最終測定の概要

最終測定は、検証され、必要に応じて編集および推定され、請求決定要因計算などのダウンストリーム処理で使用する準備ができた測定です。

初期測定が最終とみなされる場合、つまり、すべてのVEE処理に合格し、追加の修正や変更を加える必要がない場合は、最終測定、または単純に測定に変換されます(測定、最終測定および最終消費量はすべて同じこの最終測定データを表します)。特定の計量コンポーネントには、特定の日時の最終測定が1つのみ存在できます。インターバルごとに1つの測定が存在し、同様にスカラー検針ごとに1つの最終測定が存在します。どちらの場合も、格納された最終測定値は、その日時と前回の最終測定の日時の間に消費された量を表します。

最終測定をIMDから作成する場合は、次のようになります。

  • 最終測定は「VEE後」数量を使用して作成されます
  • 各最終測定の条件は、「VEE後」条件からコピーされます
  • 初期測定は最終測定に正規化され、各最終測定が特定の日時に対するものになります。
  • 単一の初期測定には多くの検針が含まれる場合があるため、初期測定のインターバルごとに別々の最終測定が作成されます。たとえば、初期測定に15分の検針が24時間含まれる場合は、それぞれ特定の日時の96個の測定が作成されます。
  • 結合された乗数(測定の計量コンポーネント・タイプおよび取付イベントに対して定義された乗数から作成)は、測定ごとに格納されます。また、他の値は、特定のタイプの測定に対して格納されます。検針値(多くの場合、測定値とは異なる)はスカラー測定および差引インターバル測定に対して格納され、検針条件は差引インターバル測定に対して格納されます。これらの値は、元の初期測定がアーカイブまたは削除されているイベントの測定再処理および他の再計算プロセスで使用されます。

測定のこの測定日時は、測定値の対象となる期間の終了を表します。期間の開始の定義方法は、測定に関連付けられた計量コンポーネントのタイプによって少々異なります。

  • スカラー計量コンポーネント: この測定日時は、検針が取得されたポイントを表します。測定の対象となる期間は、この測定日時によって、以前の測定日時として定義されます。
  • インターバル計量コンポーネント: この測定日時は、インターバル期間の終了を表します。インターバル期間の開始を表す日時は格納されずに、計量コンポーネントのインターバル・サイズによって暗黙的に示されます。たとえば、インターバル・サイズが1時間で測定日時が01/01/2010 12:00AMのインターバル計量コンポーネントは、12/31/2009 11:00PMから01/01/2010 12:00AMまでの期間の測定量を表します。
  • スカラー計量コンポーネントの場合、最終測定を処理で使用できない特殊な状況が存在します(消費量計算や使用計算など)。他のプロセスでこれらの測定が使用されるのを防ぐために、「使用しない」の使用フラグでマークされます。これは、通常、差引消費量の正常な計算が有効になるように、品質の低い測定または適切でない測定が削除されたときの、繰越ししきい値エラーの自動訂正の結果です。

条件

条件は、最終測定の品質を示すために使用される、多くのプロセスに対する重要な入力です。IMDの処理中は、より高度な検証または推定が必要な初期測定をVEEルールで識別する場合に、これらの条件が役立ちます。使用計算の測定中は、メーターから検針された実際のデータに基づいて請求決定要因が生成されるかどうか、または推定が行われたかどうか(多くの場合この2つの組合せになります)を請求システムに通知する場合に条件が役立ちます。

条件は、000000から最大で999999までの数値の順序をたどります。条件コードの数値が増加すると、認識される品質も増加します。多くの領域で、システムによってこのことが考慮されます。

  • VEEルールでは、推定または調整が必要な初期測定値を識別するために条件が使用されます
  • 繰越しエラーの自動訂正により、エラーが生成されない消費量計算が実行されるように、高品質のデータで低品質のデータをバイパスできます。
  • 使用計算ルールにより、その使用量に寄与する基礎となる測定データに基づいた請求決定要因の品質に関する情報を提供できます。

システム全体で、機能による判別のために条件コードの範囲が使用されます。通常、範囲は次のように判別されます。

条件の範囲の開始

条件の範囲の終了

範囲の説明

000000

199999

測定なし

200000

299999

欠落した測定

300000

499999

推定された測定

500000

999999

通常測定

一見すると、測定なしと欠落した測定の範囲は同じ意味のように思われますが、重要な差異があります。測定なしの範囲内の条件では、測定が存在しないことが想定されます。それに対して、欠落した測定の範囲は、測定が想定されていたが受信しなかったことを意味します。

注意: 繰越ししきい値エラーなどの一部の状況では、通常の範囲がさらに分割されて、適切な検針を選択してエラーの解決に使用する場合に使用できる900000 - 999999の高品質の範囲が含まれるようになります。

初期測定処理中は、最終測定置換VEEルールを使用して、条件コードの認識される品質を増加できます。たとえば、測定なしの範囲に該当する「検針なし - 供給中止」条件は、測定置換の目的で、推定された測定よりも品質が高いとみなすことができます。

導出値

最終測定では、実際の測定値に加えて、最大で10個の導出値を記録できます。最終測定のそれぞれの値の導出式は、計量コンポーネント・タイプによって制御されます。

導出値は消費量値には依存しませんが、係数や履歴データなどのソースから取得することもできます。たとえば、一連の測定を調整したり、他の単位に変換することができます。次の例では、最初の導出値は損失調整係数を適用した結果であり、2つ目の導出値はBTUを計算する損失調整値に対してあらかじめ設定された式を適用した結果です。

日時

実際の測定 単位: CCF 使用量識別子: N/A

損失調整 単位: CCF 使用量識別子: N/A

熱量単位 単位: BTU 使用量識別子: N/A

01/01/2010 3:00PM

10

10.1

10.11

01/01/2010 4:00PM

15

15.15

15.165

01/01/2010 5:00PM

10

10.1

10.11