「期間別拡張組織」の有効化

アプリケーションを作成するときに、「出資比率の管理」機能を有効にした場合、「期間別拡張組織」を有効にできます。既存のアプリケーションで、「出資比率の管理」がすでに有効になっている場合も、「期間別拡張組織」を有効にできます。

「期間別拡張組織」は、密/疎最適化(DSO)アプリケーションでのみ使用可能です。

この機能の詳細は、出資比率の管理を参照してください。

この項では、「期間別拡張組織」を有効にする要件、および有効化時にシステムで実装されるメタデータ変更をリストします。

注:

「期間別拡張組織」を有効にしない場合、既存のアプリケーションに影響はありません。ただし、「出資比率の管理」が有効になっている場合は、「期間別拡張組織」を有効にすることをお薦めします。

「期間別拡張組織」を有効にする前に、次の各項を確認してください:

  • 新しいアプリケーションでの「期間別拡張組織」の要件

  • 既存のアプリケーションでの「期間別拡張組織」の要件

  • 出資比率の管理のメタデータ変更

新しいアプリケーションでの「期間別拡張組織」の要件

新しいアプリケーションで「期間別拡張組織」オプションを選択するには:

  • 「会社間データ」および「会社間消去の追跡」 オプションを有効にする必要があります。

    どちらも有効になっている場合、「出資比率の管理」オプションを選択できます。

  • 次に、「出資比率の管理」オプションを選択する必要があります。

    「出資比率の管理」を選択すると、「期間別拡張組織」オプションが選択可能になります。

  • アプリケーションの作成中に「出資比率の管理」または「期間別拡張組織」を選択しなくても、両方の機能を後で有効にできます(必要な会社間設定がすでに有効になっている場合)。

既存のアプリケーションの出資比率の管理の要件

既存のアプリケーションに対して「出資比率の管理」オプションを有効にするには:

  • 「会社間データ」オプションが有効になっている必要があります。

    会社間ディメンションが有効になっていない場合、「出資比率の管理」機能を使用するには、アプリケーションを再作成する必要があります。

  • 「会社間消去の追跡」オプションを有効にする必要があります。

    会社間ディメンションが有効になっている場合、既存のアプリケーションでこのオプションを有効にできます。アプリケーションの機能の有効化を参照してください。

  • 「期間別拡張組織」を有効にする前に、「出資比率の管理」を有効にする必要があります。
  • 計算ステータスが「影響」でロックされているエンティティがある場合は、次の操作を実行する必要があります:

    「データ・ステータス」フォームをカスタマイズして同じ名前で保存すると、ノード・ステータスが追加された新しい「データ・ステータス」フォームが作成されるため、一意の名前でコピーする必要があります。行ったカスタマイズはすべて上書きされます。

既存のアプリケーションで新機能を有効化した後は、ナビゲーション・フローをリロードする必要があります。

  • ホーム・ページで、ユーザー名の横にある下矢印をクリックします。
  • 「設定およびアクション」メニューで、「ナビゲーション・フローのリロード」をクリックします。

「期間別拡張組織」のメタデータ変更

「期間別拡張組織」オプションが有効になっている場合、システムによってメタデータおよび設定に対する次の変更が実装されます。

勘定科目の変更

「期間別拡張組織」が有効になっている場合、計算ステータスの記録をサポートするために、追加のシード済システム勘定科目が作成されます。

既存のFCCS_CSTATUS勘定科目およびFCCS_CSTATUS_FILTER勘定科目に加えて、次の追加の勘定科目が作成されます:

  • FCCS_NSTATUS_FILTER
  • FCCS_NSTATUS

「期間別拡張組織」が有効になっていない場合、エンティティの各インスタンスには、エンティティ全体の計算とデータを表す単一の計算ステータス(「計算ステータス」)があります。

「期間別拡張組織」オプションが有効になっている場合は、ノード・ステータスが追加されます。

「計算ステータス」は、単一通貨アプリケーションの連結階層(エンティティ連結からエンティティ合計まで)のエンティティ合計セクションにあるすべての連結ディメンション・メンバーのすべての計算とデータを表します。複数通貨アプリケーションの場合、「計算ステータス」は、エンティティ通貨と親通貨の両方の連結階層のエンティティ合計セクションにあるすべての連結ディメンション・メンバーのすべての計算とデータを表します。これらの連結ディメンション・メンバーに格納されたデータは、共通データと呼ばれます。

ノード・ステータスは、単一通貨アプリケーションでは残りの連結ディメンション・メンバー(親入力(有効な場合)からコントリビューション合計まで)のすべての計算とデータを表します。複数通貨アプリケーションの場合、ノード・ステータスは、残りの連結ディメンション・メンバーのすべての計算とデータを表します(すべて親通貨のみ)。これらの連結ディメンション・メンバーに格納されたデータは、ノード・データと呼ばれます。

