要員のルールにおけるパフォーマンスの考慮事項

これらのベスト・プラクティスのヒントを考慮することで、要員のルールの実行パフォーマンスを向上できる可能性があります。

  • 要員のルールでは、FIXPARALLEL文が「エンティティ」ディメンションで実行されると仮定されますが、これは大量のデータを「エンティティ」ディメンションにロードする場合に理想的です。ただし、大量のデータを別のディメンション(たとえば、「プロジェクト」などのフレックス・ディメンション)にロードする場合、FIXPARALLEL文を変更してかわりに「プロジェクト」ディメンションに適用することで、パフォーマンスを向上できます。要員には、いくつかのルールおよびテンプレートで使用されるOWP_Fix Parallel_Tという名前のテンプレートが用意されています。OWP_Fix Parallel_Tに依存するルールおよびテンプレートの詳細なリストは、表表6-8を参照してください。最適なディメンションを反映するようにFIXPARALLEL文を変更すると、すべての依存ルールおよびテンプレートでパフォーマンス向上が実現します。

    ヒント:

    FIXPARALLEL文に含める最適なディメンションを決定するには、現実的で代表的なデータを使用してテストを実行してみることをお薦めします。

    OWP_Fix Parallel_Tテンプレートを変更するには:

    1. たとえば、FIXPARALLEL文で使用するディメンションとして、EntityではなくFlex Dim1を設定すると仮定します:
      1. OEP_WFPキューブのCalculation ManagerOWP_Fix Parallel_Tテンプレートを開きます。
      2. 「テンプレート・デザイナ」で、"Flex Dimension 1"->"FlexDim1Fix=,@RELATIVE(…"設計時プロンプト割当てオブジェクトを選択します。

        等式の右側から先頭のカンマを削除して、",@RELATIVE({FlexDim1},0)"から"@RELATIVE({FlexDim1},0)"のみにします。

      3. 「テンプレート・デザイナ」"Member selection of…"設計時プロンプト割当てオブジェクトを選択します。
        1. "@RELATIVE({Department},0)"および"[FlexDim1Fix]",FixParDimSelおよびFixStmtMbrSel式の等式の右側をそれぞれ入れ替えます。

          変更前

          FixParDimSel = @RELATIVE({Department},0)
          FixStmtMbrSel = {Scenario}, {Version} [FlexDim1Fix] [FlexDim2Fix] [FlexDim3Fix] [CurrencyDTP]
          

          変更後

          FixParDimSel = [FlexDim1Fix]
          FixStmtMbrSel = {Scenario}, {Version} ,@RELATIVE({Department},0) [FlexDim2Fix] [FlexDim3Fix] [CurrencyDTP]
          
        2. FixStmtMbrSel式に含まれるようになった"@RELATIVE({Department},0)"の前に先頭のカンマがあることを確認してください。
      4. テンプレートを保存します。

      ノート: Fix Parallelは複数のディメンションを持つことができます。"Template Designer"->"Member selection of…"FixParDimSelの右側に1つ以上のディメンションを指定できます。エンティティ、従業員、ジョブまたは最適な結果のために有効化されたカスタム・ディメンションから、右側のディメンションを選択します。

    2. OWP_Fix Parallel_Tを変更した後に、次のルールおよびテンプレートを再デプロイします。

      表6-8 OWP_Fix Parallel_T依存ルールおよびテンプレート

      ルール/テンプレート 名前

      ルール

      OWP_Process Loaded Data

      ルール

      OWP_Synchronize Defaults

      ルール

      OWP_Synchronize Definition

      テンプレート

      OWP_Incremental Process Data with Synchronize Defaults_GT

      テンプレート

      OWP_Incremental Process Data with Synchronize Definition_GT

      テンプレート

      OWP_Incremental Synchronize Defaults_GT

      テンプレート

      OWP_Incremental Synchronize Definition_GT

      注:

      • 本番環境で変更を適用する前に、テスト・インスタンスで変更をテストしてください。

      • テンプレートを変更する場合、設計時プロンプト(DTP)を確認して、構文(カンマの配置など)が有効でバランスがとれていることを確認します。

  • 組織の通常のプラクティスで、「ロードされたデータの処理」を実行した直後に「デフォルトの同期」を実行する場合、同じ相対位置の「定義の同期」テンプレートのかわりに「デフォルトの同期」テンプレートを使用するように「ロードされたデータの処理」ルールを変更することで、実行時間を短縮できます。これを行うことで、「ロードされたデータの処理」ルールに「デフォルトの同期」テンプレートを含める場合には不要となる「定義の同期」テンプレートの実行時間を排除できます(「デフォルトの同期」には「定義の同期」のロジックが含まれているため)。

  • Oracle Fusion Human Capital Managementなどの人事または給与計算システムのソースから追加所得、福利厚生および税金の割当てを直接ロードする場合、「デフォルトの同期」「報酬の計算」を実行する必要はありません。この使用例で、ロードされたすべてのデータに対して報酬を計算する場合、「ロードされたデータの処理」を実行するのみで十分です(これには「報酬の定義の同期」が含まれるため)。

  • すべての要員データの一括ロードに対して、データ統合を使用して、増分データ・ロード・プロセスを使用することをお薦めします。このプロセスは、要員データをロードおよび計算するための最も効率的で最適なソリューションです。増分要員データのロードおよび計算を参照してください。