これらのベスト・プラクティスのヒントを考慮することで、要員のルールの実行パフォーマンスを向上できる可能性があります。
要員のルールでは、FIXPARALLEL
文が「エンティティ」ディメンションで実行されると仮定されますが、これは大量のデータを「エンティティ」ディメンションにロードする場合に理想的です。ただし、大量のデータを別のディメンション(たとえば、「プロジェクト」などのフレックス・ディメンション)にロードする場合、FIXPARALLEL
文を変更してかわりに「プロジェクト」ディメンションに適用することで、パフォーマンスを向上できます。要員には、いくつかのルールおよびテンプレートで使用されるOWP_Fix Parallel_Tという名前のテンプレートが用意されています。OWP_Fix Parallel_Tに依存するルールおよびテンプレートの詳細なリストは、表表6-8を参照してください。最適なディメンションを反映するようにFIXPARALLEL
文を変更すると、すべての依存ルールおよびテンプレートでパフォーマンス向上が実現します。
ヒント:
FIXPARALLEL
文に含める最適なディメンションを決定するには、現実的で代表的なデータを使用してテストを実行してみることをお薦めします。
OWP_Fix Parallel_Tテンプレートを変更するには:
FIXPARALLEL
文で使用するディメンションとして、Entity
ではなくFlex Dim1
を設定すると仮定します:
等式の右側から先頭のカンマを削除して、",@RELATIVE({FlexDim1},0)"
から"@RELATIVE({FlexDim1},0)"
のみにします。
"Member selection of…"
設計時プロンプト割当てオブジェクトを選択します。
"@RELATIVE({Department},0)"
および"[FlexDim1Fix]",
のFixParDimSel
およびFixStmtMbrSel
式の等式の右側をそれぞれ入れ替えます。
変更前
FixParDimSel = @RELATIVE({Department},0) FixStmtMbrSel = {Scenario}, {Version} [FlexDim1Fix] [FlexDim2Fix] [FlexDim3Fix] [CurrencyDTP]
変更後
FixParDimSel = [FlexDim1Fix] FixStmtMbrSel = {Scenario}, {Version} ,@RELATIVE({Department},0) [FlexDim2Fix] [FlexDim3Fix] [CurrencyDTP]
FixStmtMbrSel
式に含まれるようになった"@RELATIVE({Department},0)"
の前に先頭のカンマがあることを確認してください。ノート: Fix Parallelは複数のディメンションを持つことができます。"Template Designer"->"Member selection of…"
のFixParDimSel
の右側に1つ以上のディメンションを指定できます。エンティティ、従業員、ジョブまたは最適な結果のために有効化されたカスタム・ディメンションから、右側のディメンションを選択します。
表6-8 OWP_Fix Parallel_T依存ルールおよびテンプレート
ルール/テンプレート | 名前 |
---|---|
ルール |
OWP_Process Loaded Data |
ルール |
OWP_Synchronize Defaults |
ルール |
OWP_Synchronize Definition |
テンプレート |
OWP_Incremental Process Data with Synchronize Defaults_GT |
テンプレート |
OWP_Incremental Process Data with Synchronize Definition_GT |
テンプレート |
OWP_Incremental Synchronize Defaults_GT |
テンプレート |
OWP_Incremental Synchronize Definition_GT |
注:
本番環境で変更を適用する前に、テスト・インスタンスで変更をテストしてください。
テンプレートを変更する場合、設計時プロンプト(DTP)を確認して、構文(カンマの配置など)が有効でバランスがとれていることを確認します。
組織の通常のプラクティスで、「ロードされたデータの処理」を実行した直後に「デフォルトの同期」を実行する場合、同じ相対位置の「定義の同期」テンプレートのかわりに「デフォルトの同期」テンプレートを使用するように「ロードされたデータの処理」ルールを変更することで、実行時間を短縮できます。これを行うことで、「ロードされたデータの処理」ルールに「デフォルトの同期」テンプレートを含める場合には不要となる「定義の同期」テンプレートの実行時間を排除できます(「デフォルトの同期」には「定義の同期」のロジックが含まれているため)。
Oracle Fusion Human Capital Managementなどの人事または給与計算システムのソースから追加所得、福利厚生および税金の割当てを直接ロードする場合、「デフォルトの同期」や「報酬の計算」を実行する必要はありません。この使用例で、ロードされたすべてのデータに対して報酬を計算する場合、「ロードされたデータの処理」を実行するのみで十分です(これには「報酬の定義の同期」が含まれるため)。