共通データと計算ステータスは共有エンティティのすべてのインスタンスに共通ですが、ノード・データとノード・ステータスは共有エンティティの親エンティティ・インスタンスに固有であることに注意してください。

連結メソッドの変更

「期間別拡張組織」が有効になっていない場合、シードされた「非アクティブ」連結メソッドは使用できません。

「期間別拡張組織」が有効になっている場合、シードされた「非アクティブ」連結メソッドはシステムで使用され、範囲設定は次のようになります:

=0%から=0%まで

「非アクティブ」連結メソッドから他の連結メソッドに変更するとき、現在「非アクティブ」に割り当てられているエンティティに「影響」の「計算ステータス」またはノード・ステータスの期間がないことを確認してください。

「期間別拡張組織」が有効になっていない場合、非連結連結メソッドの範囲設定は次のようになります:

=>0%から<=20%まで

「期間別拡張組織」が有効になっている場合、非連結連結メソッドの範囲設定は次のようになります:

>0%から<=20%まで

承認プロセスの変更

「期間別拡張組織」が有効になっていない場合、共有エンティティの複数のインスタンスは、常に1つのプロセス管理承認ユニットを共有します。共有エンティティの承認ユニットがロックされると、共有エンティティのすべてのインスタンスがロックされます。

「期間別拡張組織」が有効になっている場合、共有エンティティの各インスタンスに独自の個別承認ユニットが存在します。共有エンティティの承認ユニットがロックされると、共有エンティティのすべてのインスタンスの共通データはロックされますが、ロックされるノード・データはロックされたインスタンスのノード・データのみです。

既存のアプリケーションで「期間別拡張組織」を有効にする際の考慮事項

「期間別拡張組織」が有効になっている場合、システムによってアプリケーションに対していくつかの変更が行われます:

  • 前述のように、非連結および「非アクティブ」の連結メソッドの範囲が変更されます。
  • 「連結%」が0%で、「データなし」ステータスのすべてのPOVに対する範囲ベース・メソッドが変更されます。これらは、「ロック済」 / 「ロック解除済」のステータスに関係なく、デフォルトの非連結から「非アクティブ」に変更されます。オーバーライドされたメソッドを持つPOVは変更されません。
  • 「出資比率%」がゼロ以外で、有効化前にオーバーライドとして「非アクティブ」メソッドが割り当てられているPOVは、「出資比率%」が0%に変更されます。
  • カスタマイズされたデータ・ステータス・フォームによってデータ・ステータスが引き続き使用される場合は、データ・ステータス・フォームのコピーがルート・ディレクトリ(シードされた位置)に保存されます。コピーの名前は、Data Status_Customizedになります。「期間別拡張組織」を有効にすると、「データ・ステータス」フォームは、ノード・ステータスが追加されカスタマイズが削除された新しいバージョンで上書きされます。このフォームはルート・ディレクトリに配置されます。
  • 共有エンティティの非プライマリ・インスタンスの親通貨換算を更新します(「前の期間のデータ更新」タスク)。前の期間のデータの更新を参照してください。

    前の期間の更新タスクでは、プロセスの一部としてカスタム計算(挿入位置ルール)が実行されます。

既存のアプリケーションで「期間別拡張組織」を有効にする前に

  • 「期間別拡張組織」を有効にするためにアプリケーションがDSOに移行された場合は、「期間別拡張組織」を有効にする前に、必ず、DSO変換後のすべてのステップ(特にユーザーが作成したルールの確認と更新)を完了しておいてください。DSO環境のルールを更新しないと、「期間別拡張組織」の有効化後にアプリケーションを使用できなくなる可能性があります。期間および増減ディメンションの密ディメンションへの変換にある変換後のステップを参照してください。
  • データベースのリフレッシュが完了していない保留中のメタデータ変更がないことを確認します。メタデータの変更がデータベースでリフレッシュされていない場合、「前の期間のデータ更新」タスクを実行しても必要なエンティティがすべて更新されない可能性があります。
  • 出資比率の必要な再計算が完了していることを確認します(「出資比率の管理」画面を確認します)。
  • アプリケーションに多くのシナリオと大規模なエンティティ構造がある場合、前の期間の更新は完了までに時間がかかることがあります。「期間別拡張組織」を有効にする前に、自動メンテナンス・ウィンドウ(AMW)を延期することをお薦めします。

「期間別拡張組織」の有効化後

  • 承認ユニットの「同期済」ステータスを確認し、必要に応じて同期します。承認ユニット階層の同期を参照してください。
  • 「前の期間のデータ更新」タスクが正常に完了していることを確認します(「ジョブ」ログを確認します)。このタスクによる更新が完了していない場合は、「構成: 連結」画面からタスクを開始します。前の期間のデータの更新を参照してください。