定義された式から計算されて保管されます。

要求ファイル・ロード

ファイル・ロードからの要求(つまり、対話型要求、比較要求、コピーまたはモデル元要求、サブスクリプション、連結要求およびマージ・インポート内のアップロードされた要求ファイル)の場合、「派生および保管」プロパティに対して保管済の値がまだないノードは、次のように更新されます:

  • 要求ファイルに「派生および保管」プロパティの定義済の値が含まれる場合、その値が通常どおり更新されます。これはユーザー・アクションであり、セキュリティおよび検証が適用されます。
    • <blank>キーワードにより、プロパティは定義済の空白値で更新されます。
    • <clear>キーワードにより、既存の値(空白値を含む)がクリアされ、派生値が計算されます。

      Tip:

      既存のノード・タイプに「派生および保管」デフォルト・タイプのプロパティを追加する場合、他に何も変更することなく既存のノードのそのプロパティの値を移入する簡単な方法は、このプロパティを、要求ファイルまたはビューポイント・ロードを使用して、<clear>キーワードでプロパティを更新することです。
  • 要求ファイルに「派生および保管」プロパティの定義済の値が含まれていない場合は、「デフォルト値」で定義した式に基づいて派生値でプロパティが更新され、「派生および保管」値として保管されます。これは内部的なシステム・アクションであり、セキュリティおよび検証は適用されません。

    Note:

    要求ファイル内のノードの「派生および保管」プロパティ値は、そのプロパティがファイルに含まれていない場合であっても更新されます。たとえば、ファイルに「説明」プロパティの更新のみが含まれる場合、そのファイル内のノードのうち、「派生および保管」デフォルト・タイプのプロパティに対して保管された値がないすべてのノードでも、ユーザーがそのプロパテへの書込み権限を持っていないか、またはプロパティがビューポイントで非表示になっている場合であっても、そのプロパティが計算値で更新されます。

インポートおよびビューポイント・ロード

「マージ」モード

「マージ」モードでのインポートおよびビューポイント・ロードは、前述の要求ファイル・ロードと同様に処理されます。「派生および保管」デフォルト・タイプのすべてのプロパティ(未バインドのプロパティを含む)で、まだ保管された値がないものは、インポートまたはビューポイント・ロード中に計算値で更新されます。その計算値はそのプロパティに対して保管されます。

<clear>キーワードを使用して、「マージ」モードのインポートおよびビューポイント・ロードで「派生および保管」値を計算できます。

「リセット」および「置換」モード

「リセット」および「置換」の両方のモードでのインポートでは、「派生および保管」デフォルト・タイプの未バインドのプロパティは変更されません。汎用アプリケーションのバインド・プロパティのみを「派生および保管」値で更新できます。値は、前述の要求ファイル・ロードと同じ処理に従って更新されます。

「置換」モードのビューポイント・ロードでは、ビューポイント・ロード・ファイルに含まれる「派生および保管」プロパティのみが派生および保管値で更新されます。ビューポイント・ロード・ファイルに「派生および保管」デフォルト・タイプのプロパティの列が含まれていない場合は、そのプロパティはビューポイント・ロード中に更新されません。

「リセット」および「置換」モードでの<clear>キーワードの使用

「置換」モードのビューポイント・ロードでは、<clear>キーワードを使用して、プロパティの「派生および保管」値を計算できます。

「リセット」または「置換」の両方のモードのインポートでは、インポート・オプションで設定済の場合にclearキーワードを使用してプロパティの「派生および保管」値を計算できます。インポート・オプションの管理を参照してください。