ディメンションとメンバーの操作

ディメンション・メンバーは親子関係で存在し、1つのディメンションには複数のレベル(世代)の子メンバーを含めることができます。ディメンションとメンバーは階層形式で表され、子メンバーから親メンバーへと集計が行われます。


ディメンション・ツリーには、選択したディメンションの各ディメンション・メンバーとそれらの子が表示されます。

ディメンション階層では、子または兄弟としてメンバーを追加できます。

  • 「子」 — 子メンバーは上位に1つの親メンバーを持ちます。上の例では、勘定科目「34000」「IncomeStatement」の子です。

  • 「兄弟」 — 兄弟メンバーは、直上の親が同じである別の子メンバーと同じレベル(世代)に追加される子メンバーです。上の例では、「IncomeStatement」「BalanceSheet」は、「Accounts」を親とする兄弟メンバーです。

メンバーは、次の説明に従って操作できます。

  • メンバーを追加するには、ディメンションとメンバーの操作を参照してください。

  • メンバーを変更するには、ディメンション階層上の適切な列でメンバーの詳細を編集します。

  • メンバーを削除するには、「処理」「削除」を選択するか、「削除」「削除」アイコンをクリックします。確認メッセージが表示されたら、「OK」をクリックして削除を確認します。

注意:

ディメンションに対するすべての変更が完了したら、選択したモデルに変更をデプロイする必要があります。カスタム・アプリケーションの作成の「モデルとディメンションのデプロイ」を参照してください。

ディメンション・メンバー

カスタム・アプリケーションの作成の説明に従って「アプリケーション」の「ディメンションおよびモデル」タブでディメンションを作成した後、「階層」タブでディメンション・メンバーを追加します。ディメンション・メンバーは、ディメンションに属する関連データ・ポイントのセットを表します。たとえば、勘定科目ディメンションでは勘定科目番号などがメンバーとなります。

データを保存するためにディメンションごとに少なくとも1つメンバーを作成する必要があります。モデルに対して、最低でも時間ディメンションと勘定科目ディメンションの両方を作成する必要があります。次の表に示すように、各ディメンション・タイプのメンバーには最大数が設定されています。

表5-1 メンバーの最大数

ディメンション・タイプ メンバーの最大数
勘定科目(必須ディメンション) 5,000
通貨 100
エンティティ 25,000
汎用 50,000
シナリオ 30
20
時間(必須ディメンション) 73 — 期間の最大数73の内訳は次のとおりです。
  • 52週間

  • 12か月

  • 4四半期

  • 2半期

  • 年合計

  • 期首残高(begbal)

  • 期間(ディメンション名自体)

表ビューと詳細ビュー

ディメンション・エディタには、ディメンション内の全メンバーの階層を表示するためのビューが2種類用意されています。どちらのビューでも、選択したディメンションのメンバーおよびそれらに関連付けられたプロパティを表示、追加、編集、削除でき、これらのビューは切り替えることができます。

表ビュー

階層を表として表示するには、「ディメンション: 階層」画面で「表ビュー」アイコン表アイコンを選択します。データ入力をアクティブ化するには、「メンバー名」または関連付けられているフィールドをクリックします。列タイトルをドラッグするとプロパティ列を再編成できます。

注:

このビューから追加の別名表を表示するには、詳細ビューに切り替える必要があります。表ビューには、階層形式でメンバーが表示されます。

詳細ビュー

選択したメンバーのプロパティ詳細をリストとして表示するには、「ディメンション: 階層」画面で「詳細ビュー」アイコン「詳細ビュー」アイコンを選択します。データ入力フィールドをアクティブ化するには、「メンバー名」をクリックします。

注:

詳細ビューではプロパティ列を再編成できません。このタスクは表ビューで実行する必要があります。詳細ビューには、メンバーのプロパティがリストとして表示されます。

ディメンション・プロパティ表

ディメンション・メンバーごとに、メンバーの動作方法(子メンバーから親メンバーへの集計方法など)、メンバー・データの保存方法、メンバー識別を単純化する別名の割当て方法などを管理するための関連プロパティを設定する必要があります。

メンバー・プロパティは、ディメンションの「階層」タブで割り当てます。すべてのディメンション・タイプに標準プロパティが適用されますが、勘定科目ディメンションとシナリオ・ディメンションにはいくつか追加プロパティが必要です。ディメンション・タイプごとの適切なプロパティは、次の各ディメンション・プロパティ表の説明を参照してください。

すべてのディメンションのディメンション・プロパティ

表5-2 すべてのディメンションのディメンション・プロパティ

すべてのディメンションのプロパティ 摘要
メンバー名 一意のメンバー名を入力します。
別名 オプション: 階層を読みやすくするためにメンバーの別名を入力します。
  • たとえば、メンバー名として勘定科目番号のみが表示される場合は、表示中の勘定科目について説明するために、関連付けられている勘定科目名を入力できます。

  • 追加の別名表は詳細ビューのみにリストされます。追加の別名表を作成するには、追加の別名表の作成を参照してください。

連結 子メンバーをそれらの親メンバーに集計する方法を指定するために、メンバー連結プロパティを各メンバーに割り当てます。使用可能な連結オプションは次のとおりです。
  • + (加算)

  • - (減算)

  • * (乗算)

  • / (除算)

  • % (パーセント)

  • ~ (無視)

  • ^ (否定)

データ記憶域 ディメンション用のデータ値の保存方法を指定するために設定します。
  • 「自動」 — メンバー用の適切なデータ・ストレージを設定します。メンバーが親である場合は計算するように設定され、メンバーが最下部レベルである場合はデータを入力または保存するように設定されます。

  • 「共有済」 — メンバーを共有メンバーとして指定するために設定します(代替階層の一部としてメンバーがディメンション内で複数回出現する場合)。

作成日 メンバー・プロパティが作成された日付を表示します。
変更日 メンバーまたはプロパティが変更された日付を表示します。

シナリオ・ディメンションのディメンション・プロパティ

表5-3 シナリオ・ディメンションのディメンション・プロパティ

シナリオ・ディメンションのプロパティ 摘要
シナリオ・タイプ
  • 「標準」 — シナリオ・データが入力されるメンバー(リーフ・ノード)または親メンバー

  • 「差異」 — 2つのシナリオを比較して、勘定科目タイプ(「費用」または「費用以外」)に基づいて数値として差異を表します。

  • 「差異パーセント」 — 2つのシナリオを比較して、勘定科目タイプ(「費用」または「費用以外」)に基づいてパーセント値として差異を表します。

  • 差異メンバーの詳細は、カスタム・アプリケーションの作成を参照してください。

差異メンバー1 「差異メンバー2」と比較する、1つ目の標準シナリオ・メンバーを選択します。
差異メンバー2 「差異メンバー1」と比較する、2つ目の標準シナリオ・メンバーを選択します。

勘定科目ディメンションのディメンション・プロパティ

表5-4 勘定科目ディメンションのディメンション・プロパティ

勘定科目ディメンションのプロパティ 摘要
タイム・バランス 時間ディメンションでの親メンバーの計算方法を指定するタイム・バランス方法を選択します。この表の下にあるディメンションとメンバーの操作を参照してください。
  • 「なし」 — 親の値は、親の子の算式および連結のプロパティに基づきます。

  • 「最初」 — 親の値は、(多くの場合、期間の最初にある)ブランチの最初のメンバーの値を表します。

  • 「最終」 — 親の値は、(多くの場合、期間の最後にある)ブランチの最後のメンバーの値を表します。

  • 「平均」 — 親の値は、子メンバーの値の平均を表します。

  • ノート: 「タイム・バランス」を選択した場合は、スキップ・オプションを設定する必要があります。

スキップ・オプション 「タイム・バランス」を「最初」、「最終」または「平均」に設定した場合は、スキップ・プロパティを設定して、アプリケーションで欠落値または値0が発生した場合の処理を制御する必要があります。この表の下にあるディメンションとメンバーの操作を参照してください。
スキップ・オプション(続き) 「最初」および「最終」タイム・バランス専用のスキップ・オプション: 次のいずれかのオプションを選択します。
  • 「なし」 — 「最初」または「最終」タイム・バランスの場合にのみ、親の値の計算時にデータをスキップしません。次の図2を参照してください。

  • 「欠落」 — 親の値の計算時に#MISSINGデータをスキップします。

スキップ・オプション(続き) 「平均」タイム・バランスのスキップ・オプション: 平均の計算時に#MISSINGデータが検出された場合は、メンバーの総数ではなく実際の値があるメンバーの数で除算します。そのため、スキップ・プロパティの設定「なし」も#MISSINGも計算には影響しません。
差異レポート 「差異レポート」 — シナリオの差異レポート用に勘定科目をタグ付けする方法を指定します。
  • 「費用」 — 差異メンバー1の金額(たとえば実績)を差異メンバー2の金額(たとえば予算)から減算して差異を特定します。

  • 「費用以外」 — 差異メンバー2の金額(たとえば予算)を差異メンバー1の金額(たとえば実績)から減算して差異を特定します。

  • 詳細は、「カスタム・アプリケーションの作成」を参照してください。

図5-1 タイム・バランスの例


タイム・バランス選択の例。

図5-2 スキップ・オプションの例


スキップ・オプション選択の例。

ディメンション・メンバーの追加

階層エディタからディメンション・メンバーを追加してプロパティを指定します。メンバーを変更または削除することもできます。

メンバーをディメンションに追加するには:

  1. ホーム・ページで、次のいずれかのオプションを選択します。
    • 「ライブラリ」、続いて「アプリケーション」

    • 「アプリケーション」

  2. アプリケーション名をクリックするか、「処理」メニューの「オープン」を選択して、アプリケーションをオープンします。

    「処理」メニューを使用してアプリケーションをオープンします。
  3. 「アプリケーション: 概要」で「ディメンションおよびモデル」タブ「ディメンションおよびモデル」タブを選択し、メンバーを追加するディメンションの名前(たとえば「勘定科目」)をクリックします。

    メンバーを追加するディメンションの名前を選択します。
  4. 「ディメンション」の「概要」で、「階層」タブ「階層」アイコンを選択し、「表ビュー」表ビューを選択します。「詳細ビュー」「詳細ビュー」アイコンを使用してメンバーとプロパティを追加することもできます。
  5. オプション: 「階層」タブで「表示」「列」の順に選択して、選択したディメンションのプロパティを表す列を表示します。ディメンションとメンバーの操作を参照してください。

    列を編集するには、「表示」「列」「列の管理」の順に選択します。「列の管理」ダイアログ・ボックスで、非表示にするか表示する列を選択して「OK」をクリックします。


    列名を「非表示列」または「表示される列」のどちらかに移動して表示を制御します。
  6. 「階層」タブで、新しいメンバーの追加作業を行います。
    • 「子の追加」子の追加をクリックして、選択したメンバーの下にメンバーを追加します。

    • 「兄弟の追加」兄弟の追加をクリックして、直上の親が同じである別の子メンバーと同じ世代にメンバーを追加します。

    • 「処理」から「子の追加」または「兄弟の追加」を選択します。

    • 「メンバー名」で、ディメンション名の横にある右矢印右矢印をクリックします。

  7. 「シナリオ」以外の各プロパティで新しいメンバーの値を選択します。選択したディメンションに応じて、使用できるプロパティが変化します。ディメンションとメンバーの操作を参照してください。

    「階層」タブでプロパティを設定します。
  8. オプション: シナリオ・ディメンションの場合にのみ「シナリオ・タイプ」プロパティ列で、シナリオ・タイプの名前をクリックして「シナリオ・タイプ」選択ダイアログ・ボックスを表示し、次のステップを実行します。
    1. 「シナリオ・タイプ」から作成するシナリオのタイプを選択します。
      • 「標準」 – 選択が必要なその他の項目はありません。

      • 「差異」 – 2つのシナリオを比較して、数値として差異を表します。

      • 「差異パーセント」 – 2つのシナリオを比較して、パーセントとして差異を表します。

      詳細は、「カスタム・アプリケーションの作成」を参照してください。

    2. 「差異」および「差異パーセント」シナリオ・タイプでは、比較する「差異メンバー1」「差異メンバー2」を選択します。「差異メンバー1」と「差異メンバー2」では、標準タイプのシナリオ・メンバーのみを使用できます。
    3. 「OK」をクリックします。比較用に選択したメンバーは、「差異メンバー1」と「差異メンバー2」にリストされます。
  9. オプション: 勘定科目ディメンションの場合にのみ、勘定科目のプロパティを選択します。
    • 「タイム・バランス」で、「なし」「最初」「最終」または「平均」を選択します。「タイム・バランス」を選択した場合は、スキップ・オプションを選択する必要があります。

    • 「スキップ・オプション」で、「なし」または「欠落」を選択します。

    • 「差異レポート」で、「費用」または「費用以外」を選択してシナリオの差異レポート用に勘定科目をタグ付けする方法を指定します。

    追加情報は、ディメンションとメンバーの操作を参照してください。

  10. オプション: 手順を繰り返して他の新しいメンバーを追加します。

    完成した階層が表示されます。
  11. オプション: 「階層」でプロパティ列を再編成するには、「表ビュー」表ビューを選択し、プロパティ列のタイトル(「メンバー名」、「連結」など)をクリックして新しい位置まで列をドラッグします。

    注:

    詳細ビューではこのタスクを実行できません。

  12. オプション: プロパティ列のサイズを変更するには、サイズ変更アイコンサイズ変更アイコンが表示されるまでマウスを列タイトルに近づけ、必要に応じてアイコンをドラッグして列のサイズを変更します。
  13. オプション: 「階層」でメンバーの位置を変更するには、次の各項を参照してください。
  14. 「クローズ」をクリックします。
  15. 「処理」を選択し、「デプロイ」、モデル名の順に選択してモデルを更新します